2024年3月2日(土)〜3月3日(日)にかけて武蔵野市・吉祥寺で開催された『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024(トーキョーインディーゲームサミット 2024)』。2023年から開催されている、インディーゲームのための新たなオフラインイベントに、ゲームエイトライターが潜入することに成功した。今回は会場の様子や筆者がプレイしたインディーゲームを紹介していくので、気になる方はチェックしてみてほしい。
『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024』とは?
『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024』とは、2023年から開催されている、インディーゲームのための新たなオフラインイベントだ。2023年から東京の武蔵野市・吉祥寺で開催されており、今回が2回目の開催となる。
本イベントの特徴なのが、一つの会場だけではなく、街全体がインディーゲームを盛り上げようとしている点だ。特定の施設が本イベントに関する取り組みを実施していた。
では、早速会場の様子や街全体の雰囲気、プレイしたゲームの感想をお伝えしていくぞ!
会場と街全体がインディーゲームに染まる!
まずは会場や街の様子をお届けしていこうと思う。まず吉祥寺駅に降り立って構内を歩いていると、グッズを販売しているショップが出店されていた。ぬいぐるみやアクリルスタンドなどが並べられており、グッズを求めてスタッフさんと話し込んでいる方の姿も確認できた。
▲吉祥寺マルイ1階では『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024』のグッズを確認。オリジナルTシャツの他にトートバッグ、スペシャルロゴ刺繍キャップなどが販売されていた。
▲メイン会場の一つである武蔵野公会堂の入り口では、マスコットキャラクターが来場者を迎えてくれた。
▲武蔵野公会堂の屋外スペースには、KIDS AREAも用意されていた。小さなお子さんでも楽しめるスペースになっており、家族全員で存分に遊ぶことができる。
会場内でも面白い展示物が用意されており、プロジェクターを利用して絵やメッセージを書ける機能を体験できた。指を感知して細かな部分までしっかり認識してくれるものになっていた。スタッフさんの話では、他の会場にあるホワイトボードと連携しており、書いた絵やメッセージを遠方まで届けることができるとのこと。リモートワークが増えている昨今、仕事にも活用できる機能と言えるだろう。
インディーゲームの展示だけではなく、ボードゲームを楽しめるコーナーも用意されていた。「すごろくや」のスタッフさんがルールを細かく教えてくれて、一緒にボードゲームの楽しさを伝えてくれた。筆者は「すずめ雀」をプレイさせてもらった。通常の麻雀とは違い、簡単にルールを把握することができるので、麻雀初心者の方でも十分楽しめるボードゲームだったぞ。
様々なインディーゲームが待っていた!
アイ・アム・冒険少年 超・脱出島
続いて筆者が会場でプレイしたゲームを紹介していく。まずは、TBS GAMESが手がけている3月7日(木)にリリース予定の「アイ・アム・冒険少年 超・脱出島」だ。本作は「アイ・アム・冒険少年」の人気コーナー「脱出島」をテーマにしているゲームで、番組スタッフが全面監修している作品だ。
プレイヤーは「無人島の探索」「火おこし」「モリつき」などのサバイバルアクションを楽しみながら、無人島からイカダで脱出を目指すゲーム性に仕上がっている。アバターは好きなように作ることもできるのだが、あばれる君とフワちゃんも用意されており、フワちゃんに関しては期間限定でダウンロードすることが可能だ。
会場では、実際にゲーム内に収録されているミニゲームの「イカダこぎ」をプレイさせてもらった。両手のJoy-Conをタイミングよく振って、イカダに乗ってをゴールを目指す。左を振ったら右、右を振ったら左に曲がっていくので、ちょっとコツが必要だ。
コースには岩やうずまき、サメといった様々なギミックが用意されており、タイミングよくJoy-Conを振らないとダメージを受けてしまい、ゲームオーバーになってしまう。イルカに触れると一定時間無敵モードになるので、上手く活用しながら進めるのが攻略の近道になりそうだ。
筆者は合計2回プレイさせていただき、1分40秒でゴールすることができた。本作には協力プレイも用意されているので、家族でワイワイ騒ぎながら楽しめる作品だと言えるだろう。
Electrogical
シンプルながら奥の深いジグソーパズル
+ 四則演算
を掛け合わせたパズルゲームを楽しめる「Electrogical」。スタート地点から一本道を作って、足し算引き算、割り算などを駆使し、ゴールの数字にピッタリ合えばクリアというゲームだ。ステージ毎に用意されているピースが違い、じっくり考えて閃いた時の快感は他ではなかなか味わえないものになっていた。
ピースの凸凹が噛み合っていないと配置できない、電波マークのようなデザインのピースは設置した場所までワープできるなど、単純に数字を合わせて進むだけではクリアすることはできない。
試行錯誤すること約5分、やっとゴールの数字に合わせたピースの組み合わせを見つけることができた(筆者の力ではなく、取材に同行してくれた方の力が大半)。プレイしている方以外も、知恵を出し合ってクリアを目指す楽しみ方ができるのも魅力だろう。小さな子どもから年配の方まで、幅広い世代で楽しめるゲームなので、家族でプレイしてみはいかがだろうか。
新宿葬命 -SHINJUKU SOUMEI-
G-MODE Corporationが手がける2024年4月12日(金)にリリース予定のノベルゲーム「新宿葬命 -SHINJUKU SOUMEI-」の動画を確認できた。ストーリーは片岡とも氏、キャラクターデザインはすめらぎ琥珀氏が担当している。
主人公に取り憑いているらしい、幽霊の六堂凛音。めちゃくちゃ可愛い…。この不安そうな顔、愛せない方はいないのではないだろうか。他のキャラクターも魅力的なデザインに仕上げられており、愛着を持ってゲームを進められること間違いなしだろう。
一体どのようなストーリーが展開されるのか、想像しながらリリースを楽しみに待つとしよう。
Vivid World / ビビッドワールド
アソビズムが手がける「ビビッドナイト」に続く完全新作「パーティ構築型ローグライク」第2弾として登場する「Vivid World / ビビッドワールド」を試遊。宝石になった可愛らしい仲間たちを集めて、未知のダンジョンを進んでいくゲームシステムになっていた。ローグライクということもあり、その都度最善の作戦を組み立ててダンジョンを攻略していくやればやるほどスルメのように味の出てくるゲームだ。
様々な組み合わせのパーティを試して、オリジナルの戦術を編み出す楽しみ方がある。戦況を見ながら画面下部にあるコマンドを入力して、敵を倒していく。通常攻撃やヒール、防御力アップといった様々なコマンドが用意されているので、うまく組み合わせてバトルに挑む必要がある。
また、試遊後にはキャラクターがプリントされた缶バッチをもらうこともできた。
Ancient Weapon Holly
ANIPLEXのブースでは3種類のゲームが準備されており、「Ancient Weapon Holly」を試遊させてもらった。本作は、地面に落とし穴を作ることができ、落として足止めをしたり、落ちている敵を埋め潰すこともできてしまう斬新なバトルシステムが魅力のゲームだ。敵を埋め潰した時の音や演出が、プレイヤーに爽快感を与えてくれる。
また、敵を倒すたびに強化アイテムが手に入る。スキルツリー形式で強化することができ、戦略次第で様々な道が用意されているのも本作の魅力だ。
難易度もなかなかなで、一筋縄ではクリアすることが難しいものになっていた。ダンジョンの地形や敵の特性をしっかり理解して挑まないとすぐにやられてしまうので、歯ごたえのあるアクションゲームを探している方におすすめできるゲームだ。
筆者は、試遊時間で1ステージもクリアすることができなかったので、リリースされたら絶対にリベンジしたい。そんな本作のリリース予定は、2024年3月8日(金)。アクションの腕前を試したい方は、ぜひチェックしてみてほしい。
食魂徒 ~百花妖乱
Happinetのブースでは「食魂徒 ~百花妖乱」を試遊。独特な雰囲気が印象に残るシューティングゲームで、可愛らしい少女を操作して妖怪を殲滅していく爽快感を楽しむことが可能だ。本作のオリジナルシステム「ソウルコレクト」というものもあり、敵の弾幕を避けるたびに溜まる「ソウルゲージ」を満タンにすることで発動できる。一気に戦況をひっくり返せる可能性を秘めたシステムになっている。
筆者はノーマルに挑戦して、なんとかクリアすることができた。圧倒的弾幕の中の隙間を縫いながら、攻撃を当てていく必要があるので、本格的なシューティングゲームを探している方におすすめと言える。さらに上の難易度がいくつも用意されていたので、腕に自信のある方はぜひ挑戦してみてほしい。
リリース日は2024第2四半期とのことなので、シューティングゲーム好きな方は要チェックだ。
バックパック・バトル
松竹が手がけるストラテジーゲーム「バックパック・バトル」。ステージ毎にバックパックの中身を変えたり、バックの容量を拡張して敵とオートで殴り合うというゲームだ。バトルに出撃する前に購入パートがあり、様々な防具や武器、アイテムが用意されているので、組み合わせによって全く違う挙動をする。自分だけのオリジナルバックパックを作って、戦術が決まるとつい顔が緩んでしまう。
バックパックの中身によって攻撃力や防御力、消費するスタミナが変わってくる。攻撃力に振り過ぎてしまうと、消費するスタミナが多くなって攻撃自体ができなくなってしまったり、防御力を上げないと殴り負けてしまったりするので、簡単そうに見えてかなり奥深いゲーム内容に仕上がっていた。古い防具や武器は、倉庫に保管したり売却することもできるので、限られた資金でうまくやりくりする必要があるぞ。
気になる本作のリリース日は、2024年3月8日(金)となっている。みなさんもバックパックの中身、形状を試行錯誤して奥深いオートバトルを楽しんでみてほしい。
ゲーム作りに不可欠なソフトウェアのブースも!
CRIWARE(シーアールアイウェア)
本イベントの出展には、ゲーム作りに必須のソフトウェアを開発しているブースも確認できた。「CRIWARE(シーアールアイウェア)」のブースでは、サウンドミドルウェア「CRI ADX」の無償版である「CRI ADX LE」とアニメーションツールの「OPTPiX SpriteStudio」が展示されていた。
操作画面を確認することができたり、スタッフの方が親切に質問に答えてくれていた。もし学生やフリーでゲームを作っている方がいたら、ぜひ一度このようなイベントに参加して、話を聞いてみたり実際に触れてみるのもおすすめだ。
▲実際にパソコンでの起動画面を確認することができた。スタッフさんと使い方を確認しながら、触れてみるのがおすすめだ。過去にインタビューも実施しているので、気になる方は下記のリンクからチェックしてみてほしい。
インディーゲーム好き必見のイベント!
ここまで『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024』の会場や街の様子や試遊したゲームについてお届けしてきた。
通常のイベントは、1つの会場にまとめて開催することが一般的だと思う。しかし『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT』は、吉祥寺の街全体がイベント会場になっており、今まで参加したイベントとは全く違う楽しみ方ができるものになっていた。紹介した他にも、マップに掲載されていた施設でイベントが行われており、パンフレットを片手に笑顔で街中を歩いている方々を多く見かけたのが印象的だった。
来年も開催されると思うので、インディーゲーム好きな方はぜひチェックしてみてほしい。筆者も来年の開催を楽しみに待ちながら、この記事を締めたいと思う。
『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024』の概要
[取材協力:TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 運営事務局]
(編集・執筆/ゲーム山本)