みんなはローグライクが好きかな?うん、恐らくローグライクが嫌いな人はこの記事を目にすることもないと思うんで、この記事では全人類ローグライク好きということにしておきます。
で、そんなローグライク好きがSteamで色々探していると気づくわけです。「わけわからん英名作品しかねーじゃねーか」と。かつ、別にビジュアルもサウンドもストーリーも期待してるわけではないけれど、なーんか自分の価値観に合わないんだよなっていう。
そんなわけで、デッキ構築型ローグライクRPG『クロノアーク』を紹介します。ローグライクにしては珍しい、ゲーム性以外の部分にも力を入れている大作を。
※2022/07/19、Ver1.9の内容を元に執筆しています。また、執筆時点ではアーリーアクセス版となっています。
▲戦闘風景。操作感はただのコマンドRPG
本作『クロノアーク』は、デッキ構築型ローグライクRPGとでも言うべきジャンルのゲーム。ジャンルがジャンルとしての意味をなしてない気もするので補足すると、『Slay the Spire』ライク。
本作の見てくれはただのコマンドRPGなんですが、特徴はコマンドの選択をカードデッキから行うということ。つまり毎ターン同じスキルを連発することはできないし、運悪く回復スキルが舞い込んでこないこともあるし、偏り次第ではそのターン全く行動できないキャラも出てくる。一度使ったカードは捨て札になり、山札が切れたら捨て札を全て回収してもう1回という感じ。カードとはキャラのスキル・行動のことだと思ってもらえれば95%くらい合ってます。
▲開発は韓国なので、翻訳や漢字表記が甘いのはご愛嬌
それだけならカードゲームとRPGが融合しただけのゲームなんだなふーんって話で終わりますが、そこはローグライク。普通のカードゲームはデッキを事前に構築できるものですが、本作はプレイ中にランダムで入手できるカードで即席のデッキを作らなければなりません。
カードはレベルアップや探索中に入手できるアイテムなどからランダムで獲得できるようになっていて、提示された3枚から選んで1枚を入手、みたいな集め方をするのでよほどのことがない限り歪なデッキにはならないので安心。
あーだらこーだら文章で語ってもちんぷんかんぷんなのは自分でも理解しているので、実際に戦闘風景を見ていこう。と思ったんですが、画像じゃ多分全然伝わらないので簡単に動画を撮ってきました。
2面ボス「ゴーレム」との戦闘。以下では、2ターン目0:50~くらいの動きを解説してます。
まず手札に「無限の刃」があるので、一旦使用して全ての手札に「幻影の刃」を生成する効果を付与。その後、どうせ0コストなので「イブ回収」を使いマナを回復してこのターン動きやすい状態にしておきます。その後「再生」を使いイブをアザールに移動させ、追撃を発生させるような状況を生み出します。そして幻影の刃で攻撃を開始していき、イブの稼働回数が切れたら「動く時間!」「ヒーリング」で再度イブ稼働。アザールの攻撃回数が足りないことに気づいたのでカードを交換し幻影の刃を生成、無事イブの稼働回数を使い切りました。2マナ残っていますが次ターンの敵の行動に備えて回復スキルは残しておきターンエンド、という流れになります。
ダメだ、わけわからんな。キャラの前提知識が必要なのでこれで伝わるかどうかはかなり怪しいんですが、こんな感じのゲームですよって雰囲気が伝わればいいかなと。改めて自分のプレイを見返すとアホだなこいつって感じになるのはいいですね。たった1ターン振り返るだけでも無駄な行動が多いなーというのを実感します。
▲RPGらしいステータス画面
RPGが好きな人には申し訳ないし勿論例外もありますけども、RPGってとりあえずストーリーをクリアするだけならレベルを上げれば誰でもとりあえず達成できるじゃないですか。まあ反感を買う前提で言いますけど、プレイヤーが成長しなくてもいいんですよこれ。キャラが成長してくれれば。だからこそRPGは国民的ゲームジャンルにのし上がったとも言えるんですが。
でもローグライクって、プレイヤーが成長しないといまいちクリアできないようになってるんですよね。付け焼き刃でもいいから、手段は問わないから自分自身が成長し学ばなければならない。ジャンルは全然違うとはいえ、アクションとかシューティングとかもプレイヤー自身が強くならないといけないという意味では同じです。だから一般ウケしにくいし、得手不得手が大きく分かれる。
話が脱線しますが、ちょうど最近『モンスターハンターライズ:サンブレイク』をプレイしてたんですよ。で、初見のモンスターってまあ何してくるか全然分かんないわけで。だから大抵の場合満身創痍でなんとか勝利を収めるってことになるんですけど、モンハンって基本周回ゲーなんですね。同じモンスターと何度も戦うハメになる。
そうなると、気づくわけです。この攻撃は絶対当たっちゃいけないなとか、この行動の後は必ずこの行動につなげるなとか、このモーションは見た目より判定スカスカだなとか。それが分かってくると、より効率的にモンスターを倒せるようになる。最初はボコボコのボコにされた相手とも、まあいい感じに渡り合えるようになる。俺って実は結構上手いんじゃね?とか勘違いし始める。でもそれが楽しい。何故なら自分の成長を実感できるから。で、調子に乗って別の武器種も使ってみようかなって挑戦してメタメタにされる。でも悔しいから何とか使いこなせるくらいには頑張りたい、みたいな。
ローグライクもこれなんですよ。無論、『クロノアーク』もこれです。
▲4面ボス。この攻撃の後、死んでます
そんなに強く叩かなくてもいいじゃんってくらい本作は敵の攻撃が激しいですし、ドロー運悪すぎて草みたいなこともそりゃありますよ。でもほとんどの場合、95%くらいは実力で跳ね返せるような仕組みになってます。ああいう状況では回復を優先すべきだったなとか、こいつは真っ先に処理しないとダメだったなとか、アイテム使っときゃ良かったなとか、反省点はいくらでも出てきます。でもそれを次に活かせればいいんです。
▲ちょっとずつ強くなれる要素は存在するので安心(?)
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という有名な言葉があります。じゃあ歴史がなかったら?そりゃもう、経験に学ぶしかないでしょ。でも、愚者ってなんだか知ってますか。未経験であり無謀であり、希望であり無限の可能性なんですよ。そして多分、愚者のほうがゲームを楽しめる。
▲プレッセル、予知します。……予知ってなんだ?
良くも悪くも、本作は古のローグライクよろしくとにかく説明不足が過ぎる。
最初全然理解できなかったのは、HP回復周りの仕様について。このゲームはダメージを受けると当然HPが減るわけですが、まず受けたダメージは緑色の「回復ゲージ」として保持されます。その状態で再度ダメージを受けると保持していた回復ゲージがごっそり削られて、そのときに受けたダメージ分の回復ゲージが出てくるって感じです。例えばHP40のキャラが10ダメージを受けるとHP30/40+回復ゲージ10の状態になって、そこから更に5ダメージ受けるとHP25/40+回復ゲージ5になります(検証したわけじゃないですが、実際は25/40+回復ゲージ5+回復ゲージ10*40%くらいになってる気もする)。
じゃあその回復ゲージってなんやねんって話ですが、ざっくり言えば回復可能HPです。何が問題かというと、このゲームのHP回復スキルは基本的にこの回復ゲージの回収しかできないってこと。HP25/40+回復ゲージ5のキャラに15回復を与えれば普通のゲームは全快するんですが、このゲームでは恐らく32くらいまでしか回復しません。完全に失ったHPを回復しようとすると大幅な下方倍率が掛かるんですね。多分20%くらいの回復量になります。
要は、回復ゲージが保持されている間に回復行動を行わないとどんどん戦況が不利になっていくんですよ。まあ回復ゲージは戦闘終了時に全て回復されるし、回復ゲージを削られない状態にするバフもあるし、勿論味方をかばうスキルもあるので実際には回復行動一択ってわけではありません。ただ、とにかく回復ゲージの重要性に気づけないとボス戦はおろか雑魚戦ですら苦労することになります。
▲回復ゲージを保持できるタンク。えらい
生死を分けるほど重要な仕様なんですが、最序盤のチュートリアルがあったようななかったような、そのくらい説明がおざなりにされてます。少なくとも後から振り返ることはできません。僕はチュートリアルを読んでも理解しようとしないタイプなので、死んで覚えたわけです。なんかダメージ受けると緑のゲージ出るなあ、またダメージ受けると緑のゲージ減るなあ、緑ゲージ超過部分のHP回復量低いなあ……つまり?みたいな。えじゃあこのキャラが持ってる回復ゲージ保護ってめっちゃ強くね?とか。この気付きがたまらない。
▲隠し要素。これに気づけると攻略が少し楽になる
他にも例えば、戦闘中に使用できる「アクティブアイテム」と呼ばれるシステムを僕がちゃんと理解したのはラスボスを倒してからです。「解呪スクロール」ってアイテムを何気なしに使ったらなんか変な宝箱出てきたぞ?とか。あとはジャンプのやり方。このゲームでいちばん重要な要素ですからね。適当に操作してたらジャンプできたんですが、これも発見したときはオオッでした。
この辺についてはチュートリアルなんて勿論ありませんし、TIPSだってない。死んで覚えるしかない。今回はダメだったけど、次はもっと上手くできるぞ。それが面白い。
このレビューを読んでいる人の中には、『Slay the Spire』は知ってるし興味もあるけど未プレイって人も結構いるんじゃないかなと思います。特に、やったら面白いのは分かってるんだけどなーっていうタイプの人。気持ちは分かります。
多分なんですけど、キャラクタービジュアルとかデザインセンスとかを受け入れられないんじゃないかなって。そもそも洋ゲーですからね。ミーハーオタクが喜びそうな感じのローグライクじゃないんですよ。語弊を恐れずに言うならば、日本人ウケするような雰囲気じゃない。『Slay the Spire』の雰囲気とかが好きなオタクもいると思うのでそこはすみません。
これは僕自身の偏見なんですけど、「ローグライク」というジャンルが好きな人はゲームを遊ぶ際に「ゲームシステムそのものの面白さ」を重視する人が多いように思います。キャラクターの設定的な個性は必要ないし、BGMは聞いてて苦痛でなければ何でもいいし、ストーリーはあればいいけど適当でも許せるし、そんな些事よりとにかくゲーム部分が面白いのとUIと操作性でストレスなければその他一切不問、みたいな。あと値段とか。
なんでインディーゲームにローグライクやハクスラ要素のあるゲームが多いかというと、少ない材料で無限の遊び方を提供できるからなんですよ。製作者の方に失礼な言い方になりますが、低予算で面白さを実現できちゃう。まあ逆かもしれませんけどね。費用も工数もかかりそうなキャラクターボイスとかBGMとかムービーとかを用意できないから、ローグライク要素を導入するって事例もあるでしょうけど。
▲世界観を垣間見えるモード。なかなか珍しい
Steamとかで調べてみると一目瞭然ですよね。ゲーム性一本で勝負してますって面構えのローグライクの多いこと多いこと。ゲーム性以外のところはほぼ切り捨ててますっていう。実際、大抵はプレイしてみると面白いんですよ。
それはいいんですけど、まあ正直、正直ですよ。いくらゲームそのものの面白さを重視していたって、ビジュアルが綺麗でBGMも良質でストーリーも深く練り込まれてるんだったら、そりゃもっとゲームを楽しめるのは分かりきってることじゃないですか。最重要項目じゃないけど別に拒絶する理由もないという。裏を返すと、そういう要素を切り捨てても面白いのがローグライクだと僕は思ってますけど、故に軽視されてるのは間違いないです。
▲軟派()なキャライラスト。こういうのでいいんだよ
『クロノアーク』は、ローグライクで軽視されてきた部分をしっかり作り込もうという意識を感じられる作品です。まずキャライラストからして全然雰囲気が違う。この日本人ウケしそうな軟派な感じ。筋骨隆々なアメコミヒーロー的なおっちゃんはいないし、グロテスクで気持ちの悪いモンスターとかもほとんどいない。
こういうのを求めてたんですよ。だって今まで不思議なくらいなかったから。軟派だろうが構わん。俺はかわいい女の子がゲームに登場してるだけでテンション上がっちゃうようなミーハーなんだ。俺もそうだぜって人、やっぱいるんじゃないですか?
▲死ぬほど使いにくい。実際、味方が死にかねない
余談ですが僕が一番見た目好きなキャラはフーズなので、彼女の画像を掲載しておきます。
あと語りたいのは実はBGMなんですよね。このゲーム、ボスで結構苦戦するし頭を悩ませる局面が多いので自然と戦闘時間が長引きがちで、だからこそ脳に刻み込まれちゃうんですよ。で、このBGMがとてもいい。マップごとに雑魚戦もボス戦もちゃんと変わるから飽きないし、緊張感もあるしでこんなにBGMで満足したローグライクは今まで中々なかったなってくらい良い。良いゲーム体験があって初めて、良いBGMが生まれるんだなってのを実感させてくれる。
そうそう、僕はゲームのストーリーとか演出ってほとんど気にしないタイプなんですが、本作のストーリー構成には中々感心させられてます。特に演出面。ゲームを開始してしばらくすると、なんかこの演出変だなってのがチラホラあるんですよ。
まあ違和感の正体はわりとすぐ気づけるくらいには単純というか、ありきたりな設定ではあります。あんまり話しすぎるとネタバレになるので言及は避けますが、ローグライクというゲームの性質を上手く利用しているストーリーという意味でものすごく感心したということで。
▲……なんか見覚えあるな?
ちなみに、「運命編」と呼ばれるアドベンチャーモードもあります。ストーリーや世界観が知りたい人はこっちで補完してねってことなんですかね。ゲームシステムをストーリーに組み込む構造には感心したけど別に興味はないっていう捻くれ者なので僕は読んでませんが、実際に本編をプレイして興味が湧いたら是非。気にはなるんですがそこに時間を使うなら本編のゲームプレイに当てたいっていう。こんなレビュー書いてる今でさえプレイしたくて仕方がない。
まあそんなわけで、「『Slay the Spire』は知ってるし興味もあるけど未プレイって人」にウケるだけの要素はある程度整ってるんじゃないかなと思います。『クロノアーク』でデッキ構築型ローグライクRPGの面白さを知れれば今後の知見にもつながるでしょうし(?)、なんだったらこれを機に『Slay the Spire』に触れてみてもいいと思いますよ。
まあこのゲーム、イラストと雰囲気に釣られて触ると生まれたての子羊みたいな状況に陥るので、簡単に序盤の攻略情報を載せておきます。別にこれが正解というわけではないので、もっといい方法を自分で発見したらニヤッと笑ってください。
まず多くの人が悩むであろう、調査隊員って誰が強いんだという部分について。初心者というか最初はとにかくアザールです。誰がなんと言おうとアザール。彼は「幻影の刃」と呼ばれる攻撃スキルを生成しつつ戦うゴリゴリのアタッカー。
幻影の刃はそのターンのみの完全使い切りである代わりに0マナなので手札にある限り何度でも攻撃を行えるのが強み。他のスキルに幻影の刃を生み出す効果を付与したり幻影の刃の数に応じて強化されるスキルを持っていたり、要は攻撃回数とか手札の枚数とかを参照するキャラとのシナジーに優れます。
▲チャレンジモードも存在。やりごたえ抜群
本来はそうなんですが、アザールのすごいところは他キャラとのシナジーをほぼ考えずに自分勝手に行動してるだけでバリ強いところ。システムに不慣れな段階だとどのキャラと相性がいいとか一切わからないと思うんで、単体で完結してるってのは重要なんじゃないかなと。簡単だしおまけに強い。僕はアザールで「一匹ではない狼(単騎クリアのチャレンジモード)」もクリアできたし、いわゆるお手軽最強。最初は幻影の刃のシナジーを最大化することだけを考えて、ゲームの基本ルールを少しずつ覚えるのがいいんじゃないでしょうか。
ちなみにネタバレになりますがアザールはストーリー的にかなり重要なポジションを担っているので、彼に対して理解を深めておくという意味でもおすすめ。好きになるか嫌いになるかはちょっと別れそうではある。……でもアザールとアザールって別人じゃない?
▲可愛くて強い。最強
キャラは色々な条件を満たすことで少しずつアンロックされていくんですが、シズが解放されたらガンガン働かせましょう。シズはイブという人形を上手く使うことで真価を発揮するキャラで、仕組み自体は単純ながらもスキルの発動順で割と頭を使うので使っていてかなり面白い。しかもカワイイ。
イブは味方を選択するスキルを発動すると対象キャラに付与され、付与されたキャラの攻撃に追撃してくれたり、回復ゲージの保護や敵の攻撃に対する反撃をしてくれたり、馬車馬の如く働かされてるかわいそうな人形です。シズは回復スキルが多めで、マナ回復とかイブの攻撃能力強化とか色々持っているサポーター気質のかわいい女の子って感じです。
攻撃・HP回復・マナ回復と全てこなせるので、ゲームへの理解が進むほど強さが分かる器用万能タイプ。むしろシズを使ってゲームに慣れてください。イブを上手く活用できなかったときに、やっちまったってのが分かりやすいのもいい。じゃあ次はちゃんとイブの位置に気をつけて、稼働回数もちゃんと見て、マナ消費も考慮して、ああでも今はアタッカーじゃなくてタンクを保護したほうがいいかもしれない……みたいな。多分一番あれこれ考えるキャラなんじゃないかと思います。でも使いこなせたら採用ド安定のキャラになります。迷ったらシズ。いやイブ。
▲ヨハンサン。多分単発火力はこの人が一番出ます。
初期キャラのヘインとプレッセルもおすすめ。アザール同様に他キャラとのシナジーを深く考えずに活躍できるので、運用が簡単。ジョイとヨハンとアイアンハートも自己完結型だから彼らでもいい。
いやこれはあれだな、おすすめキャラよりも安易に触れないほうがいいキャラを教えたほうがいいかもしれない。まあ要注意キャラはダントツでフーズとフェニックス。この2キャラはめちゃんこクセが強いのでゲームに慣れてきたらでいいです。本当に難しい。ヘレンとセレナもちょい難しめかも。あとはイリヤもナニコレ?って感じ。
「死んで覚えろ」ってローグライクお決まりの文言で終わらせるのが個人的には正解だと思ってますが、そうは言われても勝てネンだわってのがあまりにも繰り返されるとウンザリするのはその通りなので、中盤以降のボスについての攻略をいくつかピックアップして載せておきます。
▲5回くらい潜って遭遇できなかったので図鑑画面から
まずは2面ボスの「魔女」でしょう。よく分からんけどすげーダメージもらって死んだんだが?って事態に陥りがちで、原因は「苦痛の呪い」カードをしっかり処理しないから。要はギミック対策がちゃんとできないとダメですよってタイプのボス。このゲームのボスは大半が対策必須のギミックを仕掛けてくるので、ちゃんとテキスト読みましょうねって教訓を得るためにもこいつを打開しましょう。
で、問題の苦痛の呪いカードについて。これは魔女が毎ターン手札にプレゼントしてくる、味方対象に苦痛の呪い状態を与えるデバフスキル。苦痛の呪い状態のキャラは毎ターン5ダメージを受け続けるのでシカトしたいのは山々ですが、放置するとターン終了時に味方全体に勝手に付与されるので被害を抑えるために必ず使わないといけません。その後に来る衰弱の呪いも仕組みは同じ。言葉にするとこれだけなので、要はちゃんと魔女の助言を聞きましょうねって話。ちなみに僕は初見で無視してボコボコにされました。
ちなみに魔女はストーリー上でチュートリアル的な戦いがあるんですが、その戦いが行われるのは一旦魔女をしっかり攻略して初回クリアを達成した後なんですよね。これだけ書くと逆じゃね?って話ですけど、これはストーリー的にちゃんと意味がある重要な場面で、かつ主人公ルシーを通して自分自身の成長を感じられる瞬間でもあるので是非見てほしいですね。
あと初見ではあ?ってなるであろうボス筆頭は恐らく3面ボス「パレードタンク」なんじゃないでしょうか。開幕先制攻撃の「ドン!」とかいう舐めたスキル名から放たれるドゥゥゥゥン……(全員瀕死)。何も知らないとクソゲーじゃねえか!ってなること必至なんですが、このボスは瀕死と死亡の仕様がちゃんと分かってればそれほど苦戦する相手ではありません。
まずこのゲーム、HPがマイナスに突入しても即座に死亡はせず「瀕死」という状態に陥ります。この瀕死状態で更にダメージを受けると「死亡」し、戦線復帰できなくなるという流れ。ポイントは、HPがマイナスになってもダメージを受けない限りは特にデメリットなく行動できるということ。数ターン放置してても大丈夫。
パレードタンクの次ターン行動はダメージ0攻撃確定で、つまり味方が死亡することはありません。編成にもよりますが、この2ターンの間に回復を全て捨てて速攻を仕掛けるのが一番楽(ハードモードは別)。回復行動を挟む場合でもHPを全回復する必要はなく、瀕死状態を回避さえできればいいので回復はそれほど意識する必要はないです。
▲このゲームで一番イライラさせられるボス
こいつに遭遇する頃にはある程度ゲームへの理解が進んでると思うので特に攻略情報はないんですが、消えてくれってくらい嫌いなボスなので晒します。こいつは手札に「爆弾」カードをねじ込んできて、爆弾が手札の最上段にきてしまうと起爆するっていうギミックが特徴。手札が制限されるのでアザールとの相性が最悪。ドローカードの使い方にも頭を悩ませるし、プレイヤーの行動を大きく制限するって意味で全く面白さを感じません。嫌い。まあでも何が一番ムカつくって、負けたときの演出ですよ。ノーマルですらたまに負けるんで、誰かこいつのいい攻略法教えてください。アッ!で起爆しちゃうことが多いのは自分でも分かってるんですけどねえ。
▲かわいい
パロス教教主です。教主様はボスの中で一番かわいいんでチラ見せしておきます。パロス教というのは、歪みの地と呼ばれる場所で活動している大規模な宗教団体のことで。教主がこんなかわいい子ならそりゃ一大勢力になるわなあ。あ、別に強くはないです。
面白いけど一般人は手に取りにくい。そんなローグライクの課題を払拭するかもしれない本作『クロノアーク』は、見てくれとは裏腹に高難度のデッキ構築型ローグライクRPG。執筆時点ではアーリーアクセス版なので購入は自己責任ですが、同ジャンルに触れたことのない人でも雰囲気一つで楽しめる作品だと思われます。
ただ、雰囲気だけに興味を持って適当に触ると火傷します。まあ難しいっすよ。いざプレイして、説明不足の理不尽なクソゲーと評してしまうかもしれない。それもいいでしょう。ただしそれは、あなたが学び、死んで覚えた上での感想であればの話ですが。
※2022/07/19、Ver1.9の内容を元に執筆しています。また、執筆時点ではアーリーアクセス版となっています。
総合評価 | ||
---|---|---|
7.8点/10 | ||
世界観 | グラフィック | ゲーム性 |
8.0/10 | 7.0/10 | 9.0/10 |
キャラクター (ストーリー) |
サウンド | 快適さ |
8.0/10 | 7.5/10 | 7.5/10 |
【総合評価】 編集部が話し合いによって決める参考値です。総合評価は10点満点となっており、10点=神ゲー、5点=普通、1点=致命的のように点数が高いほどより面白いゲームと言えます。 【6項目評価】 世界観:世界や設定の出来栄えの参考値 グラフィック:映像や背景の綺麗さの参考値 ゲーム性:戦闘や収集要素などの面白さの参考値 キャラクター:キャラたちの魅力、背景の参考値 サウンド:ボイスやSE、BGM等の参考値 快適さ:ロード時間や操作性、運営の更新性の参考値 |
タイトル | クロノアーク |
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発売日 | 2022719 |
開発元 | Al Fine |
対応機種 | |
ジャンル | |
プレイ人数 | |
CERO | A |
『クロノアーク』評価レビュー|ローグライク「らしさ」という呪縛からの脱却