ワンピースオデッセイの評価およびレビュー記事です。
総合評価 | ||
---|---|---|
35点/60 | ||
世界観 | グラフィック | 戦闘 |
8/10 | 8/10 | 6/10 |
ストーリー | サウンド | 快適さ |
6/10 | 4/10 | 3/10 |
【総合評価】 編集部が話し合いによって決める参考値です。総合評価は10点満点となっており、10点=神ゲー、5点=普通、1点=致命的のように点数が高いほどより面白いゲームと言えます。 【6項目評価】 世界観:ワンピース世界の出来栄えの参考値 グラフィック:映像や背景の綺麗さの参考値 戦闘:戦闘システムの面白さなどの参考値 ストーリー:ストーリーの面白さ、背景の参考値 サウンド:ボイスやSE、BGM等の参考値 快適さ:ロード時間や操作性、運営の更新性の参考値 |
ワンピースオデッセイはワンピースの世界観はそのままにハイクオリティなグラフィックで描かれるムービーシーン、サブクエやアイテム収集などの豊富な探索要素などをRPGに落とし込んだ良作だ。おなじみの「麦わらの一味」たちを操作し冒険を進めていく今作のストーリーは、新世界での航海を進めている一味に突如として「ノックアップストリーム」が襲いかかり、謎の島「ワフルド」に漂着するところから始まる。
漂着の際に離れ離れになってしまった仲間を探すために島の奥へと進むとそこで彼らは海賊を嫌う少女「リム」とそのリムを娘の一緒に暮らしている探検家の「アディオ」らと出会うことに。
仲間との再開を喜んでいたのもつかの間、ルフィ達は自らに近づけまいとするリムの持つ特殊能力によって今までに覚えてきた「技」の出し方を忘れてしまうのだった。腕の伸ばし方すら忘れてしまったルフィ達だが、リムによると技を取り戻すにはこれまでに経験した「記憶」の中に入り込み、思い出の世界を旅する必要があるという。果たしてルフィ達はそれぞれの技を取り戻し本来の冒険へと戻ることができるのか……!?といったようにストーリーが進む。
一ワンピースファンとしてまずゲームをしていて驚いたのがフィールドを進んでいる時にこれでもかというくらいには麦わらの一味たちの掛け合いが行われることだ。とにかく基本的にはルフィを操作して行くわけだが、とにかくウソップやナミ、サンジ達が話し続ける。ふとしたことでケンカするゾロやサンジはもちろん、プレイヤーがギミックを解いたときにはここぞとばかりにウソップが「解き方わかっていましたよ」といった風にチョッパーに語ることもあったりと、ワンピース好きならクスりとくるような見慣れた掛け合いが常に行われる。これだけでまず「次はどんな掛け合いが聞けるのだろう?」と冒険をしていて飽きることがない。
もちろん声優もアニメで担当されている方たちが演じており、収録されているボイスも数多い。ゲーム内の60〜70%ぐらいのセリフはボイス付きなんじゃないかというくらい声が当てられているという贅沢さだ。
ワンピースが好きな自分はこれだけで冒険が楽しいし、皆さんも幼い頃に思い描いたであろう”麦わらの一味に加入して冒険する”という夢がここに体験できるのだ。本作の最も素晴らしい点はこれより他にないだろう。
ワンピースオデッセイのストーリーはワフルドの他にも「アラバスタ」や「ウォーターセブン」などの原作でも屈指の感動があった島を冒険することになると書いたが、これらの島が細かにクオリティの高いグラフィックスで再現されており、フィールドを歩いているだけで楽しい。さらに島の至るところにはちょっとした会話スポットなどもあり、ファンにとっては嬉しい小ネタのような会話が多く設置されている。とにかくファンに向けて丁寧に作り込まれたゲームとなっているのが至るところに伺える。
ただし少し残念なのが、グラフィックや見た目の作り込みが素晴らしい分、フィールドを歩くというゲーム体験の面が不便さが残るか。「アルバーナ」や「ウォーターセブン」など町中を歩くことができるのだが、町と言っても行き来できる通りは少なく、なによりファストトラベルできる場所が少なく、マップも移動しづらい。ウォーターセブンはとても綺麗で素晴らしいのだが、川が多すぎて「一番ドック」が見えているのに回り込んでいかなければならないなど、移動がめんどくさく感じてしまう。
戦闘はワンピースのゲームでは珍しくターン制コマンドバトルとなっており、3すくみのタイプ相性や属性、さらには戦闘エリアという概念が重なり合い、アクションゲーにはない戦略や駆け引きのようなものが楽しめるようなバトルになっている。タイプ相性が良くない的には仲間を入れ替えながら弱点を補って戦い、遠距離攻撃が得意なキャラなら他のエリアで戦っている味方を援護したりと幅広い選択が取れる。
さらに特筆すべきは技の演出がド派手だ。そして原作に忠実でもある。例えばゾロの「獅子歌歌」なら相手を一閃したあとに敵の後ろで刀を鞘に収めるというお決まりの構図があるが、これもド派手かつ綺麗なグラフィックスで描かれており気持ちいい…まるでアニメの神回を見ているような気分になる。ルフィの「ゴムゴムのガトリング」ならルッチ戦で見せたほとんど限界、最高地点のような表情で技を出し切る演出が見られたりする。
(ちなみに今作はホールケーキアイランドあたりの時間軸になっているため、ワノ国で見せた例の「〇〇の実・モデル〇〇」なんかは出てこないので注意。ルフィの技もスネイクマンまでしかない。)
ただ、気持ちいい演出で敵を薙ぎ払う快感を味わうことができるといっても、ストーリーが進むにつれて10回、100回と同じ演出を見続けるとなると流石にもう良いよとなってしまうものじゃあないだろうか?ただそんな我儘にも対応できる「戦闘早送り機能」がついているので少しは快適になるのだが……できればスキップ機能が欲しかった。
あと戦闘において序盤こそ敵が強くなかなかやりごたえのある戦闘も多かったのだが、終盤にいくにつれてとにかく「ルフィ」が強くなりすぎて戦闘がただの作業になってしまっていたのももったいない点である。
メインストーリーの他にもフィールドの至るところにある「キューブ」といった収集要素の探索や「サイドエピソード」と呼ばれるいわゆるサブクエのようなものもあり、冒険が単調にならないように手が施されている。探索の際にはキャラごとに特徴的な能力を活用し、ルフィならゴムゴムのロケットで高い場所に飛び移ることができたり、チョッパーなら小さな穴を通ることができたりとキャラを切り替えながら探索することになるため、一味全員で冒険している感を味わえる。
※クンフージュゴンのような見知ったキャラのクエストももちろんある
しかしながらこのようにメインストーリー以外の楽しみもあるにはあるのだが、どうも作り込みきれていない感がある。というのもサブクエがの内容が軽めだからだろうか。名作となるRPGなら本筋で描ききれないモブや脇役にスポットを当て、そのキャラを深堀りするような記憶に残るサブクエがまあいくつか生まれると思うのだが、ワンピースオデッセイのサブクエはまったく知らない名もなきモブとの話を進めなくてはならないことも多く、なかなか感情移入しにくい。知らないキャラにおつかいを頼まれて楽しいと思える人でないとサブクエ周りはただの作業になってしまうだろう。
ここまでワンピースオデッセイの素晴らしい点について触れてきたが最後に不満が生まれるだろう点についても触れておきたい。ワンピースオデッセイはそのワンピースの世界を極限まで描いている文字通りワンピースそのものと言える作品になっているのだが、それゆえ快適なゲーム体験を残ってしまっていると思われる部分がいくつかある。
まずはフィールドでの探索を彩る一味の掛け合いだが、とにかく数が多く掛け合い中にマップを開くことができないため、マップで次の行き先を確認したい時に掛け合いが終わるのを待たなければいけない場面がままある。それぐらい我慢しろよと思われるかもしれないが、これが数多くあるため探索面でのプレイ体験が損なわれてしまうことは否めない。
探索での不満点には他にもフィールド設計の悪さが挙げられるだろうか。平坦なフィールドでは特に不満は感じないのだが、高低差のあるマップがキツい。まず今いる場所より高い場所に上りときはハシゴや段差などの登るためのギミックに触れることで上ったり、ルフィのゴムゴムのロケットを使うことで上ることができる。特定の場所まで移動して崖を上る演出を見終わって初めて段差を上ることができるためテンポが少し悪い。✗ボタンでのジャンプが意味をなしていないのだ。ゴムゴムのロケットも飛んだ後に着地するまでカメラ操作すらできないため、低所から高所に向けて飛ぶと正しい場所に飛べているのか不安になる。
上りの不満があれば下りの不安もある。高所から低所に下りる時に降りれない場所が多すぎる。膝丈ほどの柵があるせいで下に下りることができなかったり、もはや柵すら無いのに降りられない場所もある。ダンジョンなど高低差のあるギミックが多いステージも多い分、この点はなかなか許容できないものである。
あと一番筆者が不便を感じてしまったのが、ワープ(ファストトラベル)関連だ。ファストトラベルが2章後半くらいで開放されるのだが(そもそも開放タイミングも遅い)、このファストトラベルポイントが少なすぎて、移動を楽にするという意味でほとんど機能していない。もちろんないよりはあったほうが良いのだが、町の入り口に1つずつ置かれているくらいにしかワープポイントがないので「店に買い物しに行きたいな〜」という時に店まで歩かなくてはならない。そしてストーリー進行の影響でワープできないタイミングも多すぎる。
他にも戦闘でのド派手な演出は素晴らしいのだが演出の早送りはあれど、スキップができない。演出に力を入れている分、少し演出が長くなっているために戦闘のテンポは決して良いとは言えず、冗長になってしまっていてこれを永遠に見せられるとなると流石にそのキャラに愛着がある人でも疲れてしまうだろう。
この辺でこのレビューの総括とさせて頂くが、本作『ワンピースオデッセイ』は掲げているコンセプト”ワンピースの世界に触れる偉大な冒険ドラマ”を豊富なカットシーンやセリフ、美麗なグラフィックスとド派手な演出で極限まで描ききることに成功しているが、RPGとしてのゲーム体験や面白さといった点から見ると、快適性の低さやゲームシステムの乏しさが目立ってしまうだろう。
ワンピースというIPのゲームとしては満点をつけていいくらいにはファンにとって嬉しい要素が溢れんばかりにたくさん詰まっているが、逆に今作がワンピースではないRPGだった場合、面白いゲームであるかを聞かれるとなかなかに答えづらい。
ワンピースが好きな人なら絶対にやったほうが良いと言える作品なだけに少し惜しい部分が見られるが、IPもののゲームとしての出来は高いと言えるのでぜひワンピースが好きな方はプレイしてみて欲しいと思う。
タイトル | ONE PIECE ODYSSEY(ワンピース オデッセイ) |
---|---|
販売元 | Bandai Namco Entertainment Inc. |
対応機種 | PlayStation®5、PlayStation®4 Xbox SeriesX|S Steam® |
ジャンル | RPG |
プレイ人数 | 1人 |
希望小売価格 | 7,980円+税 |
公式サイト |
移動はただただダルく、戦闘は単調、キャラの格差が顕著、これは酷いドラクエの種みたいなのがあれば…いやその前に戦闘中にせめて防御くらい選択させてくれ
評価・レビュー|プレイした感想
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション ©Bandai Namco Entertainment Inc.
当サイトのコンテンツ内で使用しているゲーム画像の著作権その他の知的財産権は、当該ゲームの提供元に帰属しています。
当サイトはGame8編集部が独自に作成したコンテンツを提供しております。
当サイトが掲載しているデータ、画像等の無断使用・無断転載は固くお断りしております。
ただストレス。戦闘の相性的な物や戦闘時間の長さ。ストーリー進行する上で会話なども長い物も多くて、それいる!?ってシーンなどもコロコロあります。子供向けって事も考慮した上かもしれませんが、ナミを筆頭とする女性キャラがジャンプやしゃがむ時に胸などが揺れたりしない、せっかく今時のゲームなのだからせめて水着衣装は用意して欲しかったな、画質は良いとしても 7000円も出す価値はない