2025-08-14

【株式会社ゲームエイト】ユーザーはAIに何を思う? 生成AI活用に関する意識調査レポート(2025)を公開!

ゲーム開発に生成AIの活用が広がる中、ゲームユーザーは生成AIに対し、どのような期待や懸念を抱いているのでしょうか。このたび、ゲームユーザーを対象に、ゲーム領域における生成AI活用の意識調査を実施しました。本調査では、生成AIへの期待感や懸念、具体的な利用場面への受容度といった感情的・心理的側面に着目し、年代別の認識の違いを明らかにすることを目的としています。本レポートでは、ゲームユーザーが、現段階でどのような意識で生成AIと接しているかを見ていきましょう。

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生成AIの活用は「期待」と「懸念」が入り混じる

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ゲーム制作における生成AI活用は、ユーザーから全体的に前向きな印象を持たれており、特に若年層からの期待が高いです。しかし、その一方で「クリエイターの仕事が奪われること」や「ゲームの『魂』や『人間性』が失われること」といった懸念も同時に抱かれている。

特にストーリーやキャラクターの音声など、ゲームの「クリエイティブな核」となる部分への生成AIの直接的な介入には、ユーザーの強い抵抗感があることが明らかになっています。

ユーザーは「生成AIが使われていること自体」よりも、「どのレイヤーで使われているか」を重視していることがわかります。この期待と懸念が入り混じるゲーム制作の未来を、ユーザーの視点から紐解いていきましょう。

調査概要


調査対象 ゲームエイト利用者
調査方法 インターネット調査
(ゲームエイト上でのアンケート)
調査時期 2025年7月9日~7月23日
有効回答数 205件
ユーザーデモグラ ◼︎年齢
10代:49人
20代:57人
30代:46人
40代以上:53人
調査項目 ・ゲーム制作・運営におけるAI活用への全体的な印象
・AIがゲームに取り入れられた際の期待事項
・AIがゲームに取り入れられた際の懸念事項
・AIの特定の用途への受容度(5段階評価)
・ゲームにおけるAI利用の重要度
・AIが作ったゲーム内容と人が作ったゲーム内容の区別可否
・ゲーム制作者とAIの協力で生まれる価値への期待 ・AIが使われているかを知りたいか、また開示して欲しい情報
調査元 株式会社ゲームエイト

※本レポートの調査結果をご利用いただく際は必ず「出典:ゲームエイト調べ」と明記ください。

調査結果トピックス

生成AI活用への期待

ゲーム制作・運営における生成AI活用へのユーザーへの印象は全体的に前向きな結果となった。

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ゲーム制作・運営における生成AI活用に対し、ユーザーは総じてポジティブな印象を抱いている。全体の約66%が「やや期待している」(36.10%)または「非常に期待している」(29.76%)と回答した。特に「やや期待している」層が多く、生成AIの導入には前向きな受け止めがあることが明確である。

一方で、「どちらでもない」が18.54%、「やや懸念している」が12.2%、「非常に懸念している」が3.41%といった否定的な意見も存在が期待感が優勢であると言える。

年代別に見る生成AI活用への期待

年代別に見ると、生成AIへの期待度は20代・30代で最も高く、10代は期待しつつも懸念も抱いており、生成AIに対する印象には差異が見られる

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年代別に見ると、10代はAIへの期待が高い(約59%)一方で、「やや懸念している」(20.41%)の割合が他年代より若干高い傾向が見られた。これは、若年層がAIのクリエイティブな側面、例えばゲームの「魂」や「人間性」が失われることへの影響など、一部の要素に対しては敏感で慎重な姿勢を持つ可能性を示唆している。

20代・30代は「非常に期待している」が30%台で最も多く、新しい技術への関心が高い層であることがうかがえる。一方、40代以上の層では「やや期待している」が47.17%と最も高く、AIに対して慎重ながらもその可能性に期待する姿勢が見られる。

生成AI活用に期待している項目

生成AIの活用について「ゲームの品質向上」を最も強く期待しており、同時に「新しいゲーム体験の創出」や「ゲーム開発の効率化による新作の増加」といった多面的な価値を求めている

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AIがゲームに取り入れられることに対し、ユーザーは「ゲームの品質向上」(36.10%)に最も強い期待を寄せている。デバッグの徹底やバランス調整の最適化を通じて、より完成度の高いゲーム体験が提供されることを望む声が大きい。

次いで「新しいゲーム体験の創出」(18.54%)や「最適化されたゲーム体験」(12.20%)、「ゲーム開発の効率化による新作リリースの増加」(29.76%)も上位に挙がり、AIによる革新的な要素や供給の拡大にも期待が集中している。

年代別に見る期待している項目の差異

期待事項は年代によって重視される項目に差異が見られ、若年層は安定した品質と最適化された体験を重視する一方、30代は新しいゲーム体験の創出に強い期待を抱いている

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年代別で見ると、重視される項目に差異が見られる。10代・20代では「ゲームの品質向上」が約60%と非常に高く、若年層が安定したゲーム体験を重視する傾向がある。特に10代は「最適化されたゲーム体験」(46.94%)への期待も高い。

一方、30代は「ゲームの品質向上」(65.22%)に加え、「新しいゲーム体験の創出」(56.52%)への期待が全年代で最も高く、AIへの期待が特に高い傾向がある。40代以上では「ゲームの品質向上」(41.51%)が引き続き上位だが、全体的に期待の割合は他年代に比べて落ち着いた傾向にある。

生成AI活用に懸念している項目

AIのゲーム導入に対する懸念事項としては、「クリエイターの仕事が奪われること」「著作権・肖像権侵害」「ゲームの『魂』や『人間性』の喪失」が上位を占め、倫理的・創作的な側面にユーザーの強い不安がある

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AIのゲーム導入に対する懸念事項では、「クリエイターの仕事が奪われること」(33.17%)が最も多く挙げられている。次いで、「著作権・肖像権侵害の問題」(31.22%)、「ゲームの『魂』や『人間性』が失われること」(30.73%)が上位を占めた。

これは、AIが人間の創造性や倫理的な側面に与える影響について、ユーザーが強い懸念を抱いていることを示唆している。また、「AI生成コンテンツの品質低下」(22.93%)や「不適切なコンテンツが生成される可能性」(21.95%)も上位に入り、AIによって生み出されるコンテンツの質や安全性が不安視されていることがうかがえる。

年代別に見る懸念している項目の差異

懸念事項は年代によって傾向が異なり、10代は「ゲームの『魂』や『人間性』が失われること」を強く懸念する一方、30代・40代以上では「著作権・肖像権侵害の問題」への意識が高い

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年代別に見ると、「ゲームの『魂』や『人間性』が失われること」への懸念は10代で63.27%と突出して高く、若年層がゲーム体験における「人間らしさ」を特に重視する傾向にある。10代・20代では「クリエイターの仕事が奪われること」が約54%〜59%と高い。

一方、30代・40代以上では「著作権・肖像権侵害の問題」がそれぞれ58.70%、54.72%と最も高い懸念事項となっており、特に中年層以上で法的な問題への意識が高いことがわかる。全体的に、クリエイティブな側面へのAIの介入に対する懸念は、年代を問わず広く共有されている。

用途別生成AI活用の許容度

ゲーム制作におけるAIの活用受容度は用途によって大きく異なり、開発支援には高い支持があるものの、クリエイティブ関連の直接的な介入にはユーザーの抵抗感が強い

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ゲーム制作・運営におけるAIの活用場面に対する受容度は、その用途によって大きく異なることが明らかになった。最も受け入れられるのは「デバッグやバランス調整などの開発支援」(約84%が肯定的な回答)であり、AIが開発の裏方でゲーム品質を向上させる役割には強い支持がある。次いで「3Dモデルや地形の自動生成」(約75%)、「ユーザー生成コンテンツ(UGC)の制作支援」(約75%)も高い受容度を示し、開発効率化やユーザーの創作活動支援といった側面でAIが肯定的に捉えられている。

一方で、「ゲーム内のストーリーやシナリオの自動生成」(約48%が肯定的な回答)や「ゲーム内の音声生成」(約45%が肯定的な回答)といった、ゲームのクリエイティブな核となる部分へのAI活用に対しては、肯定的な意見が半数を下回り、否定的な意見もそれぞれ33.18%、34.63%存在し、ユーザーの抵抗感がうかがえる。また、「カスタマーサポートの自動化」(約49%が肯定的な回答)は、「どちらとも言えない」が約30%と高く、判断が分かれる傾向にある。

全体として、AIが開発支援ツールとして機能することへの期待は大きいが、ゲーム体験の「本質」に関わる部分への直接的な介入には慎重な姿勢が見られる。

生成AI活用で生まれる価値への期待

ユーザーはゲーム制作者とAIの協力に対し、「クリエイターの負担軽減と創造性向上」に最も大きな期待を寄せ、AIがゲームの量と質の双方に貢献することを望んでいる

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ゲーム制作者とAIの協力による価値として、ユーザーは「クリエイターの負担軽減と創造性の向上」(68.66%)に最も大きな期待を寄せている。AIが人間の作業を補完し、クリエイターがより本質的な創造活動に集中できることへのニーズが高い。次いで、「ゲームのアップデート頻度やコンテンツ量の増加」(49.25%)や「今までになかった斬新なアイデアや表現の創出」(36.82%)も高く評価されており、AIがゲームの量と質の双方に貢献することへの期待がうかがえる。

また、「ゲームの多様性やニッチなジャンルの発展」(23.88%)、「ユーザーも制作に参加できる機会の増加」(21.89%)も一定の支持を得ており、AIがゲーム業界に新たな可能性をもたらすと捉えられている。

情報開示へのニーズ

ユーザーの過半数(約67%)がゲームにおけるAI活用の情報開示を求めており、特に「AIが使用されている具体的な領域」についての透明性を重視している

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ユーザーの過半数(約67%)が、プレイしている、またはこれからプレイしたいゲームにAIが使われているかを知りたいと回答した。具体的には、「ある程度知りたい」(40.49%)が最も多く、「非常に知りたい」(26.83%)がそれに続く。これは、ゲームにおけるAI活用の透明性に対するユーザーのニーズが非常に高いことを示している。

ゲームにAIが使われている場合、ユーザーが運営に最も開示を求める情報は「AIが使用されている具体的な領域」(56.10%)だ。次いで、「AIが使用されていることの一般的な声明」(50.73%)も半数以上のユーザーが求めており、AI利用の有無に関する基本的な情報開示が重要視されていることがわかる。

レポートについて

ユーザー調査のフルバージョンは以下のリンクから

本調査レポートのフルバージョンは以下のリンクにて公開中。

https://drive.google.com/file/d/1pNRpbS3uy0trqCnLjwsODragg8qdWvXF/view

また、本レポートの共同企画パートナーであるスパイスマートが提供する『LIVEOPSIS(ライブオプシス)』では『日中米のゲーム業界における生成AI導入実態調査』を会員向けに配信中。導入実態に基づいた各国の傾向やスタンスを比較分析している。

共同企画パートナー

株式会社スパイスマート

【会社概要】 名称  :株式会社スパイスマート 所在地 :東京都渋谷区広尾1-11-2 BLOCKS EBISU 909 代表者 :久保真澄 事業内容:  1)日本、東アジアを中心としたモバイルゲーム運用リサーチ事  2)日本、東アジアを中心としたモバイルゲーム運用コンサルティング事業  3)日本のIPホルダーとのコラボ企画・交渉・監修業務など一連の業務を担うゲームコラボ仲介事業 設立  :2015年7月 サイト :http://corp.spicemart.jp/

株式会社ゲームエイトについて

名称  :株式会社ゲームエイト 所在地 :東京都渋谷区東1-32-12渋谷プロパティタワー7F 代表者 :沢村俊介 事業内容:ゲームに関連するインターネットサービスの提供 設立  :2014年8月1日 サイト :https://game8.co.jp/

「ゲームをもっと楽しくする、ゲームを通じて楽しいを共有する」という理念の元、2014年に創業。ゲーム総合情報サイトとして国内トップクラスの月間最大5億PV、4,200万UUの実績を持ち、ゲーム総合情報サイト以外にもインフルエンサーを活用したIP事業、グループ会社を通じたエンタメ向け総合決済サービス事業の他、デジタルを通じてゲーム業界を活性化するための諸事業を展開しています。

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