eスポーツ施設プロデュースの最先端を突き進む『株式会社 PCCS』。今回は、第一線でeスポーツ施設をプロデュースし続ける望月伸彦氏にインタビューすることができた。この記事はそのインタビュー記事の後編となっており、eスポーツ x ホテルや今後の展望などを掲載している。熱い内容が詰まっているので、ぜひチェックしてみて欲しい。
望月伸彦氏の紹介
株式会社 PCCS代表取締役 |
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様々なeスポーツ施設の手がけているeスポーツ事業の第一人者。大阪のe-ZONeやRED° TOKYO TOWER、近畿大学など数々のeスポーツ施設を世に生み出している。今後のeスポーツの発展を願い活動に取り組んでいる。 |
eスポーツ x ホテル事業について
ーーeスポーツ事業とホテルについてお聞きしていきたいと思います。eスポーツとホテルって聞くと、関係ないんじゃない?みたいに感じるんですが、どのような経緯でeスポーツとホテルを掛け合わせた事業を進めていこうって決めたんですか?
▲国内初eスポーツ特化型ホテル
e-ZONe ~電脳空間~大阪日本橋。
望月氏:きっかけは先ほど少しお話しした大阪の「e-ZONe」さんですね。「e-ZONe」さんの企画に途中から弊社も携わらせていただいて、みんな夜中まで遊んでるからホテルがくっついてたら楽だろみたいな、そういう軽いコンセプトで作り始めていると、すごく人が入ってきて。もう一歩考えていった時に、eスポーツを泊まりがけでニ人でも気兼ねなくやりたいっていう方々もいるんですよ。「e-ZONe」さんでいうと、70台ぐらいあるオープンなスペースとは別に個室スペースがあるんですけど、そこがすごく埋まって人気のある部屋なんですね。泊まりながら朝までゲームするんだなって、そこで一つ分かって。
それでコロナになってホテル業界の集客が難しい中で「eスポーツ x ホテル」。単にパソコンを部屋に置いただけですけども、珍しさもあって稼働率がすごくいいっていうことで全国に広がっていきました。じゃあもう少しコンセプトを作ってeスポーツっぽい部屋にしようかとか、ラグジュアリーな雰囲気でやるんだとか、そういうeスポーツのホテルっていうのが増えてきました。そして今度は、部屋もあるけど地域の人たちも来れるeスポーツ場を併設しようとか、元々宴会場だったり、食堂だったところがあるからeスポーツ場にしようとか。コンセプトを絞った施設が出てきているというのが現状です。
カップルで入る人もいますし、友達同士で今晩は気兼ねなく二人で朝までやるぞ!みたいな形で入られるグループとかもいらっしゃいます。遠方から来てじゃあどこ泊まろう、大声出していい?ってなったらホテルになりますよね。
ーー実際にプロデュースしたホテルとかって教えていただけますか?
望月氏:最近では榊原温泉っていう三重県の山奥にある由緒正しき昔からある温泉旅館ですね。高級な温泉施設なんですけども、そこに導入しました。ちょっとびっくりしましたけど、しっかりeスポーツの部屋が作られて、温泉に浸かりながら合宿とかできそうですね。
ーー最高ですね!夢のような空間です(笑)ホテルは外国人の方にも人気があるっていう話も聞きますし。
望月氏:これからも増えてくると思いますね。今コロナ明けでめちゃくちゃ忙しいんで、ひと段落したらeスポーツ x ホテルっていうのは、また出てくるんじゃないかなと思いますね。
有名なところで言いますと、お台場のホテル グランドニッコーさんとか。あと、ニューオータニさんとか。
ーーどの世代に向けてこういうホテルってを作っているのでしょうか?やっぱり若い人とかに向けてなんですか。
望月氏:基本的には若い人に向けてですね。今後進めていきたい思いとしては、eスポーツのブートキャンプみたいなのを考えていまして。高校生向けのブートキャンプとかが一部見られていますけども、受け入れる施設があったりすると面白いと思うんですよね。みんなで合宿に行って、eスポーツもあるんだけどその地域で遊びたいとか、観光を兼ねてみたいな。毎週土日は、eスポーツのブートキャンプをやるとか、そのような形が増えていくといいなと思ってます。
ーー導入されているホテルは都市型が多いのでしょうか?
望月氏:ネットワークがホテル用のネットワークになっていて、eスポーツ向きになっていなかったりするんですよ。専用に回線を引かなくちゃいけなかったり、既存の配線をどういう風に活かすのかが難しいですね。あと、eスポーツ施設だとある程度eスポーツを知ってる方がフロントに立ったりするんですけど、普通のホテルのフロントマンって何も知らないじゃないですか。そういう人たちも運営できるように、弊社で電話や遠隔によるサポートをして、みなさんが快適に使えるようにしていますね。ホテル側さんは、何もしなくていいっていうシステムを作っています。
サポート体制について
ーー続きまして、施設運営のサポートについてですが、なぜサポートまで行おうと思ったのか教えいただけますか?
望月氏:運営サポートって難しいんですけど、売上を保証するとかそういうことってできないですよね。私どもは人を集めるためにはTwitterとかの広告戦略っていうのをすごく大事に思っていて、オープンまでにどれだけこの場所にeスポーツ施設があるかっていうのを知ってもらうか。そのためにキャンペーンをやったり、色々なことをまず必ずして下さい、それにはこういうことをやったらいいんじゃないですかっていうものから始めますね。
ーー具体的にはどのようなサポート体制をとっていく感じなんですか。お答えできる範囲内で大丈夫です。
望月氏:基本的にいただいている中ではオープン指導ですね。Twitter戦略だとか、オープンまでどういう広告を打っていかなくちゃいけないとか。最近はちょっと難しくなってきてるんですけども、なになに県で最初のeスポーツ施設とかっていうと、地元のメディアさんとかも取り上げるじゃないですか。他にはプレスリリースを作って流すだとか、そういうようなものとかもやっていく。それと同時に、近くの学校さんだとか、あと教育機関とかに対してアピールしたり、地域の高校で部活や課外授業とか、そういうので使ってくださいとか。どうやって地域の人たちと、地域に溶け込んでいくかっていうのを指導するというのは一つあります。
運営が始まってからは、ケースバイケースですね。どのような運営をしてますか?何が足りないですか?っていうことで、弊社の方からアドバイスはさせていただいている形ですね。どうしても机上の話になるので、実際に言う通りにはなかなかならない部分もありますけども。ひとつ強いのは、色々な施設と連絡を取ってるので、成功例を知っているんですよね。ライバル店にそれを教えるようなことはしないですけど(笑)
ーー本当に色々やられてるんですね。これが使える、これも使えるみたいな。
望月氏:自分たちが提案するより先に、実際に店舗でやられているっていうことも多いんですね。そんなことやってたの!?みたいな(笑)一番運営で難しいのは、eスポーツ施設って夕方から夜中はeスポーツ好きの方が来るんですけれども、それ以外の時間をいかにするかですね。
例えば、一番簡単な例だとプログラミング教室。子供向けのプログラミング教室があったり、高齢者向けのパソコン教室があったり、最近だとフリースクール的なもので使われたりっていうのがどんどん増えてきていると思いますね。
ーーいいですね。部活は何する?って言われたらeスポーツって胸張って言えるのが羨ましいです(笑)
望月氏:昔と違いますからね(笑)胸張って言えますからね。ちょっと話逸れますけど、私はeスポーツ施設の隠れた裏の目的に「出会い」があると思っていますね。色々な人との出会いの場、交流の場であってほしいんです。イベントをやることによって色々な人が集まって、そこで人と人との交流してコミュニティーが生まれる。人の輪が広がっていく。そういう施設っていうのが広がればいいなって思ってますね。
ーー自分もゲームを通して知り合った友達が多いのでめちゃくちゃ共感できます!ゲームを通してオフ会開いて輪を広げたりするので。
望月氏:それがベストですよね!
今後の展望について
ーーゲームとして様々な取り組みをしていると思うんですけど、今後チャレンジしたいことってありますか?
望月氏:現在チャレンジしていることの一つが、ちっちゃいながらもイベントを弊社の負担で色々な会場で行ったりしています。そういう場で、コミュニティーを作るきっかけをeスポーツ施設でもやってほしいですね。もう一つの目的は、今のeスポーツ施設が個なんですけど、もっと連携されていってネットワーク化っていうか、eスポーツ施設のネットワークがどんどんできるようにしていきたいですね。全国どこでもオンラインで楽しめる、さらにeスポーツ施設に行けばオフでも会えるわけじゃないですか。だから、オンとオフが共有できるような空間っていうのを作っていきたいですよね。
望月 伸彦氏からeスポーツを愛するみなさんに向けて
ーー最後に読者のみなさんに一言お願いします!
望月氏:やっぱり興味ある人でも、eスポーツ施設に行ったことない人っていっぱいいると思います。eスポーツ施設って最初敷居が高いと思うんですよ。けど、一回行くと楽しさも分かるし、やっぱりオフラインで共に同調し合うっていうんですかね。喜びの同調っていうんですかね。そういうのを本当に体験していただいて、もっとeスポーツの楽しさが今よりもっと増えることは間違いないんで、そういうところをどんどん体験してもらいたいですね。
ーー自分もたまにeスポーツ施設に行くんですけど、パソコンを上から覗き込みながらすげぇってなっちゃいます(笑)
望月氏:本当ですか?(笑)そういう施設とか行くと、そういうのを見てるのも楽しいし、施設によって全然違うんでいいですよね。
eスポーツ施設を使って、自分たちでどんどんイベントも開いてほしいですね。みなさんが積極的にコミュニティーの中に入ったり、あと貸し切ってブートキャンプやるとかeスポーツ施設でできますし。イベント配信とか、ストリーマーの方は配信したりっていうのも全然ありだと思います。多分、今は敷居が高くて入りづらさとかあると思うんですよね。そういう方も、どんどんどんどん行っていただいて。施設の方も待っていて、声をかければ喜んでどうぞどうぞ!ってなりますので。フレンドリーにみなさんやってくれると思うので、ぜひ体験してもらいたいです!
ーー本日は貴重なお時間ありがとうございました!
会社概要
(編集・執筆/ゲーム山本)