【ニーアレプリカント】ウェポンストーリーの一覧【リメイク/PS4】

ニーアレプリカントリメイク/PS4のウェポンストーリーの一覧です。

ウェポンストーリー一覧

天叢雲剣

Lv.1
壁にかけたままの盾は埃をかぶっていた。鞘に収めたままの刃は錆びていた。使わない技を忘れてしまっていた。鍛える筈の身体を放ったままにしていた。律する心を失っていた。
Lv.2
何も言わずに済むと思っていた。他人の暴力を見て見ぬふりをしていた。どうせ変わらないと放り出していた。大きな力には逆らえないと思っていた。信じる心を嘲笑っていた。
Lv.3
下らない奴等だと笑っていた。そうやって逃げ込んでいた。所詮無理だと諦めていた。愚かしさと醜さを嘆いていた。生きる意味を失っていた。
Lv.4
大切な人を見失っていた。その優しさを信じられずにいた。心を引き裂く悲しみを救えずにいた。小さな幸せを守る勇気を忘れていた。この言葉が届かないと、そう思っていた。

▶天叢雲剣の詳細を見る

古の覇王

Lv.1
何世紀にも渡って繁栄した巨大王国に受け継がれていた王族の剣。剣の水晶には魔力があり一万人の血を吸うことで真っ赤に輝き、使っている者を不老不死にするという言い伝えがあった。しかし覇王と呼ばれた最後の王は、不死の身体よりも先代から受け継いだ王国の繁栄を何よりも大事にした。
Lv.2
ある日、最愛の后が不慮の事故により死んでしまう。王の子を宿しており、出産間近の悲劇だった。王は国を継ぐ息子が亡くなったと聞くと、絶望と悲しみに打ちひしがれ、既に高齢となった自分で王家の血が断絶する運命を受け入れられなかった。
Lv.3
狂った王は不死の身体を授かって王国を存続させようと、手当たり次第にその剣で部下や国民達を切り殺した。「私が最後の王ならば、この私が生き続ける限り王国は不滅なのだ!!」
Lv.4
何人も、何百人も、何千人もの国民を切り殺し、剣の水晶は輝きを増していった。あと少し、もう少しでその血のような紅が輝くとき、患っていた心臓が急激な負担に耐えかね破裂し、王は亡くなった。目の前の妊婦と胎児を殺せば、ちょうど一万人だった。

▶古の覇王の詳細を見る

王位簒奪者の槍

Lv.1
ある国で王子の影武者をしている男がいた。男は毎日の様に王子の代わりに公務を行っていた。今日も仕事を終えて王子の元へ帰ると部屋に裸の女が寝ている。女は王子の妹姫だった。呆然とする男に、同じ顔の男はへらへら笑いながら行為に誘ってきた。
Lv.2
男は王子の妹姫に恋をしていた。自分を兄として慕ってくれる妹姫も自らを愛してくれていると感じていた。たとえ偽物の姿を通してでも、最低な王子のために命をかける男にとって、彼女は唯一の生きる糧だった。
Lv.3
王子が戦争で指揮を執ることになった。役目のために命をも投げ出す覚悟の男に王子は言い放つ。大将の首を獲れば妹と寝るのを自分と一回替わってもいいと。男はへらへら笑う王子の口へ槍を突き刺した。
Lv.4
戦争が変わり妹姫を妃とした「王子」は、自分の顔や喉を傷つける行為をするようになった。妹姫が彼を「兄さま」と呼ぶたびにそれは続いた。やがて「王子」は自らの顔を焼き、口から槍を刺した状態で見つかった。その焼けただれた顔はとても穏やかだった。

▶王位簒奪者の槍の詳細を見る

王妃の玉座

Lv.1
ある王妃が暮らす王国の隣の共和国が以前同盟を結んでいた国の南方にある海に浮かぶ小さな島の村と交易を結ぼうとしていた村が所属する地方都市が組み込まれた都市国家の一番北にある国と同じくらいの緯度にある小国での出来事。
Lv.2
その国の王様の妻の弟の従兄弟の兄の娘婿が迎えた養子が恋をした吟遊詩人の奏でる詩に登場する美しい王妃に恋をした愚かな使用人の主人の妻の不倫相手の子供をお守りしていた乳母がよく買いに行く道具屋の主人が言いました。
Lv.3
この包丁を研いだ砥石を作る時に出来た破片を使って掘り込んだ彫銀をあしらった飾り枠を持つ鏡に映ってる扉ののぞき窓から見える隣の家の風見鶏の色と同じ色の食器と同じ重さの鍋の蓋の取っ手の素材で出来た飾りを使う予定の玉座はどこに納めるんだ?
Lv.4
その質問を聞いた妻の夫の妹の兄の娘の婿の弟の甥の父の母の夫の嫁の姪の舅の妻の夫の妹の兄の娘の婿の弟の甥の父の母の夫の嫁の姪の舅の妻の夫の妹の兄の娘の婿の弟の甥の父の母の夫の嫁の姪の舅の妻の夫の妹の兄の娘の婿の弟の甥の父の

▶王妃の玉座の詳細を見る

カイネの剣

Lv.1
彼女は恐れた。大切な人を失う痛みを、苦しみを、悲しさを。その感情だけが、薄く残っていた。
Lv.2
彼女は戦う。悲しみを振り払うような乱暴な太刀筋。復讐の刃が敵を屠り、返り血で視界が曇ろうとも。
Lv.3
彼女は夢を見る。孤独と失望が、暗闇の中から歌いかける。しかし、彼女は抗った。諦めずに何度も。何度も。
Lv.4
彼女は出会う。たとえ待ち受ける未来が無意味だとしても。(主人公名)と共に存ある世界を、選んだから。

▶カイネの剣の詳細を見る

愚者の慟哭

Lv.1
回想録 2003年 06月 12日 15時頃
東京都新宿上空から巨大な白い人型兵器(初期段階では『兵器』と呼称されていたが現在は『巨人』と改称されている)が落下。甚大な被害を同地域にもたらした。また同時刻に赤い竜のような生命体(以降『竜』と呼称)が現れ「巨人」と「竜」は交戦しているように見えたもののその攻撃原理・効用共に不明。対象に対する攻撃方法についての検討が自衛隊で検討されると同時に内閣で緊急対策室が設立される。
Lv.2
回想録 2003年 06月 12日 16時頃
「竜」と交戦していた「巨人」は唐突に崩壊を開始。理由は不明。残された「竜」は航空自衛隊第6航空団第303飛行隊により撃墜された。「竜」に対する攻撃命令についてどこから発せられたものなのかは記録には存在しない。また「巨人」と「竜」の遺骸についての回収も進められたがこちらも回収した機関の正式な確認は出来ていない。
Lv.3
回想録 2003年 12月
東京都新宿区にて「白塩化症候群」最初の症例を確認。
Lv.4
回想録 2004年 7月
「白塩化症候群」による人間の凶暴化が進行。汚染された地域での戦闘が激化。原因不明のまま、感染者の隔離と暴徒の鎮圧が行われる。主要道路の封鎖及び鉄道の停止が行われ、これが後の新宿封鎖へとつながっていく事になる。また同時期に非公式に米軍から軍事介入が打診されるが、政府がこれを保留。一方で政府内では「巨人」と「竜」から得られた魔素の研究と「白塩化症候群」の対処方法が研究されはじめ、10年後のゲシュタルト計画に至る事になる。

▶愚者の慟哭の詳細を見る

愚者の抱擁

Lv.1
あの囚われし絶望から救われた。
あの呪われた運命を捨てられた。
あの怒りにまみれた炎を鎮められた。
あの出会った日が我を変えた。
Lv.2
我の火で地を焼き尽くそう。
我の牙で血を啜ろう。
我の爪で敵を引き裂こう。
我の翼で空を駈けよう。
Lv.3
その目から光が奪われるのなら。
その肌が血に染まるのなら。
その剣が重いのなら。
その口が物言えぬのなら。
Lv.4
この身体が燃え尽きようとも。
この言葉が奪われようとも。
この契約が果てるまで。
この暖かさが失われるその刻まで。

▶愚者の抱擁の詳細を見る

愚者の盟約

Lv.1
これは悲しい王子のお話。遠い昔にあったある王国の物語。闇の軍勢に襲われたその国は、赤き目をした人外の兵と空を覆う黒き竜の大群によって一夜の内に崩壊する事になった。敵の侵入を許した王の城では王と王妃が見るも無惨に黒竜の爪によって腹を引き裂かれ、あたり一面は血の海の様になっていたと言われている。王子と妹姫は辛くも生き延びる事が出来たが、惨劇を目にした王子はその衝撃故に復讐の鬼となってしまう事になる。
Lv.2
これは恐ろしい王子のお話。遠い昔にあったある戦いの歴史。憎き敵兵を殺す事に執着した王子は、日に日に復讐という名の暴力に溺れるようになる。逃げ出す敵兵を引きずり倒して容赦無く殺すのは当たり前。さらには既に死んでいる敵兵を一刻以上も切り刻んでいるのを見た、という兵も出てくる有様だった。指揮官も扱いかねるのか、王子はさらなる過酷な戦場へ赴く事になる。
Lv.3
これは翻弄された王子のお話。遠い昔にあった運命の行方。次なる戦地は女神を守る城。王子は次から次へと敵兵を叩き伏せる。腕を斬り落とし、足を吹き飛ばし、腹を引き破り、頭を刈り落とし、目をえぐり出した。浴びる血と自ら流すそれの区別がつかなくなった頃、傷ついた王子はとうとう倒れる事になる。血溜まりの中で、熱い息を吐きながら苦しみのたうち回る王子。霞む目で見上げると、そこに居たのはあの憎き竜の姿であった。
Lv.4
これは狂った王子のお話。遠い昔にあったある竜との出会い。王子の目の前に現れたのは傷ついた赤き竜。最初は殺そうと思った。色は違えど両親の仇、竜の一族なのだ。剣を振りかぶった王子。その時、忌まわしき赤い竜は言葉を発した。貴様の命を救おう。お互いの魂と引き替えに力を与えようと。王子は考えた挙げ句、竜と契約を行う。たとえ何を失おうとも、相手が竜であっても、その復讐の刃をこのまま振り続けることが出来るのならば構わない。暗い油のような欲望だけが王子の胸の中に満たされていった。

▶愚者の盟約の詳細を見る

黒の誓約

Lv.1
「起動セットアップ初めますね」
僕は、目の前で眠る貴方に話しかける。
もう少し寝かせてあげたかったんですけど、これも命令なので。
Lv.2
「まずは明度の調整、お願いします」
貴方が目を覚ましたときに、最初に見るのは僕の姿……
寝ぐせ、ついてないですよね。
Lv.3
「次は音声認識の設定です。もしもーし、聞こえますかー?」
貴方が目を覚ましたときに、最初に聞くのは僕の声……
上ずらないように、気をつけないといけませんね。
Lv.4
「これでオプションの設定は完了です。おはようございます」
こうやって僕たちは、今日も穏やかに起動する。
……敵である、機械達と殺し合う為に。

▶黒の誓約の詳細を見る

月光と闇

Lv.1
遥か昔に大火事に襲われた国を、全てを凍らせてしまう剣が救ったという伝説がある。永遠に続く業火の苦しみから人々を救ったとされていた。その剣の周りには何千もの人型の氷像が佇んでいた。
Lv.2
世界中の武器を探し求める男が、剣の前に現れた。男は剣に幾重にも布を巻いて、剣を持ち出した。しかし、背中の荷物に入れて運んでいると、知らず知らずの間に布もろとも男は凍ってしまった。
Lv.3
旅の巫女が剣の前に現れた。巫女は神に祈りを捧げた後に剣を取ったが、指先からみるみる身体が冷えていく。巫女は神への冒涜の言葉を叫びながら凍っていった。
Lv.4
奴隷の女がある日、洞窟で岩を削る作業中に剣を見つけた。女はこんな苦しい毎日を送るなら、剣を突き刺して楽に死にたいと思い剣の柄を握った。しかし、女は凍ることもなく、剣で自分の体を貫くことも出来なかった。女が主に叩かれながら連れられていく様子を、月明かりに照らされた剣の刀身は映し続けた。

▶月光と闇の詳細を見る

白の矜持

Lv.1
その槍を持つ者は非業の死を迎える、そんな呪われた品があった。
いまその槍を持つのは魂の存在しない機械人形。
人ではない機械に、槍は何度も死を与えた。
Lv.2
機械人形は同じく機械でできた兵器達と戦争をしていた。
潰されての圧死。燃やされての焼死。突き落とされての転落死。
機械人形は何度も生まれかわり、再び戦場に投入される。
Lv.3
戦争はより過激に、より複雑になっていった。
自爆による特攻。偽りの作戦。仲間からの裏切り。
魂のない機械人形は、無限の地獄を繰り返してゆく。
Lv.4
やがて、機械人形に最後の死が訪れた。それは信頼する仲間を守るための自己犠牲。二度と復活できない作戦。
その身を蝕む苦痛の中で、機械人形は安らかに眠った。

▶白の矜持の詳細を見る

白の契約

Lv.1
ポッド、司令部へ通信。
”対象”の破壊を確認、任務完了した。
残骸回収後、バンカーに帰投する。以上。
Lv.2
ポッド、司令部へ通信。
作戦対象と接触、現状では不審な点は見られず。
引き続き監視を継続予定。以上。
Lv.3
ポッド、司令部へ通信。
作戦対象の観察記録を調査したが、敵対行動を確認できなかった。
対象の再調査及び、本作戦の一時中断を申請する。
Lv.4
”対象”の破壊を確認。
私は、謝らない……そう約束したから。
『さよなら……』

▶白の契約の詳細を見る

白の約定

Lv.1
御家が決めた通りに婚約を結ぶ。
私はただの道具でしかないから抗うことができなかった。
Lv.2
亭主となった彼は冷たい目をしていた。
彼も御家の繁栄のために人生を捧げるだけの道具なのだ。
Lv.3
彼は彼なりに私を見ようとしてくれる。
でも私は彼の優しさに上手く応えることができなかった。
Lv.4
ある晩、彼は私を寝室へと呼んだ。優しい彼になら私は……
迎えてくれた彼が持っていたのは白く美しい太刀だった。

▶白の約定の詳細を見る

草原の竜騎槍

Lv.1
王は老いていた。精悍だった眼差しからは光が失われ、逞しい体は見るも無残に弛みきっている。そして、老いるに従って身につけた虚栄や恐怖が、王の心を醜く蝕んでいた。王は怖かった。だから守るべき領土を失わないように周辺諸国への侵略を繰り返した。王は怖かった。国民の声も家臣の言う事も信用ならなかった。だから暴力と圧政で全てを奪い取ろうとした。
Lv.2
王に忠誠を尽くす竜が居る。翼の無い竜は王の言う事なら何でも従った。彼は王に救われた恩義が故に、魂で報いる事を誓ったのだ。たとえそれが目に余る愚行でも、王の口から命じられたのであれば従った。竜にとって王は正義そのものだった。
Lv.3
ある日、竜が血まみれで王に謁見を申し出る。その血は幼い王子を暗殺した返り血だった。暗殺を命じたのは他ならぬ父王。竜は澱んだ目で王に願い出る。貴公の命には逆らう訳には行かない。だが、貴公の命に従うことももう出来ない。殺してくれ。そう言うと竜は力なくうなだれた。
Lv.4
それは昔話。数百年前に滅びた国の愚かな王と翼の無い竜の物語。草原には今も風が吹いていた。王と竜が誓いを交わしたあの日と変わらず、風が吹いていた。

▶草原の竜騎槍の詳細を見る

断罪の斧

Lv.1
精霊達が集う儀式があった。その年の十回目の満月の夜。月の光が差し込む美しい湖の畔に集まった彼女達は口々に今年の悪行の成果を自慢しあう。
Lv.2
ある精霊は自分がいかに残虐な方法で屈強な男達を殺したのか自慢していた。とある王国の精鋭の兵士だった男達は、娼婦に化けた精霊に体のあらゆる部分を引きちぎられて死んだらしい。精霊はいかにその男達が剣技を発揮できずに流した悔し涙がいかに旨いかを楽しそうに歌っていた。
Lv.3
次の精霊は自分がいかに狡猾かを喧伝していた。まずは小さな男の子を沼に沈める。それを助けようとした姉も沼に沈める。そうして親兄弟から親戚一同につながり、村人全員を沼に沈めたのだという。精霊はその様子を思い出したのか涎を垂らしながら微笑んでいた。
Lv.4
一番小さな精霊がおずおずと申し出る。私が一番凄いと思います。普段馬鹿にされていた小さな精霊が精一杯の声で伝える。私はあらゆる生命を恐怖のどん底に突き落としたんです!周りの精霊達はひたすら笑い転げていた。その笑い声が止んだのは、小さな精霊が開けた魔界への通路から出てきた醜いバケモノが全ての精霊を喰いちぎった後だった。

▶断罪の斧の詳細を見る

地竜の鉤爪

Lv.1
カビ臭い博物館の奥深く。薄暗い資料室の中で、一人の老学者が座っている。老学者の前には厳重に封印された箱が一つ。先代の館長から「開けてはならない」と厳しく言いつけられていた品だ。
Lv.2
何でもその中には人の生き血を吸う化石が入っているらしい。馬鹿な話だ。狭くて時代遅れにも程がある。本に囲まれた学問の世界で暮らしているから、そんな迷信を信じるのだ。
Lv.3
箱を開ける。埃が舞い上がる。中には奇妙な形の石が一つ。柄が付いているところを見ると儀礼用の装備だろうか……もしくは武器のようにも見える。興味を引く形だ。これはもっと良く研究せねば。
Lv.4
にしても、こんなモノを怖がっているなんてなんて愚かな者達だろうか。クックック……老学者は化石の先端で左目をエグりながら笑った。

▶地竜の鉤爪の詳細を見る

鉄塊

Lv.1
我は産声を上げる。熱く熱せられた鉄がその身を形作る時。鋼の槌が我が身を打ち叩く時。薄闇の中に燃えさかる深紅と、鋼の火花の照り返す白光が見守る中。約束された業苦を与える為に。我は鉄塊と呼ばれし武器。轟音から生まれ落ちる刃。
Lv.2
我は死を与える。敵の畏怖と悲鳴を喜びに変え、その鉄の肌に臓物を飾り付けて。人の命を奪う時、暗い喜びが我を満たした。人の身を押しつぶす時、自らの生まれた意味を知った。その歓喜を伝える為に、人を殺し続けた。われは鉄塊と呼ばれし武器。我は殺す。殺す。殺す。殺す。
Lv.3
我は砕かれる。戦いと残血の果てに、憎悪と怨念がこの身を引き裂く時。魔の理が引き起こす力と、飛び散る鉄の牙が血風を巻き起こす。赤い竜と戦いしその日々。我は鉄塊と呼ばれし武器。呪われし鋼は眠りの黒へと沈む。
Lv.4
我は夢を見ている。それは、小さな蝶の夢。ちいさな雨の中、懸命に飛ぶ蝶の夢。我は鉄塊と呼ばれし武器。深い夜の中、叶わぬ夢を今も見ている。

▶鉄塊の詳細を見る

鉄パイプ

Lv.1
5月21日
とうとうお金がなくなってしまった。戦争のせいで食べ物の値段が高い。教会にいったけどケガをした人で一杯でぼくらを助けるよゆうはないって言われた。ヨナがやせてきている。何かおいしいものをたべさせてやりたい。
Lv.2
7月15日
親切なおばさんにあって食べ物をもらった。ぼくらと同じホームレスみたいだけど、何でも国の「救援しさく」っていうのに参加するみたいだ。いっしょにつれていってもらう事にした。ヨナは今日は元気そうだ。
Lv.3
8月1日
親切なおばさんが例の本を使ったら黒いオバケになった。あわてて逃げたけどおばさんはもう人間じゃなくなってしまったと思う。あの大人達が言っていた事は嘘だった。お金なんかもらえないしヨナの病気も診てくれない。街は高い壁で封鎖されて出られなくなっている。こんなところに来なければ良かった。
Lv.4
8月5日
今日もすごく寒い。夏なのが嘘みたいだ。息も白い。オバケから逃げるためにスーパーマーケットに隠れる事にした。しばらくはそこに残っていた缶詰とかを食べていたけどそれももうなくなってしまった。ヨナの咳は止まらない。何か良くない感じがする。

▶鉄パイプの詳細を見る

名もなき刀工の剣

Lv.1
ガツ ガツ ガツ ガツ
採掘場で男達が汗を流しながら鉄の石を削っている。男達の陽気な歌が暗い洞窟に響き渡る。俺達は労働者。今日も元気に鉄を掘る。
ガツ ガツ ガツ ガツ……
Lv.2
ブオ ブオ ブオ ブオ
たたら場で女達がふいごを踏む音がする。真っ赤に焼けた砂から鉄を取り出す音がする。私達は労働者。たたら場の労働者。風を送る労働者。今日も元気にたたらを踏む。
ブオ ブオ ブオ ブオ……
Lv.3
カン カン カン カン
鍛冶場で刀匠が槌を振るう音がする。鋼を鍛え刃とする為の力強い槌の音がなる。我は刀鍛冶。一振りの刀を踏み出す刀鍛冶。鋼を御する刀鍛冶。
カン カン カン カン……
Lv.4
ザク ザク ザク ザク
戦場で肉が切られる音がする。敵を殺して、誰かを殺して、人間を殺す音がする。だれかたすけて。いたいよ。くるしいよ。おかあさんたすけて。
ザク ザク ザク ザク……

▶名もなき刀工の剣の詳細を見る

涅槃の短剣

Lv.1
少女は生まれた時から婚約者がいると聞かされて育てられました。家の中で日々花嫁修業に励み、夜は窓から見える景色に向かって婚約者へ祈りを捧げました。「●●様、早く迎えに来てくれる日をお待ちしています。」
Lv.2
少女が暮らす家には、同じ年頃の少女が何人も暮らしておりました。少女たちは全員が同じ婚約者の為に、日々花嫁修業に励み、夜は祈りを捧げました。「●●様、早く迎えに来てくれる日をお待ちしています。」
Lv.3
ある日、婚約者として選ばれるのは、最も優れた一人ではないのかと少女たちが喧嘩をしました。自分が婚約者として一番優れている、と譲らない少女たちに世話係の女は少女たちに優しく話しかけます。「大丈夫、あなた達は全員●●様のお嫁さんになれますよ。」それを聞いた少女たちは皆笑顔になりました。
Lv.4
婚約の日に少女たちが連れてこられたのは、家の窓から見える石畳が並ぶ場所でした。少女たちに一つの短剣が渡されます。婚約者に会うにはこの場所で命を絶たねばならない、そう聞かされた少女たちは我先にと短剣を奪い合いながら自害しました。その後、少女たちが死んだ場所に神殿が建てられました。神殿の名称は少女たちの婚約者の名前でした。

▶涅槃の短剣の詳細を見る

信義

Lv.1
東の果ての都に高名な歌人がいた。けれど歌人の才は、晩年には一首の歌すら詠めぬ程に枯れ果ててしまう。落ちぶれて嘆く歌人に、いつの間にやら傍に佇んでいた僧がそっと一振りの刀を握らせ語りかけた。
Lv.2
「この刀で一人殺せば一首、二人殺せば二首、この世に二つとあらぬ程素晴らしい歌が詠めましょう」
僧の言葉に縋りつくようにして、歌人は夜の闇に紛れ路傍の男を斬り捨てた。すると翌日歌人は素晴らしい歌を詠み、再び名声と栄華を手に入れた。
Lv.3
それからも歌人は一人殺して一首詠み、二人殺して二首詠んでは、目も眩む程の富と名声を手に入れ続ける。ところがある時、大切な者を殺せばどんなに素晴らしい歌を詠めるのか、という欲求を抑えきれなくなった。
Lv.4
そして歌人はとうとう自らの妻を殺して一首詠み、子らを殺して子の人数分歌を詠み、屋敷中の者を殺して歌を詠み 歌を詠み 歌を詠み 歌が追いつかぬ程に道行くものを殺しては歌を詠み 殺しては歌を詠み 殺して 殺して 殺して 殺し、やがて最期は歌も詠まずに自害した。残ったのは血に濡れた刀だけだった。

▶信義の詳細を見る

背信の刃

Lv.1
 その姉妹は機械仕掛けの人形だった。しかし誰が見ても人間にしか見えない精巧な造りだった。人間が成し得る技術の粋を用いて作られた二体の人形は、人間のように歩き、人間のように食べ、人間のように笑った。ただ一点、涙を流す事だけは出来なかった。そういう風には作られていなかったのだ。
Lv.2
 姉妹は人形だったから何も感じなかった。人と同じように悲しんだりするが、本当は悲しくなんかなかった。悲しいという事が何か判らなかった。友達が事故で死んだ時も、人形を作った製作者が病で死んだ時も、何も感じなかった。姉妹にとっては、ただ居なくなったというだけの事だった。
Lv.3
 暖かい春のある日。姉妹のところに一匹の猫が迷い込んできた。ひどく汚れた不細工な猫は、痩せて病気持ちだった。姉妹は面倒だなと思いながら世話をする。ミルクをやり、体を拭いてやり、暖めてやると、猫はすっかり元気になった。その日から猫は姉妹の周囲をウロウロするようになった。エサが欲しくてすりより、ネズミを狩ってきては自慢し、だっこして欲しくて毎日鳴いた。姉妹は面倒だなと思っていた。
Lv.4
 冬の風が冷たいある日、外から猫が家に戻ってきた。か細い声でヒャーと鳴くとそのまま倒れてしまいそのまま死んでしまった。妹は死体を何度も何度もゆすった。姉は死体に何度も何度も声をかけた。だが、猫は動く事も応える事も無かった。姉妹は胸の奥の方で何かが壊れる音が聞こえたような気がした。そして、何も感じる事は無くなっていった。

▶背信の刃の詳細を見る

日出国の魔刃

Lv.1
遠い昔、黄金の島と呼ばれた国であらゆる金銀宝玉を溶かして作り上げられた刃。そのあまりの切れ味の鋭さでわずかでも切り傷をつけられると、傷が縫合できずそこから全身の血が流れ出てしまうほどであった。
Lv.2
その刀が何の奇縁か貧しい身売りの女の手に渡ったときのこと。身の丈ほどもある刀を自在に操れない女は自分の床に刀をしのばせ、身体に触れる男にその刃を向けた。男達は知らぬ間に切られ、痛みも感じず血を抜かれて絶命していった。そして遺体から金銭を抜き取り、女の私腹は肥えていった。
Lv.3
やがてその金で自らを美しく着飾り、国のあらゆる金銀宝玉を手に入れた女は、その刀に溶けた宝石も何とかして手に入れたい、身につけたいという欲望に駆られていった。その衝動を掻き立てるほど、刀身は美しく洗練されていたのだ。女は刀を持ち、鍛冶屋に向かう。
Lv.4
道中、その刀の重みに重心を崩した女は、橋の上から川に落ちてしまった。欲深い女は、それでも刀を手放さず、無我夢中で刀を握り締め離さなかった。そして体中に無数の切り傷をつけたことに気付かなかった女は、翌日河岸で全身の血を失った状態で死んでいた。

▶日出国の魔刃の詳細を見る

百獣の剣

Lv.1
むかしむかしある王国に3人の兄弟がいました。3兄弟の次男は軍隊をひきいる将軍様でした。軍隊はとても暴力的でみんなおびえていました。
Lv.2
将軍は戦争が好きでした。もえた街や転がる死体を見ることが好きでした。将軍は制服することではなく、滅ぼす事だけを命じました。機械のように訓練された兵隊達は将軍様のために村や街や国をぜーんぶ滅ぼしていきました。将軍様はそれを見ながらグフグフグフと下品な声でわらいます。
Lv.3
軍隊はひたすらに進軍しました。海の国も、山の国も、夏の国も、冬の国も、東の国も、西の国も、見境なく滅ぼしていきました。絶対的な将軍様の命令に従い、ずーっと何年も何年もひたすら殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺しまくりました。
Lv.4
やがて軍隊はある国に到着しました。街の人も兵隊もお姫様も王子様もみんなみーんな槍で突き殺しました。最後にみすぼらしい将軍が涙ながらに命乞いをしてきましたがすぐに殺しました。その将軍の顔はどこかで見たような顔でした。兵隊達は思い出そうとしましたが、将軍の娘が現れたとたんにその子を突き殺すのに夢中になり、二度とその事を考える事はありませんでした。

▶百獣の剣の詳細を見る

百獣の剣王

Lv.1
むかすむかしある王国に3人の兄弟がいました。3兄弟の長男はその国をしはいする王様でした。王様はとても残酷でみんなこわがっていました。
Lv.2
王様は毎日毎日国民からひとりイケニエを選んで処刑しました。今日は家族の見ている前で母親の首をはねました。母親の頭は3回転ほど回って、既に殺されたその息子の頭のとなりに落ちました。ああ、なんという事でしょう。王様はそれを見て笑っているのです。ゲヘゲヘと、気持ちの悪い声で笑っているのです。
Lv.3
そんなある日、王様は病気になりました。生きながらにして体がくさっていく病気でした。くさった体をひきずりながら王様は処刑を続けました。家臣達は逆らいもせず毎日毎日毎日毎日処刑を続けました。
Lv.4
最後に王様はくさって死にました気持ち悪いにおいをだしながら王様はくさって死にましたでも家臣達は王様の前で処刑を続けました毎日マイ日頃しましタくさった王様とくさった家臣とくさった国民とくサったくさっおまエたチの

▶百獣の剣王の詳細を見る

百獣の双槍

Lv.1
むかすむかしある王国に3人の兄弟がいました。3兄弟の三男は毎日寝て暮らすなまけ者でした。でも、三男はとても陽気だったのでみんなに好かれていました。
Lv.2
国に病気が流行った時も、三男は王宮でゴロゴロしながら鼻歌鳴らすだけ。でも街の人は三男の陽気な歌声に癒されるようだと三男の事を褒め称えます。あの人は立派だよ。本当に立派だよ。
Lv.3
国が戦争に巻き込まれた時も、三男は王宮でゴロゴロしながら昔話をするだけ。でも街の人は三男の面白い話で戦争のつらさも忘れる事ができると慰め合いました。あの人はすごいよ本当にすごいよ。
Lv.4
ある日も三男は王宮でゴロゴロしていました。でも今日は街の人の声は聞こえてきません。三男はゴロゴロしながら、どうしてだろう?ゴロゴロ、どうしてだろう?ゴロゴロ、どうしてだろう?ゴロゴロ……と考え続けたいました。が、そのうち眠くなって寝てしまいました。戦争と病でみんな死んでしまった国で、いびきだけが今日も王宮に響いています。ここは幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。

▶百獣の双槍の詳細を見る

不死鳥の大剣

Lv.1
今は昔のお話です。ある所に光輝く羽根を持つとても美しい小鳥が、森の奥深くで静かに慎ましやかに暮らしておりました。
Lv.2
ある日、森の奥に口減らしの為に捨てられた子どもが迷い込みました。飢え衰えた子どもを憐れに思った美しい小鳥は、自らの羽根を一枚啄ばみ子どもに渡しました。子どもはそれを持ち帰ると大層喜ばれ、再び家族と暮らせるようになりました。
Lv.3
それを聞きつけた人が次々と森に押し寄せ、美しい小鳥に向かって自分が如何に貧しく不幸で報われぬかを訴えました。憐れに思った美しい小鳥は一枚、また一枚と輝く羽根をむしっては与えむしっては与え、そしてとうとう最後の羽根も与えると、美しかった小鳥の姿はみすぼらしい体となり果てました。それでもみすぼらしい小鳥は悔いなどありませんでした。
Lv.4
羽根を失い寒さに凍えるみすぼらしい小鳥の前に、いつかの子どもが現れ、恩返しの為に光り輝く美しい小鳥を探しているのだと伝えました。みすぼらしい小鳥は喜び、自分の願いを子どもに伝えました。「それは私です、どうかその胸で私を温めてくれないでしょうか。」けれど子どもなそのみすぼらしい小鳥を一瞥すると、嘘付きめと大きな剣で斬り捨て焼いて食べ尽くすと、また美しい小鳥を探し始めてしまいましたとさ。

▶不死鳥の大剣の詳細を見る

不死鳥の短剣

Lv.1
戦地に赴いた男と結婚の約束をしていた娘がいた。娘は信心深く、朝に昼に夜に祈りを捧げ、ただただその男の無事を願い続けた。娘の一途な祈りが通じたのか、あるよる、娘の夢に光輝く小鳥が現れ言葉を託した。
Lv.2
「男は無事戻るでしょう。」小鳥が囀ったその言葉に、信心深い女は泣きながら喜んだ。「けれど、」光り輝く小鳥は美しい声で続けた。「心は戻らないでしょう。」
Lv.3
やがて小鳥の言う通り、男は生きて戻った。その逞しい体に無数の傷跡を残して。やがて小鳥の言う通り、男は確かに生きて戻った。その傍らに見知らぬ美しい女を連れて。娘はそれでもそんな男に、これまでの愛しさを込めて駆け寄った。
Lv.4
男は驚きその娘を抱きとめるが、やがて倒れ込む。倒れた男の元に佇む娘の右手には血塗られた短剣が、左手には赤黒く熟れた果実のような男の心臓が握られていた。もう男の心はどこにも行かない。娘は血溜まりの中、幸福に酔いしれた恍惚の表情で愛おしそうに男の心臓に口付け、感謝の祈りを捧げた。

▶不死鳥の短剣の詳細を見る

不死鳥の槍

Lv.1
とある辺境の国に死をも恐れぬ戦士がいた。戦士の屈強な体は弓等では射抜けぬと思える程に頑丈だった。その為、戦士は常に戦場の真っただ中に見を置いていた。
Lv.2
ある時戦士の夢に美しい小鳥が現れた。小鳥は、その勇猛な戦いを褒め称え「戦争が終結し平和な世界となる事」か「不老不死の体」どちらかの願いを叶えようと囁いた。戦士は「不老不死の体」を欲した。
Lv.3
それからの戦士の戦いぶりは目を見張るものであった。敵を草を刈るようになぎ倒し、いくら弓を射たれてもいくら太刀を浴びても平然と敵の真っ只中を切り開いていくのだ。王は戦士に数々の称号と褒美を与え、戦士の加賀谷しい栄光の日々は永遠に続くかと思われた。
Lv.4
けれど戦は終わる事なく、辺境の国はやがて滅び、戦火は拡大し辺り一帯は荒廃した。草木は枯れ、人々は死に絶え、やがて戦士を知る者はいなくなった。いくら飢えようとも死なぬ体で戦士は再び美しい小鳥の夢を見る。戦士は死にたいと小鳥に懇願したが、小鳥は死ねないと答えた。戦士は未来永劫死ぬことはないと囀った。

▶不死鳥の槍の詳細を見る

不浄なる斧

Lv.1
少女は目の前に広がる光景をただ眺めていた。傍らには父親が無数の刃に切り刻まれ、母親は死にながら兵士たちに犯されている。生まれたばかりの弟は暖炉に放り込まれ、その身を焦がしていた。家族を殺した3人の兵士を、少女が涙を流して睨んでいた。
Lv.2
数年後、復讐を誓った少女の姿があった。1人目は軍服がはち切れそうなほど太った兵士だった。少女は楽に痩せる方法があると兵士に持ちかけた。診察をすると言って兵士を寝台に寝かせた後、両手足を斧で切り落とした。手足が無い状態で逃げようとする男を、まだ痩せるところがありますよ、と押さえつける。これでスリムになりましたね、と少女は丸くなった胴体に呟いた。
Lv.3
2人目は無類の女好きの兵士だった。毎日のように自分の館で、数多の女たちを呼び夜を過ごしていた。少女は兵士の周りに群がる女たちを殺し、恐怖におののき、命乞いの言葉しか話さなくなった兵士の男の象徴を斧で切り落とした。
Lv.4
3人目の兵士は軍を退役し、辺境の村で家族とのんびり暮していた。家族が寝静まってから少女は家の支柱に斧で亀裂を入れた。支えが無くなった家は崩れ落ち、少女は家に火を付けた。火は大きな焚火の様になった。燃え上がる家の中から、身体中を火傷した兵士の息子が逃げ出してきた。兵士の息子は家族を殺した少女の姿をただ見つめていた。少女は持っていた斧を兵士の息子に差し出し、暗闇の中へ逃げて行った。

▶不浄なる斧の詳細を見る

双子の牙

Lv.1
ぼくたちは、うまれたときからいっしょ。ごはんをたべるときも、ねむってゆめをみるときも。
Lv.2
わたしたちは、もらうものもいっしょ。ままのおちちも、ぱぱからのやさしいことばも。
Lv.3
でもぼくたちは、しぬときはべつべつ。ぼくはぱぱに、いもうとはままに、きびをちょんぎられ、しぬときはべつべつにころされた。
Lv.4
でもだいじょうぶ。わたしたちのちはまざり、ひとつのおのにやどる。わたしたちはこれからもずっといっしょ。ふたつのからだはひとつにもどる。

▶双子の牙の詳細を見る

兵士長の聖槍

Lv.1
兵士長はその「生」を踏みにじる
Lv.2
他者の悲鳴は歓喜の歌へ
Lv.3
流れる涙は絶望から闇へ
Lv.4
戦いは復讐を呼び、新たなる孤独を生み出す

▶兵士長の聖槍の詳細を見る

迷宮の息

Lv.1
その女はどうしようもなくのろまだった。不器用で何をするにも人の3倍以上の時間がかかる。歩くのもゆっくり。話すのもゆっくり。瞬きするのもゆっくり。水汲みひとつ満足に出来ない有様だった。子供達に「ウシ」と呼ばれて嗤われてもエヘラエヘラと笑い返すばかり。
Lv.2
その女はどうしようもなく鈍かった。転んで血を流してもボンヤリしていた。頻繁に金を落とすくせに一度も取り戻せた事はなかった。目の前で誰かが女の悪口を言っていてもそれが悪口だと判るまでに半日以上の時間がかかった。子供達は女を見ると喜んで石を投げつけた。
Lv.3
その女はどうしようもなく愚かだった。村が日照りで苦しんでいたあの夏に、一人でどこかに消えてしまった。子供達は皆飢えて死んだ。村人達は逃げ出した女の事など考える事はなかった。2日程すると雨が振り始めて村は助かったが女は戻らない。そうして女が戻らなくなってから20日目のある日、村に祈祷師がやってきた。
Lv.4
祈祷師の手には角の生えた一筋の槍が握られていた。その槍を握ると油でベタベタした。その槍を持つと重くて使い物にならなかった。その槍を使っても何一つ貫く事が出来なかった。祈祷師は槍を無理やり置いていってが、村人達は気味悪がって誰一人として近寄らない。槍は誰にも使われる事のないまま、今でも村の片隅でひっそりと眠っている。

▶迷宮の息の詳細を見る

迷宮の歌

Lv.1
それは洞窟の奥深くに住まうケモノ。巨大な角。鋼の様な体躯。灼熱の吐息。牛の頭と人の体を持つ魔獣は、平和を愛する村人達から憎まれていた。怖れられていた。やがて魔獣は「迷宮のミノタウロス」と呼ばれる事になる。
Lv.2
その恐ろしげな見た目とは裏腹に、魔獣はとても優しかった。他の生き物を殺す事もなかったし、花があれば無骨な指で踏まないように気をつけた。洞窟の奥深くに住んだのも、出来るだけ村人を怖がらせない為だった。
Lv.3
ある日、洞窟の奥に少女が迷いこんできた。少女は魔獣を見ると泣き叫び続け、とうとう疲れて気を失ってしまう。魔獣は困惑した。どうしようどうしよう。この子を村まで送り届けなきゃ。お父さんとお母さんが心配しているから……村まで送り届けなきゃ。
Lv.4
少女が居なくなった二日後の朝。憔悴しきった両親の家の前に少女が倒れていた。少女には傷一つ無く眠っているだけ。駆け寄る母があるモノに気付き小さな悲鳴を上げる。少し離れた所に転がっていたのは魔獣の死体だった。その死体には何本もの剣が突き刺さり、薄気味悪い血をまき散らしている。だが、少女を襲ったような痕跡は無かった。むしろ離れる事を望んでいるかのような姿だった。まるで、その血で少女が汚れる事を嫌うかのように。まるで、少女がこわがらないように。その魔獣は体を小さく小さくして死んでいた。

▶迷宮の歌の詳細を見る

迷宮の声

Lv.1
その女の子には2本のおおきなツノが生えていたんだよ。耳のちょっと上のあたりから、牛みたいな立派なツノが。ツノの根本を見た事があるんだが、完全に頭の骨から生えてるみたいだったな。もちろんそんな子はその子だけだよ。他の子は普通の子だった。ツノの子も、生まれた時は小さかったらしいよ。あ、いやツノがね。そりゃあそうだ。あんなバカデカイツノがあったら、かあちゃんの腹から出てこれやしねえからな。
Lv.2
イジメられていたかと思うだろう?それが全然違うんだな。その子は村の誰よりも強かった。村であの子に勝てる男なんて一人も居やしなかったよ。力仕事も彼女が一番こなしていたし、村にマモノが襲ってくる時は、いつも彼女が戦闘で戦ってくれていた。何よりみんな、明るくて強い彼女の事が大好きだったんだ。
Lv.3
でも、ある日に襲ってきた大きなマモノは強かった。村の男達はみんなボロ雑巾のように蹴散らされて半分以上が死んだ。ツノの彼女も必死で戦ってくれたけど、やがて力尽きた。最後にマモノは彼女の身体を持ち上げて、ツノをもぎ取ったんだ。その時の彼女の絶叫は凄かったよ。地面が揺れるような音だった。静かになったんで家の外に出てみたらマモノと彼女が死んでたんだ。二人とも体中の穴という穴から血を吹き出していた。あれは、なんていうか……真っ赤な花みたいでキレイだったよ。不謹慎な話だけどさ。
Lv.4
それがあんたの最初の質問への答えだよ。この村の村人が全員耳が聞こえない理由。でも知っておいて欲しい。俺達は誰も彼女の事を恨んじゃいない。死んでしまうよりはよっぽどマシだからね。 後から皆で確認したんだが、彼女の最後の叫びは「さよなら」だった気がする。俺達は最後に聞いた音が、彼女のお別れの言葉だった事を誇りに思っているんだ。本当にね。

▶迷宮の声の詳細を見る

ゆりの葉の剣

Lv.1
アイシテル。私は彼を心から愛していました。彼も私を愛していました。外で目が合えば私にだけ分かる合図を送り、私の贈るものはなんでも喜んで、「勿体無いから金庫にしまっておく」と言うくらい大事にしてくれました。自慢の恋人でした。
Lv.2
シンジナイ。私の親友が彼をたぶらかし、私から彼を奪ってしまいました。忽然と私の前から消えてしまった彼。残ったのは、私と、部屋に錯乱した私の贈り物の数々。金目のものは、村の市場で売られていました。
Lv.3
ユルサナイ。彼は私を棄てたんじゃないわあの女に騙されてるのよ。彼はきっとまだ私に未練があるわ。だってあの女より私のほうが素敵ですもの彼を理解しているもの。早く、早く目を覚ましてねえ!あの女を引き離さないと、あの女を殺さないと!!ハヤク、ハヤクコロセ!
Lv.4
狂人と化した女はそのうら若き夫婦を、持っていた剣が歪む程殴りつけ、叩きつけ虐殺した。以来女は行方をくらまし、残されたのは元は人だったとも思えない男女の肉塊と、真っ直ぐな刀身が醜く歪んでしまった剣。刀匠たちがいくら直そうとしても、その刃はもとに戻ることはなかった。

▶ゆりの葉の剣の詳細を見る

輪廻転生

Lv.1
そうさ、これは君の命を絶つ為の武器だ。なあに心配は要らない。今まで感じた事のないような苦痛を与えてやろう。最初は痛みなど感じない。まるで水が肌の上をスッと流れたように思うだけだ。痛みを感じる前に流れ出る血で叫び出す奴が多いんだがな。
Lv.2
ああ、そんな簡単には終わりはしないさ。刃のこの部分を使うともの凄く痛いんだ。だからここを使うときはなるべく後の楽しみに取っておくんだ。声が枯れちゃってからだと何言ってるか判らなくなるからね……うるさいなあ。もう少し静かにしてくれないか? 手元が狂うから。
Lv.3
なあに、すぐに殺したりはしないから安心してくれていいよ。じっくりと嬲りながら殺してやろう。人間はね意外と簡単には死なないんだ。それに人間には目が二つあるんだ。耳も二つ。指と爪は二十ずつ。関節に至っては百四十四個もあるんだ。ゆっくりと楽しもうじゃないか。
Lv.4
なぜこんな事をするかって?ふふ……いやだなあ。君が今までずっとやってきた事じゃないか。国民を無実の罪で捕らえて、拷問して、晒し首にするってのは君がやってきた事じゃないか。いやいや忘れてても大丈夫。僕の妻と娘に対して君がやってくれた事を一つずつゆっくりと思い出させてあげるからね。うふ……フふフフふふ……。

▶輪廻転生の詳細を見る

侘寂

Lv.1
その民は恐ろしい程に勤勉だった。必要も無いのに森を切り開き、食べきれない食料を保存する技術を身につけ、不必要な程にお金を儲けようとした。しかし誰一人疑問を口にする者はいない。何故ならみんながそうしていたから。
Lv.2
その民は恐ろしい程に勉強した。何にも使えないような数の計算や未来の予想を繰り返しては議論を繰り返していた。難しい言葉をいくつも生み出し、複雑な機械を沢山作ってはすぐに捨てていた。しかしそれを振り返る者は誰もいない。何故なら誰も気にかけていなかったから。
Lv.3
その民は恐ろしいほどに従順だった。朝日が昇ると誰に言われるでもなく同じ時間に同じ服を着て、小さな部屋で息苦しそうに仕事をしていた。しかし誰一人文句を言うものはいない。何故ならそれ以外に何をしたらいいのか判らなかったから。
Lv.4
働きすぎたその民は、森を失ってしまい砂の上で暮らすようになった。頭の良すぎたその民族は、他の民族の誰も判らないような言葉でしか会話出来なくなってしまっていた。大人し過ぎたその民は、次々と作られる法に逆らう事も出来ずに数万もの掟に囲まれて暮らすことになった。

▶侘寂の詳細を見る

関連記事

""▶︎武器の入手方法一覧を見る
武器関連記事
ウェポンストーリー一覧 武器強化の素材一覧
最強武器と少年期おすすめ -

武器一覧

片手剣の関連記事
鉄パイプ 名もなき刀工の剣 ゆりの葉の剣
涅槃の短剣 月光と闇 輪廻転生
地竜の鉤爪 背信の刃 百獣の剣
信義 古の覇王 不死鳥の短剣
迷宮の声 愚者の抱擁 白の契約
黒の誓約 - -
両手剣の関連記事
天叢雲剣 断罪の斧 双子の牙
不浄なる斧 百獣の剣王 鉄塊
不死鳥の大剣 迷宮の歌 愚者の慟哭
白の約定 - -
槍の関連記事
侘寂 王位簒奪者の槍 王妃の玉座
日出国の魔刃 百獣の双槍 兵士長の聖槍
草原の竜騎槍 不死鳥の槍 迷宮の息
愚者の盟約 白の矜持 -

ニーアレプリカントプレイヤーにおすすめ【PR】

    権利表記