世界中で愛される『オーバーウォッチ』と『プロジェクト・ヨルハ』のコラボレーションが実現。本コラボを彩る美麗なキービジュアルは、どのようにして生み出されたのだろうか。今回は、キービジュアルの制作を担当されたデザイナーの藤坂公彦氏と、コンセプトアーティストの幸田和磨氏のお二人にインタビューを実施。二つの異なる世界観を融合させる際のこだわりや、Blizzard Entertainmentからの意外なフィードバック、そして制作の裏側についてたっぷりとお話を伺った。
キャラクターと背景、それぞれのプロフェッショナルが魅せる連携
━━まずは簡単な自己紹介と、今回のコラボKV(キービジュアル)でどの部分を担当されたのかを教えてください。

藤坂公彦氏(以下、藤坂):デザイナーの藤坂公彦です。これまでゲームデザインやアートディレクション、キャラクターデザインなどを長くやっておりまして、今回のコラボでは主にキャラクター側のイラストを担当させていただきました。

幸田和磨氏(以下、幸田):幸田和磨と申します。主にコンセプトアーティストとして、普段から背景のデザインをよくやらせていただいています。今回のコラボに際しても、キャラクター以外の背景部分のイラスト構築を担当いたしました。
━━お二人の作業はどのように進められたのでしょうか?
幸田:最初は私が大まかなポージングとレイアウトを組んで藤坂さんにバトンタッチする形式で進めていきました。『オーバーウォッチ』側のキャラクターの性格に完璧に合っているかはわからなかったので、そこから藤坂さんにニュアンスを拾って調整していただいた形です。
藤坂:お互いの作業を行ったり来たりしながら進めましたね。たとえば「キリコ」のお札とか、幸田さんが書き忘れていたのを私が追加したり(笑)
幸田:そうなんです!お札を入れるのを完全に忘れていて、「しまった!」と思っていたら藤坂さんが追加してくれていて。本当に助かりました。完璧な協力プレイでしたね。
━━ありがとうございます!本日はよろしくお願いします!
”同じ時期に出たタイトル”だからこそのリスペクトと喜び
━━今回のコラボのお話を聞いたとき、率直にどう思われましたか?
藤坂:すごく嬉しかったですね。というのも、『オーバーウォッチ』と『NieR:Automata』って、約10年前のほぼ同時期(約半年違い)に発売されたタイトルなんです。同じ時期に出たSF・ファンタジー系のゲームで、今でも同じように世界中で愛されているタイトルはそう多くはありません。
当時の私は、『オーバーウォッチ』今までに見たことのない美麗なアートスタイルを見て、「海外からこんな凄いものが作られちゃったよ!」と少し悔しさも感じつつ、すごく良いゲームだなと憧れていました。なので、今回こうして関わることができて感慨深いです。
幸田:私も「ついに『NieR』もお声がけいただけるようになったんだ!」と嬉しかったのを覚えています。『オーバーウォッチ』が他の日本タイトルとコラボしているのを見ていたので、そこに肩を並べられるのが光栄でした。
━━私もまさかのコラボに驚かされました!日本の有名ゲームとの夢のコラボに心躍りました…!
最新技術で蘇る遊園地と、温かみのあるライティングの秘密
━━コラボKVで描かれている背景は「Blizzard World」と『NieR』の遊園地廃墟が見事に融合していますね。

幸田:両方のプレイヤーに受け入れてもらうことを最優先のテーマにしました。共通項を探った結果、「Blizzard World」に『NieR:Automata』の”遊園地廃墟”のお城を組み合わせる形に落ち着きました。
実はゲーム内でもマップの奥に見えるお城は、当時のものより遥かにディテールアップしているんです。「もし最新技術でお城を作ったらこうなるよ」という、すごく細かいアピールポイントもありますので、ぜひ注目して見てほしいです。
━━コラボKVは全体的に夕日のような温かいライティングが印象的で、普段の『NieR』とは違う新鮮な味わいを感じました。
幸田:『オーバーウォッチ』は、環境光をすごく意識した絵作りをされているので、それを取り入れたいと思いました。右側の建物の屋根に、空の光の影響を受けた青色を入れたりしています。
私は普段、暗いトーンや青白いコントラストの強い絵を描くことが多いのですが、今回は平和なフェスティバル感があったので、かなりリラックスして描けましたね。
藤坂:幸田さんが普段の『NieR』なら絶対に使わないような明るい色合いで背景をまとめてくれたので、私もキャラクターの表情を少し柔らかく描くことができました。普段の暗いライティングならもっと殺伐とした顔になりがちですが、暖色のおかげで自然と明るく描けましたね。
『オーバーウォッチ』とのコラボだからこそできた、普段では見れない明るい発色の表現だと思います。
━━ちなみに、この高密度なコラボKVの制作にはどれくらいの時間がかかったのでしょうか…?
幸田:背景の実作業としては、過去にデザインしたもののリメイクということもあり、そこまで時間はかからなかったと思います。
藤坂:ただ、今回はお互いに作業を行ったり来たりしてキャラの書き込みなども重ねたので、トータルで見るとそれなりに時間はかかっていますね。
━━こだわりと職人技がたっぷりと詰まっているんですね!
「もっと筋肉を!」Blizzardからの熱いフィードバック
━━制作を進める中で、Blizzard側からのフィードバックで印象に残ったものはありましたか?


※デザインはActivision Blizzardによるもの。
藤坂:背景にはほとんど修正がなかったのですが、キャラクターの体型については細かいオーダーがありましたね。
たとえば「A2」は、元の『オーバーウォッチ』キャラクターのボリューム感に寄せて「もっと下半身や太ももを太くしてほしい」「筋肉を感じさせてほしい」という要望がありました。「9S」も頭を小さくして肩幅を広くするといった調整を入れています。
━━めちゃくちゃ細かく修正されたんですね…!

※デザインはActivision Blizzardによるもの。
藤坂:衣装に関しても細かなオーダーがあり、インナーを追加したりもしました。主役級のキャラクターのバランスをいじるのは少し怖い部分もありましたが、Blizzardの皆さんが自分たちのキャラクターに深い愛情を持っているからこそのオーダーですし、結果的にすごく良いバランスに落ち着いたと思います。
A2の武器などを細かくみてみると、Blizzardさんの『NieR』愛も随所に感じましたね。
━━そんなところまで!今度じっくりと確認してみます。
サブキャラクターの魅力再発見!第2弾があるなら「パスカル」?
━━今回描いてみて、新たにお気に入りになったキャラクターや新しい発見はありましたか?

※デザインはActivision Blizzardによるもの。
幸田:私は「ホワイト司令官」ですね。「マーシー」の武器や羽などが全く違和感なくマッチしていて、「元からこうだったかもしれない…」と思うレベルで馴染んでいて驚きました。

※デザインはActivision Blizzardによるもの。
藤坂:私は「アダム」や「ホワイト司令官」といったキャラクターを描けたのが嬉しかったです。どうしても2B、9S、A2の3人に焦点が当たりがちで、アダムたちをイラスト化する機会って実はあまりなかったんですよね。
「アダムやホワイト司令官って、こんなに良いデザインだったんだ!もっとプッシュしてもいいんじゃないか?」と、彼らの魅力を再確認させてもらえました(笑)
━━もし第2弾のコラボがあるとしたら、描いてみたいキャラクターはいますか?
藤坂:『NieR』シリーズには『NieR Replicant(ニーア レプリカント)』や『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)』など、とんでもない量の素晴らしいデザイン資産があるので、ぜひやってみたいですね!
幸田:『オーバーウォッチ』には、ロボットのキャラクター(バスティオン)もいるので、「パスカル」なんかも面白そうですし、「エミール」も良いですよね。
藤坂:今回は”the・NieR”という感じのデザインに寄せましたが、次回があるなら、逆に『オーバーウォッチ』寄りのコスチュームと融合したようなデザインのコラボも描いてみたいです。
━━私もその時が来ることを楽しみにしています!
両ファンに向けたメッセージ
━━それでは最後に、本コラボを楽しんでいる『オーバーウォッチ』ファン、そして『NieR』ファンに向けてメッセージをお願いします。
藤坂:デザインなども含めて、Blizzardさんの『NieR:Automata』に対するリスペクトをすごく感じるコラボになっています。私たちとしてもただただありがたく、それはユーザーの方々にも感じてもらえるのではないかと思っています。
お互いの持っているものを大事にしながら作られたコラボですので、これをきっかけに、ぜひ両方のゲームに触れてみてほしいですね!
幸田:コラボKVの背景がちょうど遊園地ですし、パレードをしているような、楽しい”お祭り”として、このコラボを皆さんに存分に楽しんでいただけたらと思っています。ぜひ、2つ作品が交わった世界を堪能してください!
━━本日は貴重なお話をありがとうございました!
『オーバーウォッチ』製品概要
『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』製品概要
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© SQUARE ENIX
[取材協力]:Blizzard Entertainment / SQUARE ENIX
(編集・執筆/ゲーム山本)







