【ドラクエモンスターズ3】評価・感想|クリア後レビュー【DQM3】

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ドラクエモンスターズ3の評価・感想です。

DQM3の総合評価

総合評価
56点/120
世界観 グラフィック 戦闘
16/20 6/20 10/20
キャラクター
(ストーリー)
サウンド 快適さ
5/20 15/20 5/20

こんなあなたにおすすめ!

  • ドラクエモンスターズシリーズ既プレイ者
  • ポケモンのような育成やRPGを楽しみたい方
  • 対戦ややりこみ要素が豊富なゲームが好きな方

みんなの評価

面白い!
263
まぁまぁ楽しめる
72
普通
65
つまらない
778

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本編クリア後の感想・評価

体験版部分で触れている内容もあるので、よければそちらにも目を通してみてください

まず結論から言うと、本作は面白くはある。色々と不満はあるものの、なんだかんだ配合自体は楽しいので、総評としては面白かった。これはモンスターズシリーズの底力というか、モンスターズの根幹システムは今なお現役である、ということの証左だろう。

しかし、この総評としてみたときには面白いゲームなのは確かではあるが、一方で、モンスターズであること以外は不満点ばかり。”モンスターズだから”面白いが、細かな不満点で嫌になってくることもあるのは事実だ。

本題に入る前に、モンスターズの新作を、ゲームシステムメインで遊びたい、ということであれば、購入自体はおすすめできる。そこが面白いのは、繰り返しにはなるが間違いない。というわけで、以下に感じた不満をつらつらと述べていきたい。

様々な部分で不親切

体験版の感想でも述べていることだが、ロザリーヒルの塔についてから配合の間までがやたらと遠い。しかも、ルーラ先によく分からないシスターなんかと猫・アゲぴぴがいて、一応オンライン要素はここから遊べるが、機能的にはよく分からない。

この機能的によく分からない、というのはDLC周りの話をしたときにもう少し踏み込んで話したいが、根幹のシステムである配合でこうも行き来させるのは、体験版段階でわかってはいたものの、やはり納得ができなかった。

入れ替え画面

空の部分も全部カーソルで選択できてしまう

その他、体験版レビュー以外で気づいたところでは、配合やらスカウトで定員漏れする場合、モンスター入れ替えのような画面になるのだが、この画面、なぜかいないはずの部分にカーソルが当たる。しかもそれが2行くらいあるので、なぜここが選べるのだろうか、という疑問が生じた。恐らく預かり所のUIをそのまま流用しているからなのだろうが、スカウト・配合時に2体以上でてくることはないので、少し気を配ってほしかった。

また、スカウトしたら必ず名前設定画面にいくのも不便極まりない。加えてこの画面、+ボタンを押さないとすぐには出れない。そもそも+ボタン自体押しづらいのに、どうしてこの設計にしてしまったのかと疑問が拭えない。この押しづらいというのは、親指で押すときに一番遠い位置にある(プロコンです)ということと、そもそもボタンがABXYと比べて押しやすい形になっていない、という意味だ。そのボタンにそれなりに頻繁に使うし、しかも戦闘終わったあとなのだから、AB辺りでリザルトなりは完結させて欲しいと誰か思わなかったんだろうか。

それに、名前のシステムも、その辺りで捕まえたモンスターにはそうそうつけないだろう。百歩譲って配合ならまだいい(よくないが)。配合したモンスターの役割別にわかりやすい名前をつけたりもすればいいし。ただ、多くのプレイヤーはスカウトした時点での名前はつけないだろう。

さらに悪いことに、+ボタンを押さないとすぐには出れないというのは、Bボタン連打だと名前が消えてしまったりして、いやいやこれはどうしてこうなってしまったんだ?と首を傾げざるを得ない。

更に配合所の画面が毎回開くが、そもそもこれは毎回開く必要があるんだろうか?というのも、スカウトしたモンスターを直接入れ替える、というのは、ゲーム序盤でもなければほぼない。にも関わらず、必ず毎回開かれることになるが、その際、少しのロード時間が挟まる。ここは入れ替えますか?と聞くだけのテキストを表示して、Bボタン連打でそのまま入れ替えないで進めるとかするべき、いやしなければならない部分だろう。

また、本作にはお気に入り編成のようなものがない。イルルカSPではお気に入り編成があったのに、と考えてしまう。

あとは、不親切というと少し違うが、エラー落ちがそれなりに起こるのはうーんといったところ。これはオートセーブさえつけていれば問題ないが、人によってはオートセーブは切っている場合もあるだろう。安心してゲームできないのはそれだけで心理的にストレスがかかるので、ここはなるべく発生を抑えるパッチに期待したい。とはいえ、前述したようにオートセーブそれなりに挟まるので、これさえオンしていれば致命的なことにはならないのが不幸中の幸いか。

探索やストーリーも不親切

次に探索部分について触れるが、探索は不親切な部分もかなりあるが、それ以前の問題としてフレームレートの劣化が著しい。特に雨とか炎であったりという天気のエフェクトのカクつきは、ときには不安になるほどフレームレートが低下することもある。

さらにこの天気部分、体験版部分ですでに同様の指摘をしているが、季節×天気の組み合わせのせいで、満足に欲しいモンスターと出会うのが難しくなってしまっている。正直ギミックよりもモンスターをスカウトする方面に舵取りしてほしかったのだが。

ちなみに、ここまでの批判はなにもモンスターズ3に限ったことではない、ということだけは一言させていただきたい。筆者は最近のSwitch出でる大型タイトルでいうと、『ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム』以外ほぼ全てに当てはまる批判だと思っている。そのティアキンに関しても、ロード時間もそうだしフレームレートが低下する場合がある(実際驚異的ではあるのだが)。つまり筆者が言いたいことは、モンスターズ3”だけ”の問題ではなく、Switchそれ自体の問題である、ということだ。少なくともこのグラフィックなりフレームレートなりの問題に関しては、モンスターズ3独自の問題として批判することはアンフェアである、ということはこのレビューを読んでいただける皆さまにもぜひ頭に入れておいてもらえると嬉しい。

本題に戻る。探索中のマップも使い勝手が悪かった。特にダンジョンでは、一部のダンジョンは階数を選択できたが、なぜかほとんどのダンジョンは階数が選べず、前後のつながりでどうなっているのかな、と確認ができない。これは結構致命的で、ただでさえよくわからない繋がりのダンジョンの作りが余計に分からなかった。

たまごの見た目

調べてすぐ孵化してくれるのはgood

また、タマゴ要素は、孵化するまで時間がなくなったのは非常にいい。ただし、タマゴ限定のモンスターの排出率が現状低く感じているので、DLCを購入していないとタマゴ限定モンスターを複数体必要とするような状況では非常に不利になるなと感じている。

その他段差がわかりづらかったり、ダンジョンの面白いとは言えない往来であったりもそうだし、謎解きもそうだ。加えてフレームレートの烈火が面白くなさを助長させる。その他、ステルスが今回使えないのも探索をより億劫にさせるポイントだ。

最後にストーリーに関して、きちんと読んでいても、たまにあれ次どこに行けばいいんだっけ、となる。そのとき、記憶を頼りに頑張って思い出さないといけないし、常にタイミングのいいところでゲームを終えられるわけではないだろう。まぁ、これは最近のゲームが優しくなったことに慣れてしまった弊害かもしれないが、逆にいうと最近のゲームでは珍しいほど目的地が分かりづらいゲームだ、とも言えるかもしれない。

配合部分は物足りなさと快適さの同居

次に配合に関してだが、体験版では確認できなかった4体配合があったのは安心した。4体配合が好きか、と言われるとそうでもない気がするが、これがあると色々と配合の幅が広がるので、そういった意味で楽しい要素だ。

また、体験版部分でも書いたが、雌雄の概念がなくなったのはゲームが進めば進むほどありがたみを感じた。誰をスカウトしても、うわ♂じゃん、♀じゃん、とかならないで済むので、とにかくこれは本当に助かる要素だ。

特にモンスターズシリーズは2体目以降のスカウト率がガクッと下がるので、せっかくスカウトしたのにお別れするなんてこともざらだったが、今回はそういったことが多少ないので助かる。そもそもでいえば、2体目以降のスカウト率下げなくていいんじゃないかな、と思わなくはないが。特にストーリークリア後はガンガン配合していきたいし、ガチ勢の人ほどそう思っていると思うので、次回作以降はぜひとも撤廃してほしいなと思うところ。

その他、これも体験版部分で書いたが、特性入れ替えができなくなったのは残念に思ってしまった。これで初期から特性が強いモンスターだけが選択肢になってしまって、このモンスターを使うのか!といった驚きやひらめきがなくなってしまった。

ただし、これはあくまで既プレイヤーの意見なのかもしれない、という点は指摘しておきたい。というのも、本作から始めたプレイヤーは、そもそも種族配合やら系統配合やらですら少し難しいようであった。実際に、初めてモンスターズをプレイする人に説明してもなかなかピンと来ていないようで、実際にプレイすれば理解はできるのだろうが、そこに至るまでが少し難しいのは確かだ。

本作の非常に簡単になった配合システムですらそうなのだから、複雑な配合だと新規層が離れてしまうかもしれない、というのは確かだろう。ここは恐らく、既プレイヤー、新規プレイヤーの塩梅というか、そういったものが色々重なった上で今回のようなシステムになったのだと思う。だから、一個人としては残念だが、一概にこの点に関してあーだこーだと言うつもりはない。あーだくらいは言うかもしれないが。

いずれにせよ、簡単になったことで初めてモンスターズシリーズを手に取る、という意味ではおすすめかもしれない。特性の入れ替えも考える必要がないので、その点もよかれあしかれだ。

検索配合

一括選択ボタンなどもなく、選択するとそのアイコンが消える

しかし、気になる部分があるのも確かだ。例えば検索配合。非常に便利ではあるが、例えば特定の系統だけ見たい、とスライム系のアイコンを押すと、スライム系が消えて、他の系統は全て残っている。そもそも、わざわざアイコンを押すようなユーザーは、私の感覚が一般的であるならその系統のみを見たいと思っているはずなのだが。

加えて、今度は牧場の絞り込みだと、デフォルトが全部系統オフになっている。こちらは絞り込みしたいユーザーを考えているのかなと思うが、似たようなUIで操作の勝手が違うのはよくないだろう。

機能が集中していない

ここから少しDLC周りの話を絡めつつ、前述した機能的によく分からない、ということに触れていく。

先程「機能的によく分からない」と書いた部分は、ロザリーヒルの塔のルーラ地点にアゲぴぴがいる、という内容だった。ロザリーヒルの塔の最初のルーラポイントにアゲぴぴがいるのに、配合の祠は下る必要がある。

牧場の小屋

牧場周りに集中しているDLC。なのに近くに配合がない

ここにDLCを追加して考えてみよう。DLCは牧場から行くのだが、恐らく一番頻繁に使うと思われるドンモグーラ、これはなぜか家の中にいるので、毎回扉を開くというアクションが発生する。これだけでも困りものだが、今書いてお気づきのように、オンラインはロザリーヒルの塔の最初の地点、配合するにはそこからジャンプするなりで地下に行く、DLC周りを遊ぼうと思ったら牧場に行く。

なぜ、これほど機能を分散させて置いてしまったのだろうか。しかも、DLCはお金を払って別途購入しているわけで、モンスターズが好きなユーザーが大半だろうと思う。そうしたユーザーに対して利便性なりを担保してあげていないというのは、これも正直なところ厳しいと言わざるを得ない。

また、そもそもDLC部分も難しい部分がある。筆者個人の意見としては、DLCで要素を追加自体は否定的ではないというか、本編がきちんと遊べる体裁を整えているのならしょうがない部分もあると思う。開発費の高騰もそうだし、DLCで次回のコンシューマタイトルの費用を稼げるのであるならば、ファンとして購入してもいいかなとは思う。

なので、一個人としては一概に批判するのは気に病むが、モグダンジョンがあるかないかで圧倒的にゲームの勝手が違ってくるどころか、まともに対戦するのも難しいことを考えると、もうちょっと別の仕様はなかったのかなと思わなくはない。

不満はあるが間違いなく面白くはある

その他、様々思うところはあるが、体験版時点で感じていた不安は払拭されることはなかった。とはいえ、強調するが面白いゲームではあった。精一杯言葉を濁して、この出来栄えにも関わらずモンスターズシリーズは楽しいと思わせてくれたのは個人的に収穫であった。

一方、どんなに楽しいゲームでも不満点の一つや二つは出てくるものだが、今作に関して言えばそこがかなり多いと言わざるを得ない。体験版の最後の文で書いたように、「一定の面白さが担保されているようでは満足できない」というのが正直なところだ。

面白いは面白い。ただ、もっと面白くなれるゲームなのになぁ、と、DQM3をすでに50時間ほどは遊んだ一般ユーザーとしては悔しく思ってしまう。そんな作品であった。

ガチ勢から見たDQM3体験版感想

モンスターズ最新作!配合の楽しみは健在

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ドラクエモンスターズシリーズの最新作である本作は、ジョーカーズシリーズから数えても6年、ナンバリングということであれば実に22年ぶり(イルルカSPからは9年)のナンバリング作品ということで、待ちに待っていた人も多いはず。

というわけで待ちきれずに体験版をプレイしてみての感想を書いていきたいと思う。主人公がピサロであったり、ドラクエ4のキャラクターが登場したりなど、ドラクエファンにとっても気になる作品にはなっているとは思うものの、モンスターズといえばやっぱり配合。ということで、まずは配合周りから触れていきたい。

新たなモンスターが誕生する

まず、配合の楽しみは健在だった。本作では歴代作品とは異なり、特殊配合周りのシステムがシンプルになったり、位階配合ではなくなったりもして、体験版段階でも結構変わったなぁ、と感じた部分も多くあった。中でも体験版段階では4体配合(祖父母まで遡る特殊配合のこと)が確認できなかったため、仮に4体配合がないとしたらかなりシンプルになるのでは。

本作の配合システムについて

・今作は”通常配合”と”特殊配合”のみ(位階システムの廃止)。
・通常配合は同ランク同士では同ランクしか生まれない
・異なるランク同士の通常配合はそれぞれのランクの通常配合の子供が生まれる。
・配合画面でキラキラ光る子供が表示されることがあり、それが特殊配合。特殊配合でのみ上ランクのモンスターが作れる。

一方で位階配合が廃止されたことにより、より上位ランクの配合が難しくなった。ここはよかれあしかれの部分で、いきなり高ランク帯のモンスターを作れなくなったのは残念だとは思うものの、ストーリー進行部分で高ランクを作って楽勝になる、ということはあるいは緩和されているのかもしれない。

その他快適になった部分として、体験版では使えなかったが「検索配合」という機能がある。これは逆引きができたり、また未所持に絞って作れたりする。イルルカSPでも似た機能があったので、快適になるのは間違いないだろう。加えて配合には「性別」の概念が廃止され、どのような組み合わせでもよくなったのはかなり嬉しい。せっかくスカウトしても、性別が違うじゃん、とならなくなったのは大きい。

ともあれシステムの変更こそあれど、配合の楽しみ自体は本作にも間違いなくある。シリーズファンであれば迷わず購入してもいいだろう。

キラキラ光るモンスター

ただし一点、配合システムで不安なのがキラキラの実装だ。このキラキラシステムは、配合したときに生まれた子供が一定確率でキラキラして、より強いモンスターになっているというもの。ただステータスが通常より高いだけならいいが、最大値がもし変化するとしたら、対戦を念頭に入れたときリセマラ作業が始まり、簡単な配合システムなのにそこに時間を取られてしまうのでは、といった恐怖がある。

只管配合をしていく中で、キラキラモンスターがでて嬉しい、というメリハリをつけたかったのもわかるのだが、対戦するならキラキラで固める必要がある、といったことがないようにと今から祈っている。

モンスターのサイズもシンプルに

配合面でもう一つ目立ってシンプルになったのがサイズだろう。モンスターズ作品にはモンスターにS、M、G、超Gという4つの概念があった。このサイズは、1PT4枠で構成されるのだが、Sが1、Mが2、Gが3、そして超Gが4枠分取る、というシステムである。

サイズがSとLの2種類のみに変更

過去作ではそうだったのだが、本作ではSとLの2サイズのみに。過去作の超G一体の超パワーで押し通す、あるいはSサイズ×4でスキルのコンボを活かして戦うなど、組み合わせが色々楽しめたが、そうした組み合わせの楽しみが減ってしまった。確かにこの点は新規層にはある程度のとっつきやさがあるのかもしれないが、歴代シリーズファンとしては少しさみしく感じられた。

また、特性の引き継ぎも本作では確認できていないので、かなり自由度の高かった歴代作品に比べて、ある程度絞られているが、遊びやすい。ということが念頭に置かれている作品になったのかもしれない。この点は一概に良い悪いとは言えないものの、あれやこれやと特性やスキルを考えて配合するのが楽しかったので、歴代シリーズファンは物足りなさを感じる部分かもしれない。

快適さの部分は不満も

階段まで行く

ロザリーヒルのルーラポイント。ここから階下に毎度行く必要がある

さて、次からは少し厳しい意見が続くことになる。まずは配合するときの快適さについて。本作は配合を軸としたゲームなのにも関わらず、せっかくの配合を活かしきれてないデザインがかなり足を引っ張ってしまっている。なんと配合場所にルーラポイントがなく、体験版段階ではルーラポイントから少し歩かされるので、何度も行き来していると特にこの部分に嫌気してくる。

『ドラゴンクエストトレジャーズ』でもそうだったが、こちらの作品では拠点に飛んだあと、モンスターを入れ替えたり派遣するのに拠点の奥まで行く必要があった。本作ドラクエモンスターズ3でも同様のことがされてしまっている。ゲームの肝の部分、特にプレイヤーが頻繁に使うような施設であれば、最低限快適さは担保しておくべきだろうし、配合の館出張所、というようなご都合的なシステムでも全然構わないので、魔界の闘技場であったりとか、要所要所で楽にできる場所があってもよかっただろう。

調べられる 調べられない

また、カメラ部分にも不安が残る。筆者が最初に気になったのはツボを調べる部分だが、場所が同じでもカメラ位置によって調べられたり調べられなかったりする。カメラを動かせばいいだけと言われればその通りではあるが、特定のカメラ位置によっては調べられないなどがあるのはうーん、どうなんだろうか、といったところ。

極めつけはカメラのガタつきだ。これがもっとも顕著に現れているのが階段部分で、技術的なことは詳しくないので理由は不明だが、階段を登り降りするたびにガクガクする。なにはともあれロザリーヒルの階段部分は使うことになるので、このガタつき部分はなんとかならなかったものだろうかと思ってしまう。あくまで個人的な意見にとどまるが、グラフィックを多少落としてもガタつきなどを解消してくれた方が嬉しいのだが……

グラフィックがいいに越したことはもちろんないが、グラフィックがデフォルメでも楽しかったのがモンスターズシリーズだ。イルルカSPはスマホで出たのが2020年と比較的最近のゲームだが、あのデフォルメ調のグラフィックでも面白さを損なわずというか、本当に面白い作品であった。

配合というゲーム部分が面白く、またグラフィックがそこまでゲーム性の部分に関与する作品でもないので、快適さにより焦点を当ててくれていれば、と残念に思ってしまったのが本音だ。

季節+天気が煩雑な仕組みに

季節

次に、これも配合面に直接関わってくる部分でもあるので、流れで一つ書いておきたい。本作では季節というシステムが実装され、春夏秋冬それぞれにギミックが用意されており、その季節ごとに行ける場所が異なったりする。加えて天気も実装されているが、この季節・天気の厄介なところは、それぞれに専用モンスターが用意されているという点だ。

天候アイコン

天気システム。季節との組み合わせがある

加えて、筆者が確認した限りでは、夏+雨という非常に限定的な場面でしかスカウトできないモンスターがいて、はっきりこのシステムは不要だと感じてしまった。せめてどちらかに限定してほしかったのが本音で、というのもドラクエモンスターズはモンスターを捕まえて終わりなゲームではなく、その先の、配合に使うというゲーム性である。

捕まえたモンスターは配合しないで使い続けても強くなることはなく、代を重ねていってどんどん強くなるし、そもそも配合を考えること自体も楽しい。モンスターズシリーズは、この配合システムが全ての基盤となっており、ここに楽しさの大半が集約されている、といっても過言ではないだろう。

一応季節変更自体は、体験版段階では使えないものの、Tipsに季節のこなを使えば~という文言があったので簡単に変更可能ではありそうだ。しかしこれも消耗アイテムである。クリア後辺りに季節の笛なんてアイテムが出てきて自由に変更できるのかもしれないが、消耗アイテムのみだといただけない。加えて天気部分にも干渉できないと片手落ちだろう。できれば方向キーで指定の季節にすぐ変更可能、となれば季節自体への忌避感はなくなるので、製品版にはこれを期待したい。

季節のこな

ともあれ、季節・天気の仕組みは、せっかく本作は配合を従来シリーズに比べてわかりやすく簡単にして遊びやすくしたのに、配合するために必須のスカウトの部分で足を引っ張られてしまっては本末転倒ではないだろうか。むしろ、スカウトこそ簡単にしてどんどん配合してもらうほうがゲーム性にマッチしていると考えるのだが。

と、スカウトの簡単さ、ということについて、一点よかった点は触れておきたい。今作からスカウトに賢さを参照できるようになった。賢さ特化型のモンスターで、インテをかければスカウト用のモンスターとして使えるようになったし、選択肢が広がるのは素直に良い点であると思う。

戦闘面はオートで楽だが倍速までが少し長い

次は戦闘面に関して。体験版の段階ではオート戦闘で全く問題なく、かなり楽に進められた。当然、オート戦闘だけだとスカウトはしてくれないので、スカウト指示だけはこちらでする必要があるが、ある程度ターン数のかかる戦闘などでは重宝するはず。

加えて戦闘は使って欲しいスキルなど細かく指示できるので、快適なことは間違いない。一方で強敵相手などには直接命令することもできるので、その辺りも心配なしだ。

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倍速戦闘は上記のルーラを覚えるタイミングで切り替え可能に

ただし、倍速戦闘が解放されるまで少し長いのは気になった。歴代作品も倍速戦闘解放まで時間がかかるが、大体普通にプレイして40~50分以上かかった辺りで解放されることになるが、最初からできてもよかったのでは、と思う。倍速にしていないと敵を倒してからのリザルト表示までの時間も長いのも気になった。

イルルカSPでは2倍速は最初から解放されるようになっていたし、3倍速も比較的速い段階での解放となっているので、製品版には期待しておきたい。

ストーリーはDQ4とは違った展開に?

ここまで主にシステム面について話してきたが、最後にストーリー面について少しだけ触れておきたい。本作はドラクエ4からピサロが主人公として出演している。ピサロといえばドラクエ4のラスボスで、PS版以降をプレイしている人はより印象に残っているはず。

また、ピサロだけでなくドラクエ4の主人公たちも登場することになる。ピサロ視点でのドラクエ4になる、と言い換えてもいいかもしれない。そこでストーリーのヒントになるのが公式youtubeから見れる「ピサロとロザリー」だ。

このピサロとロザリーでは、ピサロ、ロザリー、そして主人公たちとの関係性がドラクエ4ベースで描かれている。ただ、わざわざこれをyoutubeで流しているということは、と筆者は予想するので、ドラクエ4のifストーリーとしても楽しめるかもしれない。

ただし、一点注意しておきたいのが、あくまでifストーリーとして楽しんだ方がいいのかもしれない、ということだ。いくつか理由がある。まず、体験版段階でロザリーが奴隷商に捕まっているシーンがあり、ルビーの涙を流すが、そのシーンでロザリーは手枷足枷が全くされておらず、逃走方法としては適当にその場から走って逃げてしまうというもの。もちろん、多少の混乱はその場ではあったものの、ついツッコミたくなってしまった。

方言を離すロザリー

他にも賛否両論ありそうなロザリーのキャラ付だ。ロザリーが興奮するとなまりがでるというキャラ付けがなされている。別になまりくらいいいじゃないか、と思いたいが、そもそもエルフの彼女がなまりを使わないで今まで話していた理由自体も今度は気になってくる。

なまりと標準語という話をすると少々込み入ってくるのと重箱のすみをつつくような話にもなってくるので深入りはしないが、ロザリーヒルにいた深窓の令嬢感というよりかは、魔界についてきたり、活発な要素などをフィーチャーしたかったのかもしれない。守られるだけのヒロイン像からの脱却というか、その一環なんだろうなとは思うものの、他に表現の仕方もあるだろうにと考えざるをえなかった。

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酷い、的なことを言ったあと、名前を教えてもらって恍惚の表情を浮かべるのは少し理解が難しかった

もう一点、ピサロがロザリーを助けたあと、はい、いいえ、どちらを選んでもひどい、というようなことをロザリーから言われる。これは百歩譲ってロザリーが人間贔屓というか、ドラクエ4の展開と絡ませれば一応理解できなくはないが、その後追いかけてくる理由が不明瞭になってしまうので、もう少し丁寧に描いてもよかったと思う。せっかくドラクエ4を題材にして、かつ本編にも絡みそうな内容を描いているのだから。

ただし、このようにツッコミどころなどがあるなかで、一点付け加えておきたいのは、ピサロ人間憎んでるっていってたけどロザリーヒルの人たちによくしてもらってたじゃん、という点。この点に関しては、原作ではロザリーヒルに住んでいる人たちはホビットと呼ばれる種族で、髭面の小さい男性グラフィックで表現されていた。イメージとしてはドワーフに近いかもしれない。

そして、本作でもよく見れば、ピサロよりも頭一つ以上低いキャラばかりがロザリーヒルにおり――モンじいだけは別だがそれは原作でも道具屋がそうだったからかもしれないが――闘技場のためにエンドールに行けばわかるように、そこではピサロと同じくらいの背丈のキャラが普通に存在している。

なので、人間を憎むようになったという先ほど貼った動画の流れで、一人だけ良いやつがいるのを知っている、というのは矛盾している内容ではない、というのだけは一言しておきたい。

不安と期待が入り混じった新作に

以上、体験版の範囲内での忌憚のない感想を書いた。久しぶりの新作ということでかなり期待をしていたが、正直な部分で不安が残る。ストーリーに力を入れたいのかな、とも思ったが、モンスターズシリーズはストーリーは記憶に残らなくても、ゲームは記憶に残るくらい面白い作品だった。もちろん、両方良ければ言う事なしなのは当然だが、体験版段階では肝心のゲーム部分に不安が残る出来栄えとなっていたのは否めない。

例えば本文中では触れなかったが、モンスター数もかなり減ってしまったし、これは遊びやすさに重点を置いたものなのかもしれないが、それなら余計に特性引き継ぎなどをしてモンスター数は少ないけど組み合わせは多い、というようにした方がいいのでは、とどうしても思ってしまう。

ちなみに、軽く世間の評価・感想を見た感じの不安部分で、グラフィックやロード時間についての指摘が散見された。しかしこれはなにも本作だけの問題というわけではなく、もはやSwitch自体のスペックが次世代ハードとは比べられないという点にも依っている。Switchは7年前のハードでもあるし、加えて携帯機としても遊べるので、純粋に据え置き型のハードと比べると性能が落ちてしまうのは仕方ない部分がある。ロード時間やグラフィックということは、直近の任天堂の大作でも気になるものはあったし、ゲーム自体の問題というよりかは、現代の要求に応えようとするのが、精一杯である、という問題が隠れているはずだ。

最近では新型Switchの噂も聞かれるので、逆に言えばそれだけ長い間Switchが現役だったことの証明でもある。ともあれ筆者としてはここはもうしょうがない部分として割り切ってしまっている。もちろん、モンスターズシリーズは配合に一番の面白さがあり、そこを軸にグラフィックを落としたりロードの改善などをするくらいの開き直りはしてほしかったものの、それは望みすぎなのかもしれない。

なにはともあれ本作の配合システムが秀逸なものであるのは間違いなく、一定の面白さは担保されている。ただ、歴代シリーズをやり込んだ身からすると、抜群に面白い作品を期待しているので、一定の面白さが担保されているようでは満足できないのが本音だ。製品版ではこの不安が一蹴されて、歴代シリーズに勝るとも劣らない作品になっていることを願っている。

体験版情報

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ドラクエモンスターズ3の製品情報

タイトル ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅
価格(税込み) パッケージ・DL版7,678円
マスターズ版:11,198円
超マスターズ版:14,003円
発売・販売 スクウェア・エニックス
対応機種 Nintendo Switch
ジャンル RPG
プレイ人数 1人
CERO B
公式サイト https://www.dragonquest.jp/monsters3/

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コメント

209 名無しさん

歴代通りのモンスターズシリーズだと期待してプレイしないでください。スマホ版、steam版、買わないほうがいいです。マジで。買おうか悩んでる人の目にとまりますように

208 名無しさん

やっぱりスマホ版前提で作ってたんだなー

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