【くろこのスポットライト】勝つために必要な選出論

くろこのスポットライト

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ランクバトル1位獲得回数7回最高レート2297S16にて1位2位を同時獲得などの数々の実績を持つ最強プレイヤー。サイクル構築の匠として知られ、高い勝率を維持し続けている。

【前回の記事】サイクル構築の魅力

勝てる選出論



ポケモンのオンライン対戦(通称ランクマッチ)では勝つために必要な要素が何個かあります。その中でも今回は僕が実際に対戦する時に意識している「勝つために必要な選出論」というテーマを話していきます。

勝つために必要な選出論というテーマですがどちらかというと「即負けにならないような選出をする」ことを意識するのが大切でこれを突き詰めていくと「勝つために必要な選出論」ということに繋がっていきます。

相手の構築(6匹)を自分の選出(3匹)で見れるようにする

これは基礎中の基礎ですが、できていないと安定して勝てるようにはなりません。実際にどのような例かというと、相手の構築に「ウオノラゴン」というポケモンがいるとします。

ウオノラゴン

ウオノラゴンというポケモンは特性「がんじょうあご」と強力な技「エラがみ」に加えて「こだわりスカーフ」を持たせることで高火力と高い素早さを両立できるポケモンです。もしこのウオノラゴンがいる相手に対してこちらの選出が「カバルドン+ドリュウズ+カイオーガ」のような選出をしてしまうと「エラがみ」を連打されているだけで負けてしまいます。

エラガミを打たれるカバルドン

ダイマックスや運を絡めれば上手く対処できるのでは?と思う方もいると思いますが、そもそもウオノラゴンの処理手段が通常の攻撃ではなく「ダイマックスや運」に頼っている時点で選出が破綻しています。では次に相手のポケモンを見れる選出の例を紹介します。

相手の方の構築が「カバルドン、ザシアン、サンダー、ポリゴン2、ウーラオス、ラプラス」だとします。この相手の方に対して自分が「ラグラージ+ネクロズマ+サンダー」という選出をします。

こちらの選出
ラグラージの画像 げきりゅう
のんき
オボンのみ
クイックターン
まもる
あくび
ステルスロック
実数値(努力値) 207(252)-130-151(220)-*-115(36)-58
※S個体値0
役割 「オボンのみ」を持たせることでザシアンの「じゃれつく」を耐えるケースが発生する他、「まもる」を使用することでサンダーのダイマックスターンを枯らす動きが可能となる。
日食ネクロズマの画像 プリズムアーマー
わんぱく
ラムのみ
メテオドライブ
サイコファング
あさのひざし
りゅうのまい
実数値(努力値) 204(252)-178(4)-177(108)-*-130(4)-115(140)
役割 ラグラージと同時に選出することで、「ステルスロック+あくび」のサポートを受け高い性能を発揮する。ロトムやドヒドイデを意識し「サイコファング」を採用している。
サンダーの画像 せいでんき
おくびょう
いのちのたま
ボルトチェンジ
ぼうふう
ねっぷう
はねやすめ
実数値(努力値) 165-*-106(4)-177(252)-110-167(252)
役割 特性を「プレッシャー」にすることでカイオーガの「こだわりスカーフ」を判別することが可能になる。日食ネクロズマで苦手なカイオーガ軸に対して非常に強い。

この「ラグラージ+ネクロズマ+サンダー」という選出は、冒頭で説明した相手の構築(6匹)を自分の選出(3匹)でみるという選出方法です。初手にラグラージを置くことで相手の選出全てに対応することができます。

相手の初手 こちらの行動
カバルドンの画像 あくび→クイックターンで展開
ザシアンの画像 あくび→ステルスロックで展開
★相手にみがわりを貼られた場合
あくび→クイックターン→ネクロズマ交代から相手の技選択に応じて選択
サンダーの画像 あくび→まもる→ステロ等で展開
(ラグラージはひかえめ特攻252ダイジェットを確定で耐える)
ポリゴン2の画像 あくび+ステルスロック→あくび…で展開
一撃ウーラオスの画像 あくび→ステルスロック→あくびで展開
★挑発を打たれた場合
クイックターン(タスキ潰し)→最速サンダー交代で処理
ラプラスの画像 フリーズドライ読みでネクロズマ交代→ダイマックスを誘いラグラージ交代からあくび

このように全ての動きに対応することできるため、これも前述した「即負けにならない選出をする」ということができています。

もちろん想定していない行動をされる時もありますが、そこは柔軟に立ち回ることで誤魔化しながら対応することで、環境に存在している動きにはしっかりとこの動きや選出で勝つことができます。最終的にはラグラージの展開からネクロズマで「りゅうのまい→ダイマックス」やサンダーで補助+全抜きといった動きでこちらは勝ちに行きます。

りゅうのまいネクロズマ

↑全対応できる選出と「りゅうのまい」による強力な勝ち筋が高い勝率へと導く

もちろん全ての構築(6匹)に対して自分の選出(3匹)で対応できないケースも20〜30戦に1回ほど、最上位帯では5〜10戦に1回ほど存在します。これに関しては選出を読み切る必要や再戦だった場合は選出択になることもありますが、あくまで即負けにならない選出をすれば選出画面で勝ちが見えなくても対戦中に噛み合ってなんとかなる事もあるので、そこは自分のプレイングや気合いでなんとかしましょう。

相手の構築に3匹で対応できないことがあまりにも多発してしまった場合はそもそもの構築が欠陥であることがほとんどなので、選出を見直す前に1度構築を見つめ直してみましょう。これが1つ目の「相手の構築(6匹)を自分の選出(3匹)で見れるようにする」ということになります。

初手(1ターン目)に絶対に作ってはいけない対面を作らない

カイオーガウオノラゴン対面

これも「即負けにならない選出をする」に繋がってきます。先程のウオノラゴンの話に戻りますが例えば相手の構築に「ウオノラゴン」がいる、そして自分の選出が「初手カイオーガ+裏にカバルドンドリュウズ」だった場合、カイオーガというポケモンはウオノラゴンに大してそこまで有利ではないですがダイマックスを使用した場合ウオノラゴンに対面で勝つことができます。なので初手カイオーガvsウオノラゴン対面ならまだいいですが、これを初手カバルドンにした場合はどうなるでしょうか。

ウオノラゴンカバルドン対面

裏にいるのがカイオーガとドリュウズであり前述した通りカイオーガはウオノラゴンにそこまで有利ではないため、交換も出来ずに1匹必ず倒れる展開になってしまいます。初手で1匹失うということはほぼ負けを意味し、相手視点からすると引けない(交代できないからカバルドンを捨てた)ことがわかるのでウオノラゴンを大切に使うだけで勝つことができます。これは非常に簡単な例ですがイメージはこんな感じです。

相手の初手を1点読みしてダイマックスを使う、釣り交換を行う、といった自分が有利状況で展開する分には何も問題なくむしろいい状況を作れていると思います。しかし1ターン目から交代できない状況を作ってしまうのは即負けに繋がってしまうため、こちらも勝つ選出論というよりは「即負けにならないような選出をする」ということに繋がってきます。

相手の1匹を自分の2匹以上で見れる選出をする

1匹を2匹以上で見れるとどうなるかというと、相手に役割集中をされた際に崩されにくいというメリットがあります。

役割集中とは? 1匹のポケモンに対して2匹以上の性質の似たポケモンで負荷をかけ、突破を目論むこと。

こちらも1つ目で話した僕のネクロズマ構築vs相手のザシアン構築での話をしていきます。僕の選出が「ラグラージ+ネクロズマ+サンダー」という選出で、相手の方が「カバルドン、ザシアン、サンダー、ポリゴン2、ウーラオス、ラプラス」だった場合を想定しましょう。

相手ポケモン 対応手段
カバルドンの画像 あくびクイックターンラグージ+ラムネクロズマ+珠サンダーで対応
ザシアンの画像 あくびクイックターンラグージ+竜舞ネクロズマ+珠サンダーダイマで対応
サンダーの画像 あくびまもるラグラージ+竜舞ネクロズマ+珠サンダーで対応
ポリゴン2の画像 あくびステロラグラグラージ+竜舞ダイスチルネクロズマ+珠サンダーで対応
一撃ウーラオスの画像 あくびクイックターンラグージ+ステロ竜舞ネクロズマ+珠サンダーで対応
ラプラスの画像 あくびラグラージ+竜舞日差しネクロズマ+珠サンダーで対応

このように、相手のポケモン全てに対して3匹とも対応できる形になっています。もし仮にネクロズマのみでザシアンを見ていた場合は、相手の方が強引にサンダーやウーラオスでネクロズマを倒してきた時にこちらがザシアンを倒す手段がなくなってしまいます。このような状況を避けるために相手の1匹に対してこちらは2匹以上で見れる選出が活きてくるというわけです。

2体以上で見る

このように選出を意識することで安定した勝率を出すことができるようになり、徐々にポケモン対戦というものがどのようなものか分かってくると思います。もし今まで強者の構築を使っても勝てなかった、プレイング以外に問題があるのかも?と思った方はまずは選出の仕方から見つめ直してみるといいかもしれません。閲覧ありがとうございました。

くろこ様の選出解説動画

くろこ様はYouTubeチャンネルにて、選出の解説動画をアップされています。本記事と併せまして、是非こちらの動画もご覧ください。

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