ウクライナのデベロッパー会社GSC Game World社は、同社が開発したPlayStation®5用ソフト『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』を11月20日に発売する。今回はそんな最新作の先行プレイ会にゲームエイトライターが参加してきたので、本作の魅力やゲームシステムについて紹介していこうと思う。荒廃した世界を探索する楽しさ、敵と相対した時の緊張感などを細かく書いているので、ぜひ最後までチェックしてみてほしい。
※記事内容は開発段階のものです。正式版と内容が異なる場合があります。
『S.T.A.L.K.E.R.2: Heart of Chornobyl』とは

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、GSC Game World社が手掛けるサバイバルホラーシューター『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作だ。数々の賞を受賞した『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの次世代機タイトルで、2025年11月20日(木)にPS5版の発売が迫っている。
本作の舞台はチョルノービリ立入禁止区域、通称「ゾーン」。そこは放射能だけでなく、異形のミュータントや超常現象「アノマリー」が渦巻く極限の環境だ。一歩足を踏み入れた瞬間から、プレイヤーの心臓は高鳴りっぱなしだ。本記事では、そこで体験した五感を支配するほどのリアリティと、息苦しいほどの緊張感についてお伝えしていく。
日本語公式ポータルサイト:https://stalker2.sega.jp/
公式サイト:https://www.stalker2.com/ja
光と闇が織りなす極限のコントラスト

本作をプレイして最初に心を掴まれたのは、光と闇の巧みな演出が生み出す圧倒的な雰囲気だ。日中の屋外は、木々の間からこぼれる陽光が美しく、どこか安心感すら覚える。しかし、それは一時的な安らぎに過ぎないことを、プレイヤーはすぐに知ることになる。
どこまでも広がる荒涼とした自然の風景は、フォトリアルなグラフィックも相まって、まるで自分が本当にその場に立っているかのような錯覚を引き起こす。風に揺れる草木、朽ち果てた建物の錆びれた質感、そのすべてが驚くほど緻密に描かれており、思わず探索の足を止めて見入ってしまうほどだ。この美しさと隣り合わせにある恐怖を、ぜひ肌で感じてみてほしい。


しかし、その安心感は太陽が傾くと同時に姿を消す。夜の闇、そして光の届かない室内へと一歩踏み込んだ瞬間、世界は一変する。ヘッドライトの光が届く範囲だけが世界のすべてとなり、その先には得体の知れない何かが潜んでいるという不安が常に付きまとう。肌を刺すような冷たい空気、廃墟に響く自分の足音。物音一つ、影の揺らめき一つに心臓が跳ね上がり、暗闇の向こう側から聞こえるミュータントの呻き声は、プレイヤーの恐怖を極限まで煽り立てる。日中の美しさが嘘だったかのように、この世界は牙を剥く。
この強烈な光と闇のコントラストこそが、本作のホラー体験の根幹を成していると言っても過言ではないだろう。一度この恐怖を体験したら、もう後戻りはできない。
成長しないからこそ生まれる「死と隣り合わせのリアリティ」

本作は、一般的なRPGのようにレベルアップでキャラクターが劇的に強くなるゲームではない。装備は現地で調達するしかなく、プレイヤー自身は最後まで無力な一人の人間に過ぎない。どんなにゲームを進めても、プレイヤーの脅威に対する脆弱性は変わらない。この仕様が、常にゲームオーバーと隣り合わせという、本作ならではの緊張感を生み出している。弾薬の残数、食料の量、放射能の数値。常にこれらの要素に気を配り、わずかなミスが死に直結する。このヒリヒリするような体験こそが、このゲームの最大の魅力なのだ。
常に危険に晒される恐怖

敵は大きく分けて、異形のミュータントと武装した人間たちが存在する。ミュータントは予測不能な動きでプレイヤーに襲いかかり、暗闇から突如現れるその姿は原始的な恐怖を呼び覚ます。その行動パターンを把握することは非常に難しく、常に予測を裏切られる。
一方で、人間は遮蔽物を利用し、気がついた頃には囲まれていて、正確な射撃でこちらの命を奪いに来る。彼らとの戦闘は、戦略的な立ち回りが不可欠だ。どちらの敵も脅威であり、まともに戦えばあっという間に命を落とすことになるだろう。このゲームでは敵との遭遇そのものが、プレイヤーの判断力と度胸を試す試練となっている。

だからこそ、プレイヤーは知恵を絞る必要がある。敵の配置を覚え、物音で誘い出し、地形を利用して一人ずつ確実に仕留めていく。ミュータントの行動パターンを観察し、あるいは武装した人間の巡回ルートを見極める。何度も失敗し、その度に「次はどうすれば生き残れるか」を考える。このトライアンドエラーの過程こそが、本作の醍醐味だ。困難な状況を創意工夫で乗り越えた時の達成感は、他のゲームでは味わえない格別なものがある。ただのゲームクリアではなく、過酷な世界で生き抜いた証となるだろう。
予測不能の脅威「アノマリー」

ゾーンの脅威は、敵だけではない。立入禁止区域には「アノマリー」と呼ばれる超常現象が点在し、プレイヤーを容赦なく襲う。目に見えない放射線地帯はもちろんのこと、空間を歪ませる眩い光の奔流、シャボン玉のように美しく漂いながら触れたものを苦しめる有毒な球体、そして何もないはずの地面から突如として噴き出す灼熱の炎。これらのアノマリーは、美しさと危険性が同居しており、驚きと共に常に警戒を怠れないスリルを与えてくれる。スキャナーがけたたましい警告音を鳴らし、画面が赤く染まる瞬間は、本当に心臓が止まりそうになる。
危険を承知でアノマリー地帯に踏み込み、スキャナーの音を頼りにアノマリーを避けながら貴重なアーティファクトを手に入れるか、安全な道を選ぶか。その選択もまた、プレイヤーに委ねられている。ハイリスク・ハイリターンな選択肢が常にプレイヤーの目の前に突きつけられるのだ。
ジャイロ機能でさらなる臨場感
さらに、本作の没入感を高めている要因として、PS5版におけるDualSenseワイヤレスコントローラーのジャイロ機能の存在は大きい。銃を構えて狙いを定める際、コントローラーを物理的に傾けることで照準を微調整できるのだ。この機能は、単なるゲームの操作を超え、プレイヤーとゲーム世界を物理的に繋いでくれる。直感的な操作は、まるで自分が本当に銃を構えているかのような感覚をもたらし、緊迫した銃撃戦のリアリティを格段に引き上げている。
筆者の心を完全に折った最悪の出会い

ここで筆者が体験中に一番苦戦した敵を紹介しておこう。
ゾーンに跋扈するミュータントや兵士たち、そのどれもが脅威であることは間違いない。しかし、筆者が体験した中で最も苦戦し、心を折られかけた忘れられない敵がいた。それは、暗闇から動物のように飛びかかってくるモンスターとは全く異質で、特殊な能力を用い直接的な攻撃だけではなく、五感にダメージを与えてくるのだ…!
何もないはずの空間から突如として見えない力で殴られたかのような衝撃を受け、得体の知れないダメージに困惑してしまった。それと同時に、画面が激しくノイズで歪み、耳鳴りのような不協和音が鳴り響く。視界と聴覚を直接攻撃されるこの感覚は、通常の射撃戦FPSでは決して味わうことのない、まさにプレイヤーの精神を削り取るような攻撃だった。

こちらも反撃に出ようとするが、敵本体は物陰に隠れたり、驚くべき素早さで動き回ったりと、姿を捉えることすら容易ではない。そして、焦りから敵に突撃した瞬間、物陰から筆者と同じように精神攻撃を受けた兵士たちが現れた。あっという間に四方を囲まれ、集中砲火を浴びてゲームオーバー(泣)。
何度も何度も兵士に攻撃を受けた時には、あまりの理不尽さに思わず声が出てしまったほどだ。単純な強さとは質の違う厄介さが待っており、恐怖と理不尽さへの笑いが同時にこみ上げる、まさに本作を象徴するような奇妙で忘れがたい体験だった。
恐怖と戦い打ち勝つ喜びが待っている!普通のFPSでは味わえない快感を体験しよう

ここまで紹介してきた『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、ただ敵を倒すだけのFPSではない。圧倒的なグラフィックとサウンドが織りなす雰囲気、常に死を意識させるゲームバランス、そして予測不能な脅威が、プレイヤーに最高のサバイバル体験を提供する。この世界に足を踏み入れた瞬間から、張り詰めた緊張感に息をのむことだろう。安心感などどこにもない。しかし、この絶望的な状況こそが、このゲームの真骨頂なのだ。
だからこそこの過酷な世界で生き延びた時の喜びは、計り知れないものがある。一歩進むたびに感じる恐怖、そしてそれを乗り越えた時の達成感は、他のゲームでは決して味わえないだろう。挑戦を恐れない全てのゲーマーに、この恐ろしくも美しい「ゾーン」へ足を踏み込むことを強くお勧めしたい。
あなたのゲーム人生に忘れられない足跡を残すはずだ。
製品概要

[取材協力]:株式会社セガ / GSC Game World
(編集・執筆/はちたろう)







