2023-10-27

【インタビュー】ゲーム業界の強い味方「CRIWARE」の開発者に直撃インタビュー!波が来ているインディーゲームへの強い想いも!

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みなさん一度は見たことがあるであろうロゴがトレードマークの「CRIWARE」の開発者に直撃インタビューすることに成功した。横浜ゲームダンジョンの協賛企業になった経緯や取り扱っているミドルウェア、インディーゲームへの思いを聞くことができた。ゲーム開発ソフトを提供し続ける会社らしいインタビューになっているので、ゲーム開発に興味のある方や学生のみなさんは必見の内容になっている。ぜひチェックしてみて欲しい。

自己紹介・会社紹介

ーーまずは読者のみなさんに自己紹介をお願いします!

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櫻井氏:櫻井と言います。2000年にCRIに入社して、ずっとミドルウェアの開発やサポートをやってきました。10月から企画本部に所属が変わり、開発ではないポジションに移っていましたが、これまでずっと開発チームとお客さんとの関係部分を見てきました。

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石田氏:ゲーム向けサウンドミドルウェアの「CRI ADX」のツール開発を担当している石田です。2021年に入社しました。インディー向けに無償公開している「CRI ADX LE」の紹介や、窓口部分も担当しております。また、東京工科大学のゲームサウンドの授業で講師もしています。

ーーありがとうございます!CRIさんがどういう会社なのかも教えていただいてよろしいでしょうか?

櫻井氏:1994年ぐらいまではCSK総合研究所という会社の一組織として、セガサターンやドリームキャストといった、SEGAのゲーム機向けに音声・映像の技術を提供したり、ミドルウェアを開発したりしました。

ドリームキャストの頃はSEGAの標準開発環境のミドルウェアとして、たくさんのゲーム会社さんに使っていただきました。その後、SEGAがハードウェア事業から撤退する時に、CRIのミドルウェアを他のゲーム機向けにマルチプラットフォーム展開したタイミングで、CRI・ミドルウェアとして独立しました。

そこからCD-ROMでゲームに生の声を入れられるようになった時代に、音声圧縮と読み込みを開発して、映像や音声、動画と一緒に技術提供をしてきました。現在は、ゲームではないさまざまな業界にも技術提供をしています。

ーーありがとうございます!本日はよろしくお願いします!

横浜ゲームダンジョンの協賛企業になった経緯について

ーー初めてお話しさせていただいたのが横浜ゲームダンジョンの会場でしたが、横浜ゲームダンジョンの協賛企業として出展した理由や経緯を教えていただけますか。

櫻井氏:横浜ゲームダンジョンでは、サウンドミドルウェア「CRI ADX」の無償版である「CRI ADX LE」とアニメーションツールの「OPTPiX SpriteStudio」の2つを展示していました。2つともインディー向けにリリースしたのが2013年で、今年で10年目です。これまでのCRIは、インディー向けに技術提供はするけれど、イベントに出ることはせず、興味を持っている人に使っていただく、というスタイルでした。しかし、ここ数年でインディーゲームが盛り上がり、ゲーム機へ移植されるような作品も珍しくない流れになっています。せっかくインディー向けにも製品を出しているので、インディーゲームの開発者と話す場を作りたいと思い、イベントに参加するようになりましたね。

プロ向けの製品ですと、会社単位で契約し、無償でサポートするという手順になりますが、インディーゲーム開発者向けには上記の形ではなかなか提供できないという課題がありました。そこで、製品は誰でもWebからダウンロードできる形にして、イベントで話せる場を作っていけばとよいのかなと考えました。広くインディーゲーム開発者に知ってほしい、使ってほしいという気持ちで、今年からインディーゲーム向けのイベントにも積極的に参加しています。

OPTPiX SpriteStudioはデジゲー博に展示していましたが、CRI ADX LEは今年から展示するようになりました。7月の「BitSummit」でもCRIのブースを出展し、その後に東京ゲームダンジョンや横浜ゲームダンジョンにも参加しました。主にインディーゲーム開発者と話す機会が欲しかったという理由です。

石田氏:ゲームメーカーズスクランブルというイベントで、横浜ゲームダンジョンの主催者である岩崎さんとお会いし、そこで協賛の話を頂いたのもきっかけの一つですね。

ゲーム開発とミドルウェアの関係性

ーー御社のミドルウェアがインディーゲームにどういった貢献ができるとお考えですか?

石田氏:CRI ADX LEの利用によって、ゲームサウンドに対するハードルを緩和できると考えています。例えばゲームプレイに紐づく音声再生の遅延軽減、複数サウンドの制御機能など。そういったサウンドに関する実装を行いやすくなるのが、我々が提供できる一番のメリットだと思っています。

また、大規模なゲーム開発ではプログラム担当・サウンド担当に分かれがちな作業も、インディーゲーム開発ではその特性上、開発者が領域をまたいだりすることで斬新な演出が生まれやすくなると思います。

CRI ADX LEの利用でプログラムやサウンド、どちらの専門分野でもやりたいことを実現しやすくなります。UIの動きとBGMを合わせたいとか、メニュー画面を開いた時の音にフィルターをかけたいとか、コンボが起こると音階を上げたいとか、重要なシーンだから声にエフェクトをかけたいとか。何か演出を思いついた時に簡単に実装できるのがCRI ADX LEの強みです。

櫻井氏:ゲームサウンドの側面で言うと、音楽や効果音が入っていたらゲームとして最低限成立します。特に試作段階では、音をつけずにゲーム部分を作ることが多いと思いますが、ミドルウェアを導入して開発することによって試作段階から仮音を付けられるようになります。プロのクリエイターと話していても、音の有無で印象が変わってくるようなので、早めに音をつけるのが面白いサウンド演出を作るのに必要だと考えています。そのため、ミドルウェアを利用して、早い開発段階から音をつける、という流れがゲーム作りの定石となってくれたら嬉しいですね。

ーー音が早めにつくとゲームの印象とかも掴みやすいですよね。

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櫻井氏:作っている途中にゲームの雰囲気や手応えを味わえるように、仮でいいから音が入っている状況が望ましいですよね。音が入っていれば、プログラム・グラフィックの担当者とサウンドの担当者が一緒にゲームを作っていけます。音の実装が後になると、サウンド担当者が最後に作業することになるので、早めに音をつけられたらいいですよね。

ーーゲームの開発者インタビューでも、最後に音を付けると言うケースが多かった印象です。

櫻井氏:最後の1~2カ月がサウンド担当者の正念場という話は現場でもよく聞きます。スケジュールが押すと、サウンド担当者の時間が圧迫される場合もありますね。

ーー御社のミドルウェアを使用することで、インディーゲームはどのように進化を遂げるとお考えですか。

櫻井氏:現在、個人で作っている人もミドルウェアを使うことによって、チーム開発がやりやすくなると思います。インディーゲームを作る時にチームで連携して、ボリューム感のあるものやサウンドを凝ったものも作成可能になるのではないでしょうか。ミドルウェア自体がインディーゲームを進化させるというよりは、インディーゲームの作り方の幅を広げていくようなイメージですね。

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石田氏:国内でよく見られる、フリー素材の音をそのまま利用する、という部分に対してミドルウェアを利用いただくことで、工夫を取り入れたサウンドに近づくのかなと思います。

御社の取り組みについて

ーー今後のインディゲームへの展開についてお聞かせいただけたらと思います。

櫻井氏:イベントに出展してインディー開発者と話す機会を作ることは継続したいと思っています。インディーイベントも多く開催されているので、全部に出展、というのは無理かもしれないですが、開催地に関わらずなるべく出展する方針です。

現在はサウンドミドルウェアのCRI ADX LE、2DアニメーションツールのOPTPiX SpriteStudioを展示していますが、それ以外のゲーム向けミドルウェアについても、便利なものを紹介したいですね。製品ラインナップを強化してインディーゲーム開発者のみなさんがより良い物を作りやすくなる環境を目指したいと思っています。

また、11月に福岡で開催される「CEDEC+KYUSHU 2023」というゲーム開発者向けのイベントにも出展します。今年初めてインディーコーナーが登場するので、出展側も見る側も触る機会が増えると思います。インディーイベントではないところでも、インディーに触れる機会が増えていますよね。

ーーインディーゲームのイベントは昨今では頻繁に行われている印象です。

櫻井氏:イベントによって方向性が違い、開発者向けのイベントもあれば、家族連れで遊びに行けるイベントもあるので、バリエーションが増えていると感じます。

CRIはあくまで「ゲーム制作のお手伝いをする」立場ですので、技術寄りのイベントに来る人とも話したいですね。

両氏からみなさんにメッセージ

ーー最後に読者の方々に一言お願いします!

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石田氏:インディーゲーム開発では、個人でカバーする範囲が広いという事情から、専門分野を跨ぐことに遭遇していると思います。頑張って複数のことを賄っていく時に、架橋みたいな形でCRI ADX LEを選択肢に入れていただけるとすごく嬉しいです。

櫻井氏:ゲーム会社向けの開発から始まったものを、インディーや学生さんにも自由に触れるようにしたいですね。ゲーム業界は「プロの現場です!」という雰囲気が出ていますが、垣根を越えてゲーム開発文化の醸成までお手伝いしていきたいので、CRIのロゴを見た時にみなさんに親近感を持ってもらえたら嬉しいです。今後もゲーム文化へ貢献していければと思っております。

ーーお忙しい中ありがとうございました!

「株式会社CRI・ミドルウェア」の概要

会社名:株式会社CRI・ミドルウェア 設立:2001年8月1日 公式サイト:https://www.cri-mw.co.jp/ 公式X(Twitter):https://twitter.com/CRIWARE

Copyright © CRI Middleware Co., Ltd.

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