EXNOAとKMSが手がける『マブラヴ』シリーズの新作『マブラヴ ガールズガーデン』。これまでのマブラヴシリーズとは雰囲気の異なるテイストで制作されている本作について、先行プレイで判明した魅力を、シリーズファンのライターが余すことなくお届けする。
※記事内容は開発段階のものです。正式版と内容が異なる場合があります。
待望のマブラヴシリーズ最新作

マブラヴが好きかー!
多分、この記事を開いた人の多くは大好きなんじゃないかなと思う。もちろん私も大好きだ。
なら当然マブラヴシリーズの新作である「マブラヴ ガールズガーデン(以下、マブガル)」もプレイする…とはならず、プレイするか迷っているという方は多いだろう。
なにせ本作の世界観やキャラは従来のマブラヴシリーズと全て異なるからだ。戦術機ではなくMG(メイズガーダー)、ハイヴではなくメイズ、衛士服ではなく制服で戦う。新規のプレイヤーは入りやすいかもしれないけど「これじゃあそもそもマブラヴである必要ってあるのか?」と感じてしまう。
だがしかし、今回マブガルを先行プレイさせていただいた私は声を大にして言いたい。
これは、間違いなく「マブラヴ」だと。
この記事ではそんなマブラヴシリーズのガチファンである筆者が、マブガルの魅力をストーリーとキャラを中心にお伝えしていく。
むき出す愛憎へと駆け出す未踏へと

先ほどストーリーを中心にと言ったが、このゲームの魅力を語る上で、戦闘システムについて触れないわけにはいかない。本作の戦闘システムは、基本的にフルオートとなっているので、ゲームが苦手という方もかなり気楽にプレイできるように仕上げられている。レベルやスキル上げの必要はあるが、逆に言えばそれさえできていれば後は編成するだけでいいお手軽具合だ。
また、レベル上げについても、所持しているキャラの上位5人のレベルに合わせて他のキャラのレベルが上がる「レベルリンク」というシステムが採用されている。そのため、レベル上げは最大5人までで良いので、育成に関してもプレイヤーの負担が少なくなっているのも魅力だろう。

戦闘系コンテンツの中心である「メイズ探索」では戦闘こそフルオートだが、ローグライク系のシステムも導入されており、1戦ごとにレリックという戦闘が有利になる効果を選択できる。ほとんどのゲーマーはローグライクが好きだし、当然私も大好きなのでこの点は非常に楽しめた。
メイズ探索で深層までいくほど、日々もらえる報酬も良くなり、部隊が強くなっていく仕組みになっている。メインストーリー中でも重要なメイズ探索がシステム的にも中心に据えられているのは、世界観をよく表していると思う。
立ち上がれ、気高く舞え、定めを受けた戦士よ

マブガル世界には、メイズという「めっちゃ危険だけど、中にはタツミヤ鉱っていう希少な鉱石が取れる大穴」がある。メイズはザルトゥール島という場所にあり、メイズに入るための適正を持った者がザルトゥール学園のパイロット科で、メイズ探索の訓練を行なっている。
そこに現れた記憶喪失の主人公は高い指揮能力から、指揮官としてパイロット科のヒロイン達と関わっていくことになる…というのが本作のストーリーだ。

先行プレイではメインストーリー2章までをプレイできたが、そこでは退学寸前の落ちこぼれチーム”シリウスシュガー”の面々を中心としてストーリーを楽しめた。
登場するキャラもご紹介

▲凄まじい集中力を持つが周りが見えなくなることがある「桃園める」

▲成金お嬢様リーダー「鳴滝七彩」

▲メイズオタクだけど成績はそこそこ「月ヶ瀬ちゆる」

▲クールでミステリアスだけどちょっとアホ「一条白奈」

▲生意気な少女「朽葉ラミ」

このチームが落ちこぼれなのは、個々の能力は高いが、チームの連携ができていないから、ではなくむしろ逆で、それぞれがチームの連携に頼りきっているところに問題がある。
主人公が指揮官というから、てっきりチームの連携を鍛えていくのかと思っていたので、これは意外でかなり良かった。シリウスシュガーは、アマツという日本のような地区から出資されているチームなのだが、日本人のチームの抱える問題としてはかなりありそうだ。
このチームを鍛え上げて、次の試合に勝てるようにしなければならない。そのために個々の技量と勝ちにいくためのメンタルを鍛え上げる、というのがメインストーリー序盤の内容となっている。
猥褻に求める狂喜乱舞

筆者のお気に入りのキャラは「鳴滝七彩」。まず名前がいい!「七彩」と書いて「なないろ」と読むのはかなりおしゃれで好みだ。
特に気に入ったメインストーリーのシーンをいくつか紹介しよう。



お前おもしろっ!
その笑い方ってやめることできるのか…てっきり一度その笑い方になったら、悪役おばあちゃんになるまでずっとその笑い方しかできないと思っていた。
好きなキャラができたら、そのキャラとの親愛度を高めることができる。これは戦闘能力には特に影響しないので、本当に自分の好きなキャラの親愛度を上げにいくのがおすすめとなっている。
また、親愛度を上げるとキャラクターの個別エピソードを楽しめるようになる。七彩との個別ストーリーでは、まずデートに出かけ、ちょっと失敗するけどお互い楽しむことができて良かったねという感じのお話だ。

ちなみに、お気に入りのキャラは七彩だと言ったが、もう一人紹介しておきたいキャラがいる。それは最初の敵でもある「カオスメイデン」の「フィー・ドレーゼ」だ。

…!!!!!
大変魅力的な大胸筋だと思います。本作の広告では「揺れる」という点がプッシュされていると思うが、現時点で1番揺れたのはここだった。この記事を読んでくれている皆様方も、是非実際にプレイして詳細を確かめて欲しい。
あなたの勇気が切り開く未来

この物語の主人公は「あなた」であり、ヒロイン達からは「指揮官」と呼ばれる男がいる。
自分はボイスと文章に違いが出ると没入感を削がれてしまうので「四季冠」という名前にしたが、これが苗字なのかフルネームなのかはよくわからない。ただ、フルネームだとみんながフルネームで呼んできていることになるので、やっぱり苗字だったのだろう。
そしてこの主人公、どうやらこことは違う世界か時間軸かからやってきたっぽいのだが…

言ってる!「戦術機」って言ってる!
どうやらこの主人公は、おそらく我々の知っているオルタネイティヴ世界か、それに近しい世界からやってきたような雰囲気だ。
この男、記憶喪失ということで無個性な感じかと思ったが全くそんなことはない。元の世界でも指揮官だったようだが、教官のようなポジションでもあったのか、指導をするときには鬼教官モードに入る。
鬼教官すぎて、シリウスシュガーの約半数から抹殺されそうになるほどだ。記憶喪失で頼れる相手もいない状況で、なかなかできることじゃない。

そして気になるのが、ナビキャラのピコだ。この子は主人公の記憶やらを認識して形作られる存在らしいのだが、異形の存在に食べられている頭、赤い髪、白陵大付属柊学園の制服と衛士服を合わせたような服。
主人公の記憶から作られるのがこれというのは、いったいどういうことなのか、間違いなくエクストラやオルタネイティヴと繋がっているのだろう。
いつかそのあたりの設定が明かされる時が今から楽しみだ。
Carry on my way
どうやら、エクストラやオルタネイティヴと世界観で繋がりがあるようだというのはわかった。しかし、じゃあ「マブラヴ」らしいのかというとそうでは無いという人もいるだろう。
「マブラヴ」らしさとはなんなのか。それは、武ちゃんや冥夜がそうだったように、逆境の中でも自分の信念や生き様を貫き通すストーリーだと私は思う。
それをマブガルで味わえるのか、私は十分に期待していいと感じた。もちろん私がプレイできたのは序盤も序盤までだったので、その全てを味わうことができたわけではない。
しかしポップな見た目のわりに重厚そうな世界観、主人公の記憶の謎、そしてなにより、退学寸前の落ちこぼれチームであるシリウスシュガーの面々が、指揮官である「あなた」との出会いを通じて、どのように成長し、困難に立ち向かっていくのか。その過程は、まさしくマブラヴが描いてきた人間ドラマそのものだと感じた。
このゲームの魅力は、単に懐かしさを感じさせるだけではない。新たな舞台で、新たなキャラクターたちが、我々が愛してきた「マブラヴ」の魂をどのように受け継ぎ、自分たちの物語を紡いでいくのか。その答えを、彼らの行く末を見守る中で見つけられるはずだ。
「マブラヴ」の新作として、これまでのシリーズが持つ逆境をどう描くのかはまだわからない。だが、この物語も「あいとゆうきのおとぎばなし」を描いてくれると信じている。この先も続く彼らの物語を、見届けたいと心から思った。
『マブラヴ ガールズガーデン』の概要
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[提供]:EXNOA
(編集・執筆/はやと)







