ドラえもん外伝

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書き込み一覧(264件)

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1 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:07

もしドラえもんがいなくなったら、 のび太たちはどんな人生を送ることになるんだろう。 そんな俺の妄想で描く空想小説。 なるべく原作の世界観を踏襲するようにします。

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    65 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:31

    全員がのびてしまった後、 「スネ夫、大丈夫?」 のび太はスネ夫に近付いて手を差し出しながら言うと、スネ夫はポカンと口を開けたまま、 「ああ」 と間抜けな声で答えた。 「…の野郎ォ!」 声に振り向くと服部がナイフを手にしていた。 「ヒイッ!の、のび太!うしろ!」 スネ夫と出来杉が思わず後ずさる。 のび太はフッと笑うと服部の方へ歩いていく。

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    66 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:32

    「このガキャァァ!!」 ナイフが振り下ろされるより先にのび太の拳が服部の腹に深く刺さった。 ゲエエと吐きながらのた打ち回る服部を見下ろしたのび太は、顔を靴で思い切り踏みつけて服部の耳に口を近づけ囁く。 「お前のヤサは割れてんだ。今度ミドリに近付いてみろ。今度は殺すぞ」 そして床に転がったナイフを手に取り、服部の手の甲に深々と突き立てた。 ぎゃあああああああああああ!転げまわる服部を尻目にのび太は立ち上がると、 「さ、帰ろうか」 ミドリはのび太を見て微笑んでいる。

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    67 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:32

    「さすがのび太さん!いざというとき頼りになるわ」 スネ夫も出来杉も言葉を失っていた。 「ここを出て右に行くと確かバス停があったわ。行きましょ」 スネ夫たちはヨロヨロと立ち上がるとミドリについて行った。 この話し方、前にどこかで…。 のび太の中で様々な光景が去来する。 「のび太さーん」 ミドリの呼ぶ声に、ある姿が鮮やかにフラッシュバックした。 ドラえもんより一回り小さな、黄色い身体。 かわいい赤のリボン。

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    68 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:32

    のび太は駆け出すとミドリの肩を掴み 「ミドリちゃんってもしかして、もしかしてドラ──」 そこまで一気にしゃべって言葉に詰まる。 「なぁに?」 ミドリは無邪気に微笑んでいる。 もしこれが本当に、本当に彼女だとしたら、僕がそれを口に出した瞬間彼女は消えてしまうのではないか。

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    69 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:33

    そんな予感にのび太は固まったまま動けないでいた。 「いきましょ」 ミドリはのび太の手をかわすと軽快に歩き出した。 帰りのバスの中はのび太を賞賛する話でもちきりだった。 「すげえすげえ」を連呼するスネ夫と驚きを隠せない出来杉に挟まれ、ただ一人のび太だけが別のことを考えていた。

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    70 名無しさん2017-03-17 15:33

    なんだここ

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    71 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:34

    ーーーーーーーーーーーー 「ただいま」 しずかが帰宅すると、リビングから母の楽しそうな話し声が玄関にまで聞こえていた。 しずかがリビングのドアを開けると、 「あ、娘が帰って来たみたいだから」 と、慌てた様子で電話を切る。 「ただいまくらい言いなさいよ」 母はエプロンをつけてキッチンへと入っていった。 しずかはムッとして「言ったわよ」 「お母さんが電話に夢中で私の声なんか聞こえなかったんじゃないの」 「何言ってるの」

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    72 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:34

    母は機嫌がいいのか鼻歌を歌っている。 しずかの父は今日もいない。 毎週土日のどちらかはゴルフに出かけ、帰宅が夜になることも珍しくなかった。 ここ1~2年、しずかは両親が会話をしているところを見たことがない。 母も今日は出かけていたのだろうか。 エプロンの下からは、あまり見たことのないワンピースがのぞいていた。 「お母さん、今日どこか行ってたの?」

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    73 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:34

    母は一瞬しずかを見て 「どこにも出かけなかったわよ。どうして?」 「ううん、何でもない」 しずかは冷蔵庫からお茶を取り出しコップに注ぐと一気に飲み干した。 「私、出来杉さんに付き合ってって言われてるのよね」 「あらいいじゃない。女の子は恋をしなきゃダメよ~」 しずかは急に吐き気を催しトイレへに駆け込んだ。 さっき食べたハンバーガーを全部吐き出すと涙がにじんだ。 嘔吐する声は、キッチンまでは届いていないのだろうか。 母は心配して声をかけてくれることもなかった。

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    74 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:35

    しずかは自分の部屋に戻ると服のままベッドに寝転がった。 母の携帯にメールが届いてることに気付き、何気なく覗いてしまったのは何週間前だったろう。 そこには生々しい男と女のやりとりがあった。 それ以降、しずかは母を汚らわしいと感じるようになっていった。 父も母には無関心のようだ。 不意に思い立って、本棚で埃を被っている昔のアルバムを引っ張り出す。 そこには遊園地のベンチで笑う家族3人が写っていた。 「どうしてこんなことになっちゃったの?」

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    75 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:35

    しずかの目から涙があふれ出す。 お腹がシクシクと痛む。 去年からしずかの身体に大きな変化が現れ始めた。 生理が来た。 胸も膨らみ始めた。 しずかは自分が女へと変貌していくことに戸惑い、恐れを抱いていた。

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    76 名無しさん2017-03-17 15:35

    なんなの、この人

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    77 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:35

    脳裏には、見知らぬ男に抱かれる母の姿があった。 「…汚らわしいッ」 しずかは机の引き出しを開けカッターナイフを取り出した。 チキチキチキと出されていく刃は鈍く光を放ち、汚れを浄化してくれるような力に満ちていた。 しずかは左手の手首にカッターナイフを当てた。 ヒヤリと吸い付くような感触が火照った身体に心地いい。 そして一気に右手を引いた。 ~中学校編 了~

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    78 名無しさん2017-03-17 15:35

    あまり面白く無いけどお茶よりか脳みそありそうだから応援してみる件。

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    79 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:36

    続きはまた後ほど。

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    80 名無しさん2017-03-17 15:37

    外見はしろくま中身は龍二

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    81 名無しさん2017-03-17 15:38

    ひくわーこれ 暗い過去でも背負ってるん?

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    82 名無しさん2017-03-17 15:39

    その名は滅探偵ソ◯ン!!

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    83 名無しさん2017-03-17 15:40

    イメージ画像

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    84 名無しさん2017-03-17 15:40

    いい心療内科紹介してあげるおっおっおっ

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    85 名無しさん2017-03-17 15:40

    「コラぁ!野比ィ!!!」 まで読んだ

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    86 名無しさん2017-03-17 15:41

    おいしろくまに激似じゃねーかw

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    87 名無しさん2017-03-17 15:41

    ドーラじゃねえかw

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    88 名無しさん2017-03-17 15:41

    すげー頑張ったなお前w

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    89 名無しさん2017-03-17 15:42

    俺は「~中学校編 了~」 だけ読んだ

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    90 名無しさん2017-03-17 15:44

    感想文書くときにやりがちなやつなw

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    91 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:58

    ~高校編1~ スネ夫は一人、机に向かっていた。 高校2年、夏休み前の期末テスト直前だった。 スネ夫はその財力に物を言わせ、中学の頃から家庭教師・マンツーマンの学習塾などの英才教育を受け、出来杉と同じ有名進学校に入学した。 高校に入ってからも安定した成績を保ち、このまま順当に行けば六大学クラスへの入学が確実視されていた。 コンコン。部屋がノックされ、母親が入ってきた。 「スネちゃま。お夜食ざますよ」

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    92 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:58

    この母親も相変わらずだ。この調子では、いつまでも子離れできそうにない。 「うん、そこに置いといて」 スネ夫は顔も上げずに言った。スネ夫は案外マザコンタイプではなさそうだ。 スネ夫の父はまだ帰らない。 どんな仕事をしてるのか、スネ夫も実はあまりよく知らなかった。 ただ、かなりの収入があることだけはわかっていた。 そして、それなりの収入を得るには、家庭をある程度犠牲にしなくてはならないことも何となくスネ夫はわかっていた。 スネ夫の母も特に父に不満があるようでもない。

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    93 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:58

    幸せいっぱいの家庭とは言えないかもしれないが、みんながそれなりに満足していた。 また両親にとっては、スネ夫がなによりの自慢の種だった。 と、そのとき玄関ドアが乱暴に閉められる音が聞こえてきた。 「おうい、帰ったぞぉ!」 最近スネ夫の父は酒を飲んで帰ってくることが多くなった。 母が階下に下りて行き、 「あなた、また酔ってるざますね」 ため息交じりにそう言うと、 「まぁまぁいいじゃないか。おういスネ夫ー!」 息が酒臭い。

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    94 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:59

    スネ夫も一応階段の上から顔を覗かせた。 「なに。いま勉強で忙しいんだけど」 「スネ夫、明日から家族で旅行にでも行かないか。ハワイでもヨーロッパでもどこでもいいぞぉ!パーッとな!どうだ」 顔を真っ赤にしながら、大声を張り上げる。 「何言ってんの、無理無理。明日から期末テストだよ」 スネ夫は自分の部屋へと取って返そうとした。 「そんなに勉強勉強言うなよ!」 スネ夫は少しカチンときた。

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    95 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:59

    「今まで散々勉強しろって言ってきたのはどこの誰だよ!」 スネ夫は部屋に戻ると勢いよくドアを閉めた。 「あなたどうしちゃったの。最近おかしいざますよ」 父は顔を歪めながら笑うと、力なく靴を脱いだ。

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    96 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 15:59

    ーーーーーーーーーーーー 一方しずかは女子高に進学した。校内での評判が良かったこともあり、推薦ですんなり入学した。それほど進学に力を入れている学校ではなかったが、自由な校風がしずかは気に入っていた。 しずかは電車通学だ。しかもスネ夫・出来杉の通う高校と方向が一緒なので、朝電車でスネ夫たちと顔を合わせることも多かった。 「おはよ」 3人が乗る位置は、いつからか前から3両目と決まっていた。

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    97 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:00

    「スネ夫さん、なんだか眠そうね」 微笑むしずかの目元は、どんどん女のそれになってきている。 スネ夫や出来杉は妙に女を感じて、ドキッとしてしまうことがあるくらいだ。 「今日からテストだからね。お陰であんまり寝てないよ」 あくび混じりのスネ夫。 「しずかちゃんのとこはテストいつからなの?」 出来杉はいつもさわやかだ。 「私のとこはもう終わったわ。後は夏休みを待つだけ。ウフフ」 電車がホームに滑り込んできた。

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    98 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:00

    いつものように超満員だ。どこにも隙間などないように見えるが、この状態からさらに乗れてしまうから不思議だ。 出来杉はしずかとくっつきながら電車に揺られた。 間近で見るしずかの横顔は、昔と変わっていないようで、やはり違っている。 よく見ると眉毛やまつげなど、うっすらではあるが化粧が施されていることに気付く。 しずかの体からは、女性特有のいい匂いがした。 しずかはそんな出来杉のことなど一切気にすることなく、携帯を触っている。

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    99 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:00

    足元には大きめのバッグ。一体この中には何が入っているんだろう。 部活でもしてるのだろうか。いや、とてもそんな感じではない。 間もなくしずかの降りる駅に到着した。 「それじゃ」 「バイバイ」 結局一言も言葉を交わすことなく、しずかは行ってしまった。 扉が閉まると、出来杉は改めて言った。 「しずかちゃん、ずいぶん雰囲気変わったよね」

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    100 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:01

    「そりゃもう高校生だし。それに女子高ってコンパとか結構あるんじゃないの?しずかちゃんかわいいしさ。そう言えば、しずかちゃんに告ったの?」 スネ夫はヒジで出来杉を突付く。 「そんなの無理だよ。…しずかちゃん彼氏いるのかな」 「どうかなぁ。ま、僕は昔のしずかちゃんの方が好きだけどな。なんか今は少し派手っていうか、ああいうのは似合わない気がする」

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    101 名無しさん2017-03-17 16:01

    背中が寒くなってきました

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    102 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:01

    「そうだね…」 スネ夫は少し元気のない出来杉の肩をポンと叩くと、 「とにかく今僕らは恋愛どころじゃないでしょ。昨日なんかさ、夜勉強してたらパパに邪魔されちゃってさ──」 出来杉は、改めて考えてみると自分がしずかのことをほとんど知らないことに気づき、暗い気持ちになるのだった。

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    103 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:02

    しずかは高校に入ってから、あまり友達ができなかった。母親のこと、家族のこと、心に屈折を抱えるしずかには、何でもないことで屈託なく笑い転げるクラスメイトが、自分とは別の人種かのように思えてしまうのだ。 しかし2年生になってしずかにも仲のいい友達ができた。 エリカという名のその子は、髪が黒くおかっぱのような髪型と、あっさりとした目鼻立ちで、地味で大人しい印象を誰もが抱いた。おそらく卒業後、エリカの顔と名前が一致しない子も多くいそうな、そんな感じだった。

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    104 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:02

    また、どこか厭世的な雰囲気を漂わせていた。他の子たちとは違い、女子同士で群れることもなく、教室ではしずかと同じように一人で過ごすことが多かった。 何となく波長が合うのだろうか、二人はやがて意気投合して、いろいろな話をするようになり、今では共通の秘密を持つまでになった。 夏カゼでも引いたのだろうか、今日エリカは朝から調子が悪そうだった。 「エリカ、今日はどうする?体調悪いんだったらやめとく?」

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    105 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:02

    エリカは少し咳込みながら、 「大丈夫、そんなに大したことないから」 「じゃ、いつもの時間にいつもの場所で、ね」 「オッケー」 その日の夕方、しずかは新宿にいた。 バッグを手にデパートのトイレへと入っていく。 数分後、伊勢丹前にエリカの姿があった。 濃いめのメイク、胸元が開いたドレスシャツに、大きくスリットの入ったミニスカート。 これがあのエリカだとは誰も気付くまい。

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    106 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:02

    クチャクチャとガムを噛むその姿は、娼婦のように見えなくもない。 ほどなくしてしずかもやってきた。 しずかもまるで別人のようである。 もしここで出来杉とすれ違っても、おそらく気付かれることはないだろう。 二人はお互いを舐め回すように見つめ笑い合うと、寄り添うように夕闇に包まれ始めた街へと消えていった。

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    107 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:03

    ~高校編2~ しずかたちが夜の街に消えた数時間前、スネ夫は得意な世界史のテストに取り組んでいた。 今日はツイてる。 昨夜ヤマを張ったところが見事に的中していた。 2年生1学期の期末テストは非常に重要な意味を持つ。 スネ夫は万全を期して5回も答案を見直した後時計を見ると、まだ時間は15分も残っていた。

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    108 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:03

    その時である。 教室の前の戸が開けられ、学年主任の先生が入ってきた。 「骨川君はどこかね?」 教室内がにわかにざわめく。 教壇に座っていた担任も思わず腰を上げる。 「主任、どうしたんですか?」 「ちょっと急用らしくてね。骨川君」 テスト中にもかかわらず、クラスのみんながスネ夫を振り返った。 「僕ですけど」 スネ夫はおずおずと学年主任を見た。

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    109 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:03

    「テスト中悪いが親御さんから急用の電話が入っている。ちょっと抜けられるかね」 「テストはほぼ終わっていますから大丈夫です」 スネ夫は立ち上がると、学年主任と職員室に向かった。 これはきっとただごとではない。 家族が事故にでもあったのだろうか。 嫌な予感に胸が締め付けられる。 職員室に着いて受話器を受け取る。 「スネ夫か」 父の落ち着いた声が聞こえてきた。

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    110 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:03

    「うん、どうしたの」 もしかしたらどこかの親戚が倒れたとか、そんな話なのではないか、そんな気がした。 「スネ夫、落ち着いて聞いてほしい。父さんは今から警察に行かなきゃいけなくなった。」 ケイサツ?一瞬理解できなかった。 何か交通違反でもしたのか?それとも万引きとか?そんなわけはない。どういうことだ? 様々な疑問が去来する。

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    111 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:03

    「そして多分明日から当分、この家から学校へ行けなくなると思う。今から帰ってきて荷造りをしてほしいんだ」 ますます意味がわからない。 「どういうこと?」 受話器の向こうからは母の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。 家から学校に行けないとは一体どういう意味だ。荷造りって夜逃げでもするつもりなのか。 「とにかく電話じゃ話せないことだから、すぐに帰ってきてくれ」 スネ夫は受話器を置くと、こちらを心配そうに見つめる学年主任に一礼し、教室に一旦戻ってから家路についた。

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    112 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:04

    家に戻ると、全ての窓にシャッターが下ろされていた。 玄関を開けリビングに入ると父はダイニングテーブルに腰掛けていた。 母はソファに座り、両手で顔を覆っている。 「帰ったよ」 母はスネ夫に気づくと、立ち上がりスネ夫に抱きついた。 「スネちゃん!」 そしてわあわあとその場に泣き崩れた。 「パパどういうこと」 父はテーブルの上で固く拳を握り締めていた。

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    113 名無しさん2017-03-17 16:04

    2があるんかいw

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    114 しろくま◆Ju070/Gmy22017-03-17 16:04

    「いずれ分かることだろうし、お前ももう子供じゃない。正直に話すよ」 スネ夫は、父が会社の指示で多額の金を横領したこと、そしてそれがバレて今から警察に連行されること、マスコミが今夜にでも押しかけてくるかもしれないことを聞かされた。 「本当に済まない。しかし父さんだけが悪いんじゃない。仕方なくやってしまったことなんだ。信じてくれ」 頭を下げる父。

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