
【開発者インタビュー】ストーリーを体験できる「人狼ゲーム」を目指したアプリ開発|人狼LIAR
2014年頃から人気を博したパーティゲーム『人狼』は会話によって情報を引き出し、村に潜んだ怪物を探り当てるという正体隠匿系のトークゲーム。これまで数多くのデジタルゲームがリリースされており、また派生作品も多い。今回はそんな人狼ゲームの一つ『人狼LIAR』の開発者の方に、本作についてのインタビューを行った。
取材させていただいた方
▲『LYCAOON』代表の浅香典明氏
手軽にファンタジックな世界観を味わえるアプリを目指して始めた開発
--本日はよろしくお願いします。まずは最初に、浅香さまの方から簡単に自己紹介をお願いできるでしょうか?
浅香:
よろしくお願いします。もともとはアニメーション業界で働いていたんですが、そこを退職後は何社か転々としながらIT系のウェブ制作の仕事なんかをしていたりしました。少し前に、知り合いのプログラマーの方から「一緒にアプリ作りませんか?」ということでお話を頂いて、そこから人狼LIARの制作を行っています。
--ゲームアプリの開発を始められたのは結構最近なんですね。そこから人狼LIARの開発まではどのような経緯があったのでしょう?
浅香:
月に一回、プログラマーとかエンジニアの人達が集まる交流会みたいなものがありまして、そこでぽろっと人狼の話が出て遊んでみたのがきっかけでした。その場はオフラインだったのでカードを配って役を決めていたんですが、「これをアプリにしたら面白いな」って。
--人狼系のアプリだと、役を決めるだけの補助的なものから、「人狼」っていうゲームをベースにして作った全く別のものまで、スマホのアプリやPC、コンシューマ問わず様々なものがありますよね。
浅香:
役を決めてくれるものだと「人狼ジャッジメント」とかですよね。そうしたアプリも一通りチェックしました。私は結婚して小学生くらいの子供がいるんですが、子供祭りという小学生の文化祭のようなイベントに行ったとき、そこでヨーヨー釣りとか射的とか金魚すくいみたいなオーソドックスなものに混じって、人狼を遊ぶコーナーみたいなものがあったんです。ただやっぱりルールの説明とかに結構時間が必要なんですよね。遊びの本体がなかなか始められないんです。
--その点、アプリがあればゲーム本体の面白さみたいなものに集中できますよね。
浅香:
人狼ってTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)みたいな会話式の遊びに近いところもありつつ、人狼VS市民で誰が人狼なのかを当てるっていうすごく明快なルールがあるので、TRPGとかに比べて手軽に、かつやり方次第でファンタジックな世界も味わえるんじゃないか、というふうには思ってます。そういうところが、人狼っていうものを題材にアプリの制作を始めた一つのきっかけでもあります。
「リプレイ」のようなストーリーのあるゲーム体験
--人狼LIARのアプリについてですが、まだβ版で未完成であるとは思うのですが、これが目指しているゲーム体験っていうのはどのようなものなのでしょうか?
浅香:
人狼の中にシナリオというかストーリーみたいなものを当てはめて、アドベンチャーゲームみたいな枠組みで物語を体験してもらうっていう形を目指しています。人狼でいうと、プレイしたセッションをYouTubeなんかでリプレイ動画としてアップされてる方がいるじゃないですか。あれは一回プレイされたものを物語として読むっていうものですけれど、そんな風に人狼ゲーム自体にシナリオというかストーリーみたいなものを当てはめていくものです。
--ゲーム内に「ストーリー」のモードもありましたよね。現行のβ版だと、まだボタンを押しても公式サイトに飛んで一部のシナリオが見れるだけという状態ですが、これが今後、いまおっしゃったようなアドベンチャーゲーム風のものになっていくというイメージでしょうか?
浅香:
そんな形を目指しています。ただいまちょっと開発が遅れていまして、遅くても1月頃にはそういう形にしたいとは思っているんですが、もしかするとそこの機能を分割して別アプリとして出すという可能性もあります。
--他の人狼系ゲームと比べたときの強みはどのようなポイントになるでしょうか?これまでのお話では、人狼LIARというアプリではシナリオ制作や物語表現といった点に力を入れているのかなと感じるのですが。
浅香:
そうですね、基本の人狼ゲームにはストーリーというものがあるわけではなくて、そこが人狼LIARの差別化のポイントになるのかと思っています。
例えばTRPG的に言うと、ドラゴンクエストっていうのは堀井雄二さんをゲームマスターとしてプレイしたセッションのリプレイみたいなものだと思うんですよね。人狼LIARも人狼ゲームのリプレイみたいな形で「こういう面白いチャットが展開しましたよ」っていう訴求が人狼ゲーム好きの人たちにできればいいのかなと思っています。もちろんそれにはシナリオが面白くなければいけないので、人狼ゲームにちょっと興味があるけど詳しくは知らないっていうような人たちに向けても、わかりやすくまとめていきたいですね。
あとは「一人のプレイヤーが複数人のキャラクターを操作できる」みたいなところも通常の人狼ゲームと違う点かと思います。人狼って実施するとなるとやっぱり沢山の参加者が必要なゲームだと思うのですが、こうすることで少人数でも人狼を楽しんでいただけると思います。
人外の怪物が蠢く緊張感のある世界観を生み出したい
--世界観的なところでもう少しお聞きします。公式サイトではゲームに限らないエンタメコンテンツ群として展開させたい、といったことが書かれていましたが、このあたりお話いただけるでしょうか?
浅香:
あんまり大風呂敷を広げすぎるとちょっと引かれてしまいそうなんですが(笑)、やっぱりハリーポッターとかスターウォーズとか、大きな世界観を持っていますよね。そういう風に世界を広げていきたいっていう野望をもってはいます。鬼滅の刃なんかもそうでしたが、人間と人間ではない怪物が一緒にいる世界で、その怪物は人間の皮を被ってうまく人間社会に溶け込んでいる。もしかすると自分の隣には人狼がいるんじゃないか、みたいな緊張感のある世界です。
--公式サイトではシナリオの絵コンテみたいなものも公開されていますよね。プラハの窓外投擲事件みたいな史実のエピソードもあって、「こんなニッチなエピソードを!」と驚きました。ストーリーの題材とされているのは、概ね史実のフス戦争から30年戦争あたりまでの時代かと思いますが、このあたりを題材に選んだことには、こだわりなどがあったのでしょうか?
浅香:
人狼LIARの中に繋がっていったものでいうと、有名なガリレオのエピソードが大きかったですね。ガリレオさんの時代って、宗教戦争とか異端論争とかそういうものが激しかった時代で、宗教裁判の中でガリレオがカトリック教会の説く天動説を否定して地動説を唱えたら、それはもう異端だ!みたいなことを言われたりしていました。このあたりの歴史を人狼っていうゲームにうまく取り込めるかなっていうのを自分で発展させていって、人狼LIARのベースになるストーリーとして組み立てていきました。
ただやっぱり宗教戦争があったりとかの血なまぐさい歴史ということで、人の死ばかりにクローズアップしても、作り手側はともかく遊んでいただくお客さんの側はたまらないだろうなとも思っています。なのでそのあたりのバランスはうまく取りたいですね。ファーストガンダムなんかでも、1話でいきなりガールフレンドのフラウのお母さんが死んでしまって……みたいな悲惨なところから始まって、その後もどんどん人が亡くなっていくんですけど、作品としてはすごく人気がありますよね。それはやっぱりバトルシーンの爽快感であったり、見せ方が上手かったからだろうと思います。そうしたヒット作の面白さの秘密みたいなものは日頃から研究して、人狼LIARにも反映させていきたいですね。
--最後にユーザーの方々に向けて一言いただけますか?
浅香:
ありきたりの言葉ではあるんですけれど、仕事とか学校とかでいろいろ大変な人たちにも、このゲームを遊んで気分転換してもらって、生活を充実させる一助になれればなと考えています。人狼ゲームファンの方たちにも褒めていただけるような面白いアプリを作っていきたいですね。ぜひ完成をお待ちいただいて、遊んでいただければと思います。よろしくお願いします!
人狼LIARについて

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