
『凶乱マカイズム』の評価レビューです。本作はアクション版「ディスガイア」と評するのが最も正確な作品です。ゆえに、面白さは保証されています。しかし一方で、だからこそ「マカイズム」としての面白さに疑問を感じる作品でした。
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| 総合スコア | |
|---|---|
| 72/100 |
『凶乱マカイズム』の評価は、100点満点中72点です。
「アクション版ディスガイア」という評価が、最も誤解なく伝わるレビューでしょう。
いつもの『ディスガイア』的な面白さはありつつもそこに帰結してしまい、『凶乱マカイズム』ならではの面白さが壊されています。育成や周回などシリーズの良さを踏襲しており、シリーズファンにはおすすめできます。
しかし3Dアクションの目線ではお世辞にも優れた作品とはいい難く、『ディスガイア』のイロハを知らない人にすすめるのは……といったところでしょうか。
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・『魔界戦記ディスガイア』シリーズの魅力がそのまま搭載
・シンプルかつ明快なストーリー。テンポよし ・3Dアクションながらも難しい操作や戦略が不要 ・育成=かけた時間が100%報われる達成感 |
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・操作キャラクターが主人公で固定
・値段に対するコンテンツ量の少なさ ・3Dアクションとしての面白さはかなり乏しい ・アクションになったことによる「周回」の向き不向き |
拡大『凶乱マカイズム』は、アクションRPG版の『魔界戦記ディスガイア』と言っても過言ではありません。同シリーズの魅力はそのままに、新たな『ディスガイア』としての体験を3DアクションRPGとして味わえます。
シリーズのファンであれば買って損はないでしょう。新たな『ディスガイア』シリーズの幕開けになりうる本作は、もはやそれだけで魅力的と言えるかもしれません。
一方で、『凶乱マカイズム』はアクションRPGとして高品質とは言い難く、また繰り返しの単純作業を求められるゲーム性なので、向き不向きが大きくゲーム体験に影響します。『ディスガイア』の魅力を知らない新参者に手放しでおすすめできる作品かと聞かれれば、そうではありません。
ゲームボリューム(ストーリー)に対する値段も明らかに高く、本作の魅力を味わうためのハードルは決して低くありません。
拡大▲いつもの画面、いつものUI
『凶乱マカイズム』は、『魔界戦記ディスガイア』シリーズの主要スタッフによる完全新作の3DアクションRPGです。
『ディスガイア』シリーズでおなじみの、やりこみ育成要素、億の単位まで伸びるダメージ、ファーミング(レベリング)、ハックアンドスラッシュなどの要素は健在です。アイテム名や魔物、BGMなどを確認すれば*アクション版『ディスガイア』まという表現が間違いでないことが伝わるはずです。
技術を要求されるようなアクションゲームではなく、操作は簡単です。魔王級のパワーがあれば何でも解決。
主人公の傭兵「エヌエー」となり、新米魔王「ティシエル」の依頼、始煌のプリンの奪還を目指しましょう。
拡大▲とにもかくにも、プリン
本作『凶乱マカイズム』のストーリーは、孤高の傭兵である主人公「エヌエー」が、新米魔王「ティシエル」の依頼を受けるところから始まります。依頼の内容は、離反した六裂闘(ろくざとう)が持ち出していった「始煌のプリン」を全て回収すること。
プリン。なるほど。そういう感じですか。
開始5分もしないうちに、本作の空気感をプリンというメッセージで感じ取れます。そんな調子なので、本作のストーリーは終始コミカルです。六裂闘が離反した理由も、例えば血糖値が上がりすぎてプリン絶ちをしたいだとか、プリンの食感に飽きて硬いものを食べたくなったとか……
本作の舞台は「傑超魔界」。かつては弱肉強食の魔界でしたが、前魔王がプリンをもってして統治を進めたおかげで今は平和な世界になっています。何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、事実、そうなのです。
拡大▲真面目な主人公。好感が持てる
だからこそ、傭兵であり外部の人間である主人公「エヌエー」がまさにプレイヤーの感情を代弁してくれます。
彼は冷たいところもありつつ常識人(?)でもあるため、プレイヤーはプリンをめぐる意味不明なストーリーに取り込まれることなく、物語を読み進められるのです。
終始ふざけた話ではあるのですが、スッと刺しに来るような鋭い話も差し込まれたりして、そこがまた油断できないところ。
長い読み物というわけでもなく、話が複雑すぎるものでもなく、「このゲームはこういうノリですよ」が最初から最後までブレずに進むので、ストーリーは小気味良く楽しめます。
拡大▲ストーリー序盤。雰囲気は無双シリーズのそれ
物語が軽快に進むのと同様に、ゲーム攻略のほうもサクサクどんどん進んでいきます。
本作の最初の目標はエンディングを見ることと言ってもいいでしょう。一章クリアとかではなく、エンディングが最初の目標です。
これは実体験なのですが、僕は本作のメインストーリーを4時間程度でクリアしてしまいました。寄り道をあまりしなかったとはいえ、他の人が普通にプレイしても4〜6時間程度になるのではないかなと思います。
見ようによってはボリューム不足だと批判されそうなものですが、まったく問題ありません。なぜなら、エンディングを見終えることはある種のチュートリアルだからです。
拡大▲メインストーリークリア。4時間
うわ出た……と思われる人もいるかもしれませんが、本作に限ってはこの表現が正しいです。
だって、メインストーリークリア時のレベルがせいぜい120程度なのに、このゲームの最大レベルは9999ですよ?レベル9999が求められるコンテンツも用意されています。つまり、ストーリークリア時点での進捗は1.2%に過ぎません。
メインストーリーのクリアは、チュートリアルです。
拡大▲各種倍率をイジれるチート屋。目的に合わせて
ストーリーがあっさりしすぎている、という意味でボリューム不足と言われれば、それは否定しません。4時間で終わりますからね。実際には「後日談(クリア後要素)」もありますが、それも6〜8時間程度のプレイ時間があれば終わってしまいます。
とはいえこのタイミングになってくると、ゲーム進行とは別に、プレイヤーは既に内発的に次の目標を自然と立てているはずです。レベル9999を目指す、より強力な装備を探す、仲間(従魔)を育成する、などなど。
本作、いや『ディスガイア』シリーズは不思議なもので、ゲーム側から指示されなくても自然と次の目標を設定したくなる設計になっているんです。どんどん上がっていくレベルとダメージを目の当たりにして、これからどうなっちゃうんだというワクワク感。
その一方で、「修羅次元」への成長導線はもう少し明示しておくべきだと感じました。
拡大▲次に自分は何をすれば……?
「修羅次元」というのは、本作におけるエンドコンテンツです。数千のレベルと数十万のステータスと数十時間を要求される、やり込みプレイの登竜門であり舞台でもあります。
しかしながら「修羅次元」の存在はゲーム内でほとんど語られません。いやいやシリーズ経験者なら分かるだろう、という扱いは良くないです。
何が良くないかというと、「クリア後のレベル上げは自己満足でしかない」と判断を早めてしまい、エンドコンテンツを発見するよりも早くゲームから離脱してしまう可能性があるからです。
プレイヤーに内発的な動機を生じさせるのがとにかく上手い本作ですが、周回と育成はただの作業でもあります。いつか飽きてしまう。どこかで一区切りできるような目標は、やはりほしい。
いや、飽きという表現は正確でないのかも。
本作における最大の敵は「疲れ」。それは、アクション3Dであることが原因かもしれません。
拡大本作『凶乱マカイズム』は、『魔界戦記ディスガイア』の成分を受け継いだアクションRPGです。ステータスの暴力が特徴のシステムをアクションにするとどうなるか、おわかりでしょうか。
中途半端にコンボや奥義を使うよりも通常攻撃でペチペチ叩いていったほうが、「周回」を前提とするゲームとして圧倒的に効率的になってしまいます。
武器は7種類。それぞれモーションや奥義が異なり、3DアクションRPGならではの工夫がありつつも最終的には、通常攻撃と回避を繰り返すだけの単調な操作が最も効率的であることに嫌でも気付かされます。
▲3Dアクション。まあ……そうだけど……
「従魔」と呼ばれる仲間・ペットに相当するシステムが、本作には用意されています。従魔は全16種類おり、誰を連れて行くかで「魔チェンジ(変身・必殺技のようなもの)」の内容も細かく変わります。まあでも、アニメーションが長いので1回見たらもう使いません。
レベルやステータスがもりもり上がっていくことの面白さは、正規の攻略手順やレベルデザインとして敷かれたレールをぶっ壊せるという面白さです。しかしその面白さは、裏を返せば、そのゲームジャンルとしての面白さをぶっ壊すことでもあります。
アクションとしての面白さが壊されている本作を楽しむには、『ディスガイア』としての面白さがそれを上回ってなければいけません。この点は、個々人で大きく受け止め方が変わってくるでしょう。
だからこそ、シリーズ初心者にはおすすめしがたいのです。特に、本作を「3DアクションRPG」だと思っている人には。
拡大▲デカ夜魔族。これを楽しみに…いやなんでも
とはいえ、なにも本作の面白さはアクションだの『ディスガイア』だので決まるわけではありません。
例えばキャラクターとかストーリーとかBGMとかUIとか、様々な要素が複合してそれぞれに良い悪い好き嫌いがありつつ、最後に感想が出てくるわけです。
アクションという話は一旦わきによけて、本作が3D作品であることについてはしっかり言及しなければいけません。本作の魅力の1つは、等身大として描かれるキャラクターです。
『日本一ソフトウェア』は大量の作品を世に送り続けているタフネスな会社ではありますが、実は3D作品は数えるほどしかありません。その少ない3D作品の中でも、キャラクターは3〜4頭身で描かれてばかりでした。
しかし本作は違う!人形の等身大で、あのキャラこのキャラがしっかり3Dキャラとして誕生しているのです!等身大になったことで一部キャラにコンプライアンス上の問題が浮上しているような気もしますが、些末なことです。
シリーズのファンならではの感動ではありますが、おかげさまで3Dアクションとしてあまり違和感のない仕上がりになっています。本作の登場人物が皆3〜4頭身だったら、プレイフィールは大きく異なっていたでしょう。
では、新たな変化を迎えた最新作『凶乱マカイズム』で生まれ変わったキャラクターを見ていきましょう。
拡大六避闘(ろくざとう)の2体。人型ではありません。まあ魔物ですからね。確かに3Dだけど。そういうこともありますよ。
拡大仲間にできる従魔の一覧。16種類中、人型は2種類だけです。ま、まあ魔物ですからね。そりゃカエルとかサメとかイヌなんかがいてもいいですよね。夜魔と猫又がいるだけ嬉しいと思いましょう。
拡大主人公のエヌエー。唯一の操作キャラクターです。そうです。本作はずっと彼のケツを眺めてプレイすることになります。キャラ変はできませんしありません。
いやいやちょっと待ってくださいよ。等身大のキャラが動くと宣伝しておいて、なんですかこれは。人型のキャラクターが全然いないじゃないですか。
別にその、アレ、可愛い女の子を出してくれと言ってるわけじゃないんです。せっかく3D作品として挑戦したのに、非人型ばかりを3D化してどうするんですか。絶対そこじゃないですよ。どうなってるんですか。
拡大▲DLCの追加キャラ(従魔)
……なるほどね?僕は『日本一ソフトウェア』の販売戦略について偉そうなことを言える立場ではないのですが、なんというか、この件についてこれ以上言及するのは辞めたほうがいいかもしれないと判断しました。
拡大人型の3Dキャラクターが少ないという話はただの脱線ではなく、アクションゲームとしての面白さにも直結します。
アクションゲームの場合やはり「操作」できるという点が非常に重要です。操作キャラクターが固定だったとしても、退屈さは武器で補えます。複数の武器種があり固有モーションがあり、専用スキルなども用意するわけです。
ところが。先述の通り、本作は圧倒的なステータスの暴力でアクションの面白さを破壊しているので、武器ごとの異なる操作感が面白さにほとんど寄与していないのです。
アクションとしての面白さが消えてしまっているのなら、せめて見た目くらい変えたいところ。キャラクターが変わるとか、服装がガラッと変わるとか、ボイスを変えられるとか。周回と自分との戦いになるゲームなので、気分転換くらいはさせていただきたい。
拡大▲おなじみの特技も実装
ところが、本作の操作キャラは「エヌエー」ただ1人です。装備の見た目も、武器が変わるだけで防具は反映されません。もちろん、渋いおっさんボイスも変更不可です。
アクションRPGとして、操作としての面白さは実感しにくい。かといって、3D作品だからこその視覚的な面白さも少ない。今回のレビューでは深く触れませんでしたが、アクション部分の操作感もお世辞にも良いとは言えません。思ったより悪くないな、くらい。
であれば本作『凶乱マカイズム』の面白さはどこに残っているのか。アクションであることの面白さがないなら、従来通りシミュレーションとして出せばよかったのではないか。
『ディスガイア』として新作を素直に出してればなあ……、と書いたところで、ふと思ったわけです。

▲エトナ様
僕は『凶乱マカイズム』を、アクションゲームとしてあまり良い出来だとは思っていません。
しかしこの主張は、本作の源流とも言える『魔界戦記ディスガイア』にも向けることができます。つまり、『ディスガイア』はシミュレーションRPGとして良作と言えるのでしょうか?
シミュレーションRPGと十把一絡げにまとめるの良くないと思いつつ、共通項として「戦略」という言葉を当てはめることはできそうです。
戦略や方向性を考える、それを実行するための調査・準備、インゲームにおける戦闘予測とアクシデントのケア。ときにはたっぷり時間をかけて思考することの面白さ。
この戦略を考える面白さこそがシミュレーションRPGの面白さの指標だとするなら、『ディスガイア』は多分、駄作になってしまうのでは。
拡大同時に、「いやディスガイアの面白さを普通のシミュレーションRPGの尺度で測るなよ」と主張する自分もいます。
『ディスガイア』の面白さは、本来シミュレーションRPGで求められる正規の攻略手順やレベルデザインとして敷かれたレールをぶっ壊せるという部分にあります。細かいことを考えずに破壊できる。
この面白さの構造は、『凶乱マカイズム』の面白さにも同じく当てはまります。
『ディスガイア』を普通のシミュレーションRPGとして評価するのが不適切であるのと同様に、本作『凶乱マカイズム』を普通のアクションRPGとして評価するのも、また不適切なのかもしれません。
拡大本レビューを書いている間、ずっと大きな矛盾を抱えていました。素直な感想として、僕は『凶乱マカイズム』を面白いと思っています。
しかし不思議なことに、個別の要素を見れば見るほど「なにが面白いんだ……?」という疑問がワラワラと出てくるのです。だからこそ、ここまで批判的なことを書いてきました。
しかし、面白い。ついやってしまう。どうして?
あれこれ考えて僕は、本作が面白いのは『ディスガイア』要素にあると結論づけました。
やり込み必須の育成要素、億の単位まで伸びるダメージ、ファーミング(レベリング)、ハックアンドスラッシュ。アクション本来の面白さをぶっ壊しても、それを上回る面白さがそこにはあります。
拡大▲貴重な非プレイアブルの人型キャラ。いや使わせてよ!
面白いかどうかを聞かれれば、僕は間違いなく本作を「面白い」と表現します。少なくとも、個人としては充分に楽しむことができた、いやまだまだ楽しみきれてないという確信もあります。
『凶乱マカイズム』は面白い。けど、これで本作は完成しているのでしょうか?
『凶乱マカイズム』の面白さの内訳は、大半が『魔界戦記ディスガイア』シリーズの面白さです。もちろん、それ自体は悪いことではありません。面白いものは次世代に引き継ぐ。至極真っ当な話です。
だからこそ、『凶乱マカイズム』は「3Dアクションになったディスガイア」の枠から脱せていないように感じます。マカイズムの何が面白いのかと問われたとき、正直な話、僕は「ディスガイア」要素を抜きで返すことができません。
本作が『日本一ソフトウェア』の意欲作であろうことは、一目見れば明らかなことです。そして困ったことに、なんだかんだで面白い。
『凶乱マカイズム2』がもし今後登場するのであれば、「マカイズムだから面白い」と自信を持って宣伝できる作品になっていることを期待します。
| 機種 | Switch2 |
|---|---|
| 検証状況 | ストーリークリア済み 修羅次元に挑戦中 |
| タイトル | 凶乱マカイズム |
|---|---|
| 発売日 | 2026年1月29日 |
| 価格 (通常版) |
【Switch】 ・ダウンロード版:7,920円 ・パッケージ版:7,920円 【Switch2】 ・ダウンロード版:9,020円 ・パッケージ版:9,020円 【PS5】 ・ダウンロード版:9,020円 ・パッケージ版:9,020円 |
| 対応機種 | Nintendo Switch / Nintendo Switch 2 PlayStation 5 |
| ジャンル | アクションRPG |
| プレイ人数 | 1人 |
| メーカー | 日本一ソフトウェア |
| 年齢制限 | CERO C(15才以上対象) |
| 公式サイト | 公式サイト |
| 公式X | 日本一ソフトウェア |
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とりあえず武器DLCは来て欲しい所。後は獣魔って形でディスガイア7みたく歴代主人公とか追加されるのかな?操作出来れば神だけど無さそう。