Treyarch(トレイアーク)のアソシエイトディレクター、マイルズ氏にインタビューを実施した。ベータテストでの迅速な対応の背景にある開発体制の変化、現代のFPS市場における『Call of Duty: Black Ops 7(BO7)』のビジョン、そしてシリーズファンが熱望する『Call of Duty: Black Ops 2(BO2)』の続編としての物語の繋がりについて、深く語ってもらった。
インタビュー者:プロフィール

今回インタビューを受けてくれたマイルズ氏は、業界での経験が20年に及ぶベテランであり、17年以上にわたりすべての『Call of Duty』フランチャイズの成功に貢献してきた人物だ。現在も『Call of Duty: Black Ops 7』の開発を支えている。マイルズ氏のモットーは、何百万ものプレイヤーから愛されている『Black Ops』の核となるアイデンティティを維持しながらも、革新的で驚きを与えるような方法を常に考えられている。
迅速な修正を可能にした開発体制の進化
━━過去作と比較して、オープンベータで議論されたキャラクター操作やパークの調整などが、製品版に向けて迅速に修正・告知されている開発体制になっていると感じています。この『BO7』の開発体制は過去作と比べてどのような変化があったのでしょうか。
マイルズ氏:『BO6』と『BO7』は開発を同時に進めていました。もちろん、『BO6』ではオムニムーブメント(全方位移動)を導入したりしましたが、『BO7』に関しては「ファンが何を欲しがっているか」を重視して作りました。
『BO6』の発売直後から得られた勢いと、その後のベータでのユーザーフィードバックを開発にフィードバックし、迅速に対応することが大きな課題でした。私たちは『BO6』から多くのことを学び、その学びと反応の速さによって対応できたのだと思います。
『BO7』のビジョン:「みんなと繋がる」タイトルへ
━━最近FPS市場が盛り上がっていますが、新しい『ブラックオプス』を作るに当たって、何が必要で何を避けるべきだと考えていましたか?
マイルズ氏:開発としては、他のタイトルだけでなく、他のメディアに引っ張られないようにするというビジョンがありました。その上で、今回の『BO7』では「みんなと繋がる」というキーワードを大事にしています。「どこでプレイしても、誰とプレイしても、いつでもプレイできる」という作りがコンセプトです。どこからでもアクセスできるタイトル、それが『BO7』の目指す根幹です。
開発の興奮と、「BO2」の物語の継続
━━発売を間近に控えていますが、率直な気持ちをお聞かせください。
マイルズ氏:正直、本当に興奮しているという一言です。発売まであとわずかしか残っていないのが信じられないくらいです。
開発チームとしては、プレイヤーが今回の『BO7』をどう楽しんでくれるか、その新しい反応を見るのが楽しみで仕方ありません。我々が意図しない、新しい発見やプレイスタイルがどんどん出てくると思うので、それを発見するのがすごく楽しみです。
━━『BO7』は『BO2』を彷彿とさせるストーリーやゾンビモードの作りになっています。そこにはどのような狙いがあったのでしょうか。
マイルズ氏:『BO2』はご存知の通り、非常に幅の広いストーリーで、実際にはメネンデスやメイソンの物語がすべて完結していなかったと我々は考えています。この『BO7』は、これらのストーリーに戻る最適なタイミングだと判断しました。昔のキャラクターの終わっていないストーリーの継続、その続きの物語を見せるのが、我々が一番やりたかったことになります。
マルチプレイヤーでは、ファンが大好きだったピースメーカーやアトラスなどの武器が戻ってきたり、ローンチのタイミングで、ハイジャック、エクスプレス、レイドといったクラシックマップが戻ってくる予定です。ローンチ後の新しいコンテンツにも力を入れているので、ぜひ楽しみにしていてください。
20対20大規模モード「スカーミッシュ」の真意
━━今回実装される20対20のスカーミッシュという大規模モードについて、具体的な内容や、開発でこだわった点をお聞かせください。
マイルズ氏:通常の6対6マップは完全に競技用として考えています。しかし、ファンから「大きいマップも欲しい」という要望があり、20対20という大規模モードを作りました。
また、本作に搭載されているウイングスーツや車両といったガジェットは、6対6のマップではほぼ使いきれないという懸念がありました。これらをもったいないと感じたため、しっかり使えるマップ・モードを考えた結果が、この20対20のスカーミッシュです。移動手段だけでなく、車も使えるようになっており、従来のモードとは遊び方自体が全く違うモードになっています。
武器バランスの考え方とチャレンジングな調整
━━ベータ版から製品版にかけて、マップ設計や武器バランスなどを最も大きく改良・調整した点を具体的に教えてください。
マイルズ氏:ベータ期間中にも、すでにドアの開閉問題やマップ(都心など)のアップデート、ゾンビモードの難易度調整や武器のダメージ調整といった多くの修正を入れています。データ上の確認と、プレイヤーのフィードバックを掛け合わせて調整を行っています。
パークの調整でパークの位置の移動や、二つのパークを一つにミックスしたりといった調整も入れています。発売後も引き続き調整を続けていきます。武器バランスも6対6と20対20の両モードで、まず武器のベースラインの調整をしっかり統一することが一番重要です。ただし、20対20はマップサイズや車両・ガジェットの使用により、そもそも遊び方や勝ち方が変わるため、武器単体でバランスを直接比べるのは難しいと考えています。
━━『BO2』からリバイバルされた武器は、当時プレイしていた人たちが使い心地を懐かしめるようにデザインされているのでしょうか?
マイルズ氏:おっしゃる通りです。例えばピースメーカーという武器を手に取った瞬間、プレイヤーが『BO2』でどう使っていたか、「ミドルレンジの武器だ」という認識をすぐに思い出せるように、武器の「ロール」(役割)を変えないように注意しました。その上で、新要素を少しずつ追加していくという調整の仕方をしています。昔の武器のコアな部分を壊さないように、細かく調整を施しています。
初心者への扉:コープキャンペーンとグローバルXP
━━CoDシリーズやFPS初心者でも本作は遊べるように作られているでしょうか。
マイルズ氏:これは開発が当初から大きく考えた部分です。どうやって新しいプレイヤーがゲームに入っていくための「橋渡し」となるかです。ゾンビモードを複数用意してどこからでも入れるようにしたり、コープのキャンペーン(ストーリーモード)を友達と一緒にプレイできる入り口を作りました。
グローバルプログレッションは何をプレイしてもXPが溜まる「グローバルプログレッション」システムを導入しています。マルチプレイ限定の解除要素など、モード間のバリアを全て取っ払った内容になっています。
息抜きモードで6対6で緊張してしまう人のために、20対20のスカーミッシュという息抜きにプレイできるモードも用意しています。初心者でも、ゲームへの恐怖心や萎縮する心を緩和できるように、「どれだけプレイヤーを簡単にゲームに入れられるか」を考えて作っています。
開発者が語る「最高のマップ」と遊び方
━━今後さらに多くのマップが登場すると思いますが、その中でも特に注目してほしいマップやこだわったポイントはありますでしょうか?
マイルズ氏:マップは我々にとって「自分たちの子供」のようなものですから、選ぶのは難しいですが個人的なトップ3を挙げます。まず1マップ目は、エクスポージャー(オーストラリアのマップ)です。ウォールジャンプという新しい要素をしっかり使ってプレイできるマップです。2マップ目はコーテック(科学施設)で、エクスポージャーに比べて狭いマップで、閉所恐怖症を引き起こすような、全く違った形のマップになっています。そして3マップ目は、やっぱりレイド(BO2復刻マップ)ですね!クラシックマップですが、新しい要素が入っており、懐かしいながらも新しい遊び方ができるマップになっています。
━━今作キャンペーンモードでは、前作『BO6』の一部ミッションにあったような、広いマップを自由に移動しながら進める要素があるのでしょうか。
マイルズ氏:簡単な答えとして、両方ミックスされています。通常の協力プレイ(コープ)は一本道のストーリーラインになっていますが、ストーリーを終えたタイミングでエンドゲームの部分が解放されます。このエンドゲームは本編のエピローグ的なもので、プレイヤーチームがアバロンにドロップされ、謎を解き明かすという、遊び方が変わったパートになっています。
━━キャンペーンのマルチ対応の理由や狙いを教えてください。
マイルズ氏:一つは先ほど話したように、みんなでプレイして入り口を簡単にすること。もう一つは、このメイソンを巡る四人のチームのストーリーを、プレイヤーと友達同士で一緒に楽しんでほしいという思いです。プレイヤー自身が「四人のヒーロー」になりきって、壮大なストーリーを体験してもらうのが大きな狙いです。
日本のファンへのメッセージ
マイルズ氏:みなさんがベータをしっかりプレイして、私たちが本格的に作った日本のマップに良い感触を味わっていただけたら嬉しいです。
もう一つメッセージとして、みなさんにはできるだけ今までやったことのないことを『BO7』でチャレンジしてほしいです。いつもマルチしかやっていないプレイヤーはコープのキャンペーンやゾンビモードを触ってみてほしい。今作は経験値がすべて統一されているので、経験値が取れないからと避けていた部分にも、ぜひ触れてほしいと思っています。
いつも自分がしないプレイスタイルで、今回の『BO7』を楽しんでみてほしいです!
『Call of Duty: Black Ops 7(BO7)』の概要
©/™/® 2025 Activision Publishing, Inc.
[取材協力]:Treyarch / Raven Software
(編集・執筆/ゲーム山本)







