2024-06-19

【インタビュー】37年前のファミコンソフトをリメイク!?『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』開発の裏側をエグゼクティブ・プロデューサーの鈴木恒氏が語り尽くす!猿渡俊介役の後藤ヒロキ氏からメッセージも!

現在から37年前に発売されたファミコン版『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』のリメイク版『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』のエグゼクティブ・プロデューサーの鈴木恒氏にインタビュー。本作の魅力やこだわりを持って作り込んだ部分、さらには予約特典や今後予定しているイベントのことについても聞くことができた。さらに猿渡俊介役を務める後藤ヒロキ氏のメッセージも掲載しているので、ぜひチェックしてみて欲しい。

自己紹介

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鈴木恒氏(以下、鈴木氏):株式会社ジー・モードで事業統括本部の副本部長を務めている鈴木恒と申します。『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』では、エグゼクティブ・プロデューサーとして関わらせていただいています。

今回のリメイク版を出すにあたり、当時のファミコン版を作っていた方々と、開発会社の「room6」さんに協力していただきました。我々はパブリッシャーとして、ゲームをどのように世に広めていくのかという部分を担当しています。

37年前のゲームをリメイクした意外な理由とは?リメイク版制作までの裏側に迫る

ーー本作は37年前に販売されたファミコン版『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』のリメイクだと思います。なぜ37年前のゲームをリメイクしようと思ったのか、経緯や理由を教えてください。

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鈴木氏:「空気読み。」からジー・モードを知っている方が多いと思うのですが、ここ数年はアドベンチャーゲームにも力を入れている会社になってきています。ガラケーのゲームをリメイクするプロジェクト「G-MODEアーカイブス」にも力を入れていて、その中では弊社のタイトル以外にもガラケーで話題になっていたアドベンチャーゲーム(「探偵・ 癸生川凌介事件譚シリーズ」など)もパブリッシュさせていただいています。

そして今回の『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』は、弊社の社長と今回プロデューサーを勤めてくださっている折尾一則さんがプライベートでのお友達でして。一緒に「何かできないかな」と話している中で、人脈を辿れば『オホーツクに消ゆ』を作れるかもしれないという話が出てきました。先ほどお話しした通り、アドベンチャーゲームに力を入れているブランドイメージを付けていきたい思いもありましたので、我々の熱意を伝えさせていただいて今回のリメイク版を作る流れになりました。

ーー予想外の経緯に驚きました…!完全にプライベートの繋がりから開発に至ったんですね。

鈴木氏:そうですね(笑)本当にラッキーだったと思います。

ーー制作に取り掛かるにあたって、苦労したことなどはありましたか。

鈴木氏:苦労したと言うまでのことはあまりなかったですね。ファミコン版を開発した方々が中心になって取り組んでいただけ、そこにインディーゲーム界でアドベンチャーゲームの開発やパブリッシングを得意とする新進気鋭のroom6さんが見事に融合したと思います。

一点難しかったことは、良いものを作ろうと全員で向かっているのですが、その過程で若干のズレが出てくることがありました。その中での微調整が一番苦労したことかなと思います。しかし、本気のぶつかり合いがあったからこそ良い作品が出来たと自負しています。例えば数ドット単位でのこだわりでキャラクターの表情がガラッと変わるのを目の当たりにして本当にビックリしました。

ーーそんなに細かく作り込まれているんですね…!海外での発売は考えていないのでしょうか。

鈴木氏:日本語以外にも、英語、簡体字、繁体字を切り替えて遊べるようになっています。その中で苦労したことも少しありまして、一つテキストを書き換えると全てのバージョンを変えないといけません。テストやデバックの見直しも出てきますので、ファミコン時代に作ってる時と比べて、手間がかかることが多くありましたね。

伝説の制作陣が手がけるリメイク版!今までのリメイクゲームと一味違ったこだわり!

ーー苦労したことと通ずるかもしれないのですが、こだわったポイントや注目してほしいポイントを教えてください。

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鈴木氏:可能な限り当時の表現をそのまま残すように頑張ったので、その点も注目して見てほしいです!昔の表現でコンプライアンス的に今だとアウトなものが多数ありました。そこをあえて忠実に、原作へのリスペクトとして当時の雰囲気をみなさんに感じ取ってもらうために世界観を壊さずに作り込んだことが特にこだわったところですね。

ーー初めてデザインを見た時に古き良き雰囲気ながらも、現代風にアレンジされている印象を受けました!ゲームの操作感も工夫しているのでしょうか。

鈴木氏:ファミコンだとコマンド入力で操作性に限界があった部分を、当時の良さを生かしたままプレイしやすくなるように工夫しています。視認性の良さだったり、一回見たテキストは黄色く表示されるなどの工夫をしていて、当時より快適にプレイできるようになっていると思います。

例えば、当時コントローラに対応していなかった「ダンジョン」のコマンド操作の部分を、3Dにして方向キーで操作しやすいように工夫しています。当時の技術では限界で不便になっているところをしっかり改善しています。なので、当時のファンとか初めてプレイする方もプレイしやすいと感じてくれると思います。

ーー本作の世界観を失わないように、どのような工程でリメイクしていったのでしょうか。

鈴木氏:やはり当時の開発スタッフが中心にいてくれたことが大きかったです。工程としてはストーリーや遊びの本質はそのままに、ジー・モードからはゲーム内容について極力口を挟まないように徹底して、仕様など開発部分に関しては当時やりきれなかったことを盛り込んでもらう形式で開発を進めていきました。なので、ゲームの世界観を失うことなく、開発チームの頭の中に思い描いたものを作っていただいた形になります。

ーー本作の最大の魅力はどこだとお考えでしょうか。

鈴木氏:いくつかあるのですが、一番お伝えしたいのが「ちょうどいい塩梅のリメイク」に仕上がっているということですね。当時、遊んでいた方たちが頭の内で記憶している世界観を、しっかりリメイクできていると思います。「こんなんじゃないよ!」ということは絶対なくて、「こういうのを待っていたんだよ!」という落とし込みができています。

あとは、フルボイスで作り込んでいる点も魅力だと感じますね。

ーーフルボイスとなると収録が大変だったのではないでしょうか…?

鈴木氏:多くの声優さんをキャスティングさせていただいて、全ての台詞に音声が入っています。例えば、最近出ているゲームだと主人公などのメインキャラに声が入っていて、あとはテキストだけのものもあると思いますが、本作は全てのセリフに音声が入っているので全部聞いてほしいですね。本当に一言だけしか喋らないキャラクターにも音声が入っているので、みなさんが驚くような方が出演しているかもしれません(笑)

サプライズを届けたい!完全オリジナルストーリー収録までの経緯!

ーー完全オリジナルストーリーを収録するまでの経緯を教えていただけますか。

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鈴木氏:リメイクを待ち望んでいるユーザーさんが多いタイトルだったので、当時の世界観を楽しんでもらいたい反面、ストーリーはほとんど知られています。その中で、どうプラスアルファのサプライズをみなさんに届けようかと考えた時に、やはり新ストーリーが必要だと決まっていった感じですね。

注目の予約特典は?パッケージ版限定の特典も!

ーー本作はどのような予約特典を用意しているのか、差し支えのない範囲で教えていただけますか。

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鈴木氏:現在決まっている特典で言いますと、初回限定特典版として、『オホーツクに消ゆ』が生まれた伝説のPC 雑誌「LOGiN」風設定資料集とオリジナルサウンドトラックCDが付いてきます。

設定資料集にはココでしか見ることができないレジェンド開発陣の回顧録や掲載漫画べーしっ君の新ストーリーなどの掲載を予定しています。サウンドトラックCDもこのCD用として特別にアレンジされたBGM3曲を含む、計6曲のBGMが収録されますので楽しみにしていていただければと思います!

さらに、パッケージ版限定でファミコン版の『オホーツクに消ゆ』が遊べます。「ファミコン版ももう一回遊びたい。」という声が多かったので、リメイク版との比較をすぐできるようにしたいと思い、自分の中で開発前から付けたいと考えていました。パッケージ版を買わないとファミコン版をプレイできないので、懐かしい気持ちを味わいたい方はぜひパッケージ版の予約をお願いします!

ーーそれは当時のファンからしたら嬉しいですね!購入する店舗さんやサイトによって特典が変わったりするのでしょうか。

鈴木氏:各店舗やサイトで予約していただくと、それぞれ違った特典が付いてきます。例えば、キーホルダーや缶バッジだったり、店舗によってはさらに豪華なグッズが付いてきたりする特典もあります。

ーー鈴木さんが着ているTシャツのグッズ化などは考えていますか。

鈴木氏:僕の着ているTシャツは、イベント会場で目立つようにと作ったものなので、今のところ販売の予定はないですね(笑)みなさんからご要望があったり、欲しい方がいるようでしたら考えると思います。もし読者の方の中に、レトロゲームのグッズを作っている方がいましたら、ぜひ声をかけていただけますと嬉しいです!

発売前にはイベントも企画中!?ゲームの世界を飛び出した今後の展望についても少しご紹介

ーーファンの多いゲームだと思うのですが、本作をテーマにしたオフラインイベントの開催は考えていますか。

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鈴木氏:オフラインイベントやポップアップストアなどは、北海道を盛り上げたい思いがありまして、地方自治体の方々と話し合ってなにかやりたいという計画は進めています。せっかくゲーム名にオホーツクという北海道の名称が入っているので、現地でイベントを開催して盛り上げられたら嬉しいですね。

ーーゲームから地域が盛り上がったら嬉しいですよね!東京では開催する予定はないのでしょうか。

鈴木氏:もちろん東京でも開催を考えています。ゲーム内でとあるキャバレーで聞き込みをするシーンがあるのですが、似たような場所を貸し切ってレジェンド開発陣を交えたトークショーや交流会みたいなイベントを開催したいですね。しかし、なかなかゲーム内に登場するようなキャバレーがなくて苦労していて…。都内でレトロな雰囲気のキャバレーを知っている方がいれば、ぜひ我々に教えてほしいです(笑)

ーーそのイベントは楽しそうですね!開催を楽しみに待っています!

鈴木氏:開催された際には是非取材にきて取り上げてください!

リリースを期待されているファンの方々に向けて一言

ーー最後に本作のリリースを楽しみにしている方々に向けて一言コメントをいただけますか。

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鈴木氏:重ね重ねになりますが、『ちょうどいいリメイク』という形でみなさんの手元にお届けできると思っています。37年前に遊んでくださった方々に納得してもらえるように、当時の世界観を大切にしながら作っています。今までプレイしたことがない人も、ストレスなく楽しく遊んでもらえるように工夫もしているので、ぜひ一度プレイしてみてほしいです。

あと、この名作をついに海外のユーザーへ届けることができます。海外の方がどんな反応をするのかものすごく楽しみにしています。本当に素敵な作品に仕上がっていますのでリリース日である9月12日をお楽しみに!

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

猿渡俊介役の後藤ヒロキ氏からメッセージ!

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後藤ヒロキ氏:皆様こんにちは、猿渡俊介役の後藤ヒロキでございます。今回はリメイク版「オホーツクに消ゆ」の魅力を3つご紹介させていただきます!

まず1つめですが、それはもちろんファミコン版のレジェンドスタッフが集結していること!ファミコン版は1987年発売なのでもう37年前!当時のスタッフが再集結した奇跡、これは熱すぎませんか!?堀井さん・塩崎さん・荒井さん・上野さん…そこへアレンジ門倉さん、プロデューサー折尾さん…!震えましたよ正直!僕も子供の頃から今まで、プレイもしたし、しょっちゅうサントラも聴いています!良いものをお届けしたいという気持ちが全員溢れています!期待していてください!

2つめはもう僕の個人的なものになってしまうのですが、この「オホーツクに消ゆ」を彩る「音楽」です!作曲・編曲に上野利幸さん、門倉聡さんのお二人がメインで動かれています!上野さんの紡いだ、いまだに根強い人気を誇る名曲「追跡」や「新たなる旅立ち」がついに公式で聴けるんや!と昂りました。音声収録初日、塩崎さんに「お、音楽ってもう出来てるんですか!?ハァハァ…!」とゾンビよろしくにじり寄ったのは良い思い出です(笑)もっともっと語りたいのですが文字数!

3つめはあの事件から数十年後が舞台の新シナリオ&新デザインです!担当の荒井さんの描く、儚い女性…やっぱり良いですよねぇ!ドキッとしちゃいます!パッケージをひと目見た時、ニポポ人形に翻弄されている面々が躍動していて、もうこのデザイン好き!ってなりました(満面の笑み)そして新シナリオ!前作の●●の設定をここに持ってきて、こう広げていくのかー!と僕自身も勉強になりました!どんなストーリーになるか予想は難しいと思いますが、楽しみに待っていただければと!

さて、ここにきて新情報ですが、今作で後藤ヒロキ、音声の音響監督も務めました。主役 兼 音響監督という事で、自分の感覚を確かめるように、間違いが無いように慎重に、取り組ませていただきました。 リメイク、しかも自分がやりこんだ作品、主役となり、他の方に任せるより、自分で音声回りを引っ張っていきたいと強く思いました。この気持ちに応えてくれて、協力、そして支えてくれたスタッフさん、エンジニアさん、マネージャー陣、そして出演者の方々。本当に、本当に感謝しています!発売まであと少し!皆で「追跡」を聴きながら走り抜けましょう!

『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の概要

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配信日:2024年9月12日発売 価格:Nintendo Switch パッケージ版 8,800円(税込) ジャンル:推理アドベンチャー プレイ人数:1人 対応機種:Nintendo Switch™、Steam® CERO:B(12歳以上対象) コピーライト:©G-MODE Corporation/©ARMOR PROJECT ©KADOKAWA 公式サイト:https://gmodecorp.com/cs/okhotsk/ 公式X(旧ツイッター):https://X.com/okhotskmitf YouTube:https://www.youtube.com/playlist?list=PLe9fzo_FsHpTdfErBDaazwZn9hkiEbqpt

©G-MODE Corporation/©ARMOR PROJECT ©KADOKAWA

[取材協力]株式会社ジー・モード

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