2023-11-24

【インタビュー】声優 e-Sports 部を運営するオブジェクト代表 吉村尚紀氏に直撃インタビュー!声優 × eスポーツへの思いについて迫る!

声優でeスポーツを愛する「声優 e-Sports 部」。オフラインイベントやYouTubeなど幅広いシーンで活動しているプロジェクトを運営する株式会社オブジェクトの吉村尚紀氏にインタビューすることに成功した。声優やeスポーツへの想い、今後取り組んでいきたいことを聞くことができたので、ぜひみなさんチェックしてみて欲しい。

自己紹介

ーーまずは読者の方に自己紹介をお願いします!

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吉村氏:声優 e-Sports 部を運営している吉村尚紀と申します。声優さんの現場を作る仕事をやっていて、業態としては音響制作とキャスティングを手がけています。音響制作は声優さんが録音するスタジオをブッキングしたりコーディネートする仕事ですね。自分自身はそれだけでなく収録するディレクターや音響監督を務めたりもしています。

主にゲームボイス、オーディオドラマ、アニメの制作・キャスティングが多かったので、その経験が培われて声優e-Sports部を始めるきっかけになりました。長年声優シーンで仕事をやらせていただいています。

ーーありがとうございます!本日はよろしくお願いします!

声優 e-Sports 部創設の経緯

ーーなぜ声優 e-Sports 部を創設しようと思ったのでしょうか?

吉村氏:創設のきっかけは、声優さんとの仕事の機会が多い音響制作やキャスティングの仕事で頻繁に地方に行っていたことです。都心部以外のニーズとして多くあると感じたのが、キャラクターを使ったコンテンツのイベントで観光地の集客を期待しているケースもあれば「ゲーム大会をやってみたい!」という声もありました。その大会やイベントに声優が登壇することで人が集まってくれるじゃないかという発想があり、その機会を通じて地方を盛り上げられたらいいなと思ったのが大前提ですね。声優さんがキャラクターの中の人として行くケースもありつつ、ゲーム好きな声優が現地に行ってゲーム大会を盛り上げるケースも別パターンとして作り出すことで地方の盛り上げに寄与できたら、という発想です。

今ってオンラインで繋がる時代ですよね。住んでいるところ関係なくネットで繋がってゲームをしていますよね。いざオフラインイベントで会おうとしたら「そこに住んでたんだ!」みたいな距離だったりすることがあるので、全国各地で共通で世代も問わずに遊べるものがオンラインで繋がってるゲームだと思いますよね。

ーー自分もオンラインで知り合った友達の近くに住んでいて、頻繁にご飯を一緒に食べるまで仲良くなりましたね(笑)

吉村氏:それはそれで驚きの発見ですよね(笑)

ーーゲーム好き=声優好きみたいな部分も大きいですかね?

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吉村氏:割と親和性が高いんですよね。声優さんの演じた声がゲームの中にあって、そのキャラクターの声を聞いてゲーム好きになる人もいるし、声優がキャラクターを演じていることをきっかけにゲームを始める人もいるので、親和性が高いのかなと思っています。

また、この仕事をしていて常日頃から声優さんの可能性を広げる仕事もやりたいと思っています。声優さんはスタジオに収録しに行って力を発揮するだけじゃなくて、イベントでパフォーマンスを披露することもありますよね。歌を歌ったり、テレビに出たり色々な活動の領域がある中で、その人が持つ強み、声優としての可能性を広げたい・伸ばしたいとずっと思っています。

声優e-Sports部ではよくゲーム好きな人がプロフィールにも書いてある「特技:ゲーム」の三文字を具体的に示せるようにと考えています。もちろんその活動を通して期待してくれる取引先やファンの方に喜んでいただくことも大事に考えています。

ーー声優さんを選出する際にどのような基準で選出するのでしょうか。

吉村氏:立ち上げる時は、ミニマムスタートな感じで始めたんですけど、その時はゲーム好きであり、デビュー間もない頃から懇意にしていた前田佳織里さんと当時運営していた声優プロダクションに在籍していた田中音緒さんを選出しました。

ビジョンなどの理解があり近しい存在であった二人ですね。2020年春に加わった二期生はオーディションです。このプロジェクトのことも知ってもらいたいので、業界全体にオーディション情報を呼びかけて、大体300人~400人の応募の中から決めました。

決め方としては、シューティングゲームがeスポーツをリードしているので、FPSやTPSの中でも「Fortnite」や「Call of Duty®」「APEX LEGENDS」のようなeスポーツタイトルに関心が高そうな人を二次選考、三次選考で現場に呼んで最終オーディションでは実際に目の前でゲームプレイしてもらい書類や面談ではわからない部分も見て決めたのが二期生ですね。

ーーFPSとか目が肥えている方多いですよね。ちゃんとプレイしていないとすぐに分かっちゃいますし…。

吉村氏:そのゲームを好きな人がプレイを見ても「この人、まあまあやってるじゃん」と言ってもらいたいとは思っており、声優部員たちにはトレンドのゲームが出てきたからといって全員に「このゲームをやるように!」といったことは言わず「やりたいもの」「好きなもの」をプレイし好きであってもらうことを大事にしています。プレイしていないのが見透かされることが一番敬遠される要因になるので、それを避けたいと思っています。スマートフォンゲームでもPC、CSゲームでも、そのゲームを好きかどうかが応援のきっかけになることも多いのでやっぱり「ガチで好きなんだな」と感じてもらいたいですね。

ゲームのプレーヤーさんの心境を大事にしましたね。

ーーなるほどです!四期生が多いと思うのですが、選定理由や方法は同じ流れで決めた感じですかね?

吉村氏:四期生で一気に18人増えましたね。増やした理由としては、2021年3月に三期生が4名入ったその先にどう広げるかを考えた時に、変化するゲームのトレンドにも対応していきたいと思い、そうなると色々なゲームに関心がある人、特定のゲームが大好きなでやり続けている人に分かれてくるので、そのどちらも網羅できるようにしたいと思いました。それと同時にコンセプトにもある「地方の盛り上げ」のきっかけにできる出身地を活かしたいと思い選考した結果、18名加入となりました。人の数が多ければ様々な幅が広がるところもありますよね。オーディションし集まった人から最終的に決めたんですがその時も150人ぐらいから決定しました。

ーー今は何人在籍していますか?

吉村氏:今の人数は29人ですね。みんな経歴やキャリア、出身地が違い、好きなゲームもバラバラですね(笑)イベントを開催する時、呼んでいただく時も、そのニーズによって提案できるんです。このゲームをやりたいというニーズがあればその人を。スケジュールや予算が前提ならばそれに沿った提案を。幅広いニーズに対応できます!と言えるようになりました。

ーーやっぱりみなさん好きなゲームが違うんですね。

吉村氏:本当に様々で、同じタイトルをずっと好きという人もいます。今は人気の「Valorant」や「APEX」を日頃からプレイする人が多いですが好みが違うのも強みに変わるので面白いですよね。

ーー確かにマイナーなゲームをプレイする人がいるのも面白いですよね!オーディションの時から調べたりしていますか?

吉村氏:オーディションする時も全員からアンケートを取って、好きなゲームやこれからやろうと思っているゲーム、ゲーム環境を教えてくださいという質問を用意して広範囲にリサーチしましたね。例えば、「Valorantをシーズン1からやっています。最高ランクはゴールドです!」みたいな情報を全部収集した上でオーディションをしています。「スーパーマリオブラザーズが好き」や「レトロゲームが好き」でもいいし「どうぶつの森が好きです」みたいな幅を見せてくれる人もいいですよね。

ーーいいですね!十人十色でそれぞれの得意分野があって!

吉村氏:そうですね!アピール素材として自分のプレイを解説した動画を送ってくれる人もいたので、そこまでやられたら熱意を感じますよね。心を動かされちゃいます!

ーー声優 × eスポーツにした理由を教えていただけますか。

吉村氏:声優さんの仕事でゲームボイスを担当することがはじまった歴史が20年~30年あり、ゲームが好きで声優を志した人もいて、ゲームを楽しむ人も声優の演技を聞いてゲームを楽しんでいる。ゲームにおいてキャラクターボイスは今や標準にもなっているためその関係性は密接だと思っています。また、eスポーツだけではなくてゲーム業界を盛り上げたい想いが強くあり、ゲーム業界が盛り上がることで声優は活躍の場を得られる。とても親和性が高いと思ってこの組み合わせが生まれました。

ーー同じ趣味の友達が周りにもめちゃくちゃいたので、すごくいい組み合わせなのかなと思います!

吉村氏:業界内にいるからじゃなくて、客観的に見ても良い組み合わせに見えるだろうなって思いますね。

ーー声優 e-Sports 部創成期はどんな活動をしていたんですか?

吉村氏:2019年11月に初イベントを開催しました。横浜のイベント会場でお客さんも集まりステージで一期生の二人が出るイベントでした。抽選で選ばれた人がステージにあがり一緒にゲームするコーナーがある内容でした。その時はPUBGのPC版でキーマウ操作に不慣れなところもあったと思いますが、声優と共にプレイする、という体験を得られた貴重な機会だったと思います。その後に定期的にイベントをやろうと思った時にあいにくのコロナ禍になってしまって…。

オフラインイベント参加も当然叶わず、活動の場をYouTubeに切り替えたのが2020年の春ぐらいですね。活動を止めるのではなくてネットにフィールドを移して継続的な活動を続けるようにしました。二期生が加入した矢先でしたね。

ーー声優 e-Sports 部で今までで一番大変だったエピソードを教えていただけますか。

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吉村氏:参加させてもらったイベントでスケジュール通りに行かないとか、機材関係のトラブルなどはありましたね。そういう時は我々よりも、出演している声優部員が頑張っていますね。MCを任されたイベントではそのトラブル解消まで時間を繋ぐ力が必要になると思っています。そういう事態を乗り切れると糧になり次に繋がると思います。

進行通りに進まなかった時にMCとアシスタントMCや出演者でゲームについての会話で温度を下げないように努めていたり、その会話が盛り上がっていると観ている人は退屈しなくなりますよね。喋りの上手い人は何を喋らせても面白いじゃないですか。そこが魅力に感じてファンになる人がいると思いますし、面白さや繋ぐ力があるとイベント現場的にも助かり会場、視聴者、スタッフ全体に喜ばれると思いますね。

ーー一番思い出深いオフラインイベントや配信を教えてください。

吉村氏:割と初期になるんですけど、4人の映像割りでわちゃわちゃとザ・エンジョイ勢!みたいな配信が、大変さもあったんですけど面白かったですね。手弁当での準備・実施だったので思い出深さはありますね。

あとは東京ゲームショウでSteelSeriesさんのブースに登壇させていただいて、ステージの一枠を設けていただけたことがすごくありがたかったですね。ブースでは好きなゲームを語ったり推しのデバイスを紹介して、最後はその日ほぼ初プレイで挑んだ「STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)」で対戦し最強・最弱王を決めるイベントをやりました(笑)約1時間、ゲームを語っている姿は微笑ましかったですね。

色々デバイスがこの世にある中で「デバイスはこれが好きです!」「色々な中でこれを選びました!」って言えるまでの声優はなかなかいないので、そういう目線を持てるようになってくれたんだなと思いました。その時にどれを選ぶかで満足度も快適さも変わるじゃないですか。声優e-Sports部にいる声優部員の多くはそういう観点でゲーム環境に関心を持つようになってきていますね。

ーー聞けば聞くほど、本当にゲームが好きな声優さんが揃っていると思いました!

声優 e-Sports 部の展望

ーーオフラインイベントや配信といった様々な取り組みを実施していると思いますが、今後はどのようなイベントを増やしていきたいと思っていますか。

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吉村氏:全国各地で開催されているイベントにたくさん参加したい思いがあるので、今まで以上にリアルイベントへの参加を増やしたいですね。各地のイベント関係者の皆様、ぜひお声がけください!

あとは我々主催しているオフラインイベントの開催も継続的にやっていきたいです。声優 e-Sports 部の活動や配信、イベントが面白い場所だ、とまだここにたどり着いてない声優ファンに知ってもらいたいです。ゲーム好きの声優ファンには名前も知られていると思うのですが、ゲームへの関心がない人が見ても面白いって思ってもらえるようにしたいですね。

あと、企業内の社内交流の手段としてゲームを選ばれる機会が結構あって、そういった社内交流イベントなどがより活発になるように携わりたいですね。プレイする一員としてだったりイベントの進行役だったり携われたら光栄ですね。

ーーどのくらいの頻度でオーディションの実施を考えていますか?

吉村氏:2022年10月に18人加わったこともあり、今後どうしようかなと考えています(笑)頻度としては、早くて年一くらいで開きたいですが定期開催をするものでもないとは思っています。これまで行った2度のオーディションで縁がなかった人も今なら加わってもらいたいと思うかもしれないですし、次に開催する時はそれが楽しみです。

ーー声優さん以外のe-Sports 部の創設は考えていますか?

吉村氏:自分の中では声優さんを軸にして、各ジャンルの企画が盛り上がる接点になれればと思っています。既に行っていることとしては300回の連載を越えるミニグラビア&インタビュー企画の「声優図鑑」というものがありそれは声優さんにとっては「出てみたい企画」になっているのが嬉しい状況ですね。声優e-Sports部は声優×eスポーツですけど、掛け算を変えて声優がまた違うマーケットで活躍できてその業界の活性化に貢献出来たらいいなと思っています。その業界からすると新しい風が入るから喜んでいただけそうですよね。そういったことは常に色々なことを考えていますので共に力を注げる人がいたらご縁いただけたら嬉しいですね。

ーーやはり声優さん中心で考えているんですね。

吉村氏:断固として「声優」というわけではないですが魅力があることをこれまで多くみてきたので声優さんを軸に出来たらいいとは思っています。ただ、手広くしすぎて手が回らなくなってもよくないので組織が整えば次を考えられるとは思います。

ーー今後プロシーンへの進出は考えていますか?

吉村氏:趣旨にしているのが、「プロ志向じゃなくて応援する立場」でありそのポジションに今後もいたいと思っています。声優はゲームのプロになるために日々時間を注げる職業ではないため応援やエンジョイの方が現実的であり有意義だと考えています。

ーーなるほどです!ライトなeスポーツって楽しいんだよって発信する部にしたいって感じですね。

吉村氏:はい、プロ志向よりはライトユーザーのままでありたいですね。ただ、これまでも縁があって共演したチームや選手・ストリーマーを単発の付き合いで終わらせるのではなくてタイミングがあればXで紹介することもあります。共演した方々を大切にしています。その方々の名前が潜在的に意識に残ればどこかで見た時に「声優e-Sports部と一緒に出てるの見たことあるな!」ってなりますよね。なるべく繋がりを大事にしてXでも触れたりしますね。

声優&読者の方にメッセージ

ーー今後、声優 e-Sports 部のオーディションがあった際に応募しようと思っている方々に一言お願いします!

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吉村氏:好きなものを熱く語ったり、プレイして欲しいですね。またゲームだけではなくデバイスやモニター、eスポーツシーンへの関心を持っている人は貴重ですね。有名選手だけではなくて、この選手台頭してきているとか、このチームの人があのチームに加入した、とか海外チームはここが強いですよとかね。それがあるとeスポーツファンが「この声優はホントにゲームが好きなんだな、すごいな!」って思ってくれると思います。各タイトルのeスポーツ情報に関心が高いといいですね。

ーー最後に読者の方にも一言いただけますか!

吉村氏:声優部員もどんどん探求心が高くなって、ゲームやeスポーツ、デバイスの知識がいい意味で成長していると思います。その成長を楽しんでもらいつつ、声優 e-Sports 部にいる声優と活動に触れてみてほしいですね。配信では参加型イベントを開催して体験できる場を提供しているので、一回その体験してもらえると「同じゲーム好きな仲間なんだ」って仲間意識を持ってもらえると思います。共闘に参加する人もマナーが良くて自慢できます。それもあって継続的に共闘も成立してますのでその取り組みに関して一度触れてほしいですかね。

ーーお忙しい中ご対応ありがとうございました!

「声優 e-Sports 部」の概要

運営会社:株式会社オブジェクト 発足:2019年11月 公式サイト:https://seiyu-esports.jp/ 公式X:https://twitter.com/seiyu_esports 公式YouTube:https://www.youtube.com/@seiyu-esports

©声優e-Sports部/object ,inc.

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