A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Editionの評価レビュー記事です。はじまるA列車は圧倒的なボリュームや経営の奥深さ、可愛いキャラは魅力的ですが、不親切なUIと操作性が大きな壁と感じました。人を選びますが、刺さる人には代わりのきかない良質な都市開発ゲームと言えるでしょう。
※本ページは一部アフィリエイトリンクを含んでおります
| 総合スコア | |
|---|---|
| 80/100 | |
| ゲームシステム | 18 |
| 遊びやすさ | 11 |
| グラフィック | 14 |
| サウンド | 17 |
| ボリューム・コスパ | 20 |
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| ゲームシステム | ただ単純に線路を敷いて駅を作ればいいのではなく、複数の電車や観光客の動きなどを計算して敷設する必要があるのでリアル。シナリオごとに違った戦略で利益を追求することになる。実際に鉄道会社の社長になったような気分を味わうことができシステム自体は面白い |
| 遊びやすさ | チュートリアルは親切、ヘルプの解説も細かいが読んでも触れられていない機能があったり(営業路線を決める際のYボタンなど)、UIがところどころ不親切で操作性も難あり。機能が多すぎるゆえに複雑で、快適に遊べるとは言い難い |
| グラフィック | Switch2エディションで向上したが劇的というほどではない。日向悠二氏によるキャラクターイラストは表情豊かで愛嬌たっぷり |
| サウンド | 種類が豊富でたびたび変化するためプレイヤーを飽きさせない。シム系ゲームの割にこだわりを感じる |
| ボリューム・コスパ | シナリオはデフォルト+Switch2の追加分だけでも19本。それぞれ異なる街が舞台になっており、プレイヤーの行動や難易度にもよるが1本のクリアに数時間〜十数時間を要する。自分で新たにシナリオを作ることや、他のプレイヤーが作ったシナリオをダウンロードして遊ぶことも可能。実質無限に遊ぶことができるのでボリューム・コスパの面では全く文句なしの満点評価 |
※各20点満点で評価
『A列車で行こう はじまる観光計画』の評価は 100点満点中80点です。
|
・圧倒的なボリュームと自由度の高いクリエイト要素
・リアルな経営と達成感を味わえる奥深いゲーム性 ・魅力的なキャラクターとBGMへのこだわり |
|
・改善の余地が大きいUIと操作性
・初心者にはハードルが高いシステムと難易度 ・プレイのテンポを損なう視認性とロード時間 |

『A列車で行こう はじまる観光計画』のSwitch2版は、Switch1版を持っている人ならアップグレードパスの購入がおすすめ。グラフィック向上と新要素で差額分の価値は十分にあります。
初めて遊ぶ方は、じっくり時間をかけて鉄道経営を楽しめるかで判断するとよいでしょう。本格的な経営シミュレーションが好きなら買いですが、サクサク進むゲームが好きな方や気軽に遊びたい方には向いていません。

Switch版『A列車で行こう はじまる観光計画』は、アートディンクが開発した都市構築型の経営シミュレーションゲームの人気シリーズ「A列車で行こう」の最新作です(2021年3月発売)。今作のテーマは「観光」で、列車を中心にあらゆる観光ルートを繋ぎ、多くの人で賑わう観光都市を目指していきます。住民たちの日常を支え、会社と街を成長させる鉄道会社の基本事業を擬似的に体験して楽しめるゲームとなっています。
2025年12月18日に発売されたNintendo Switch 2 Editionは、旧作をベースにグラフィックの向上やマウス操作対応、オートセーブ搭載、シナリオの追加などがされたアップグレード版となっています。通常よりも多くの鉄道車両や自動車、車両の設計図が使える「Nintendo Switch2モード」も遊べるので、旧作を遊び尽くしたプレイヤーでも値段の差額分は十分楽しめる内容です。

『A列車で行こう はじまる観光計画』は、値段に対する圧倒的なボリュームによるコスパの高さがかなりいいと感じました。デフォルト+Switch2の追加分のシナリオ19本を遊ぶだけでも、少なく見積もっても100時間以上は楽しめるだけでなく、「コンストラクション」モードのシナリオ作成や共有機能により遊びの幅は無限大です。
本編では会社の予算を気にしながら線路などを調整する必要がありますが、「コンストラクション」モードでは10兆円という莫大な資金で予算を気にせず理想の街づくりに没頭できます。ベースのマップは「自動生成」で10秒ほど待てば作ってくれますし、地形の「個別編集」で草原や砂浜等の種類まで細かくこだわって配置・編集可能な点は素晴らしいです。
| 調整可能な要素 | ゲームへの影響 |
|---|---|
| 列車の購入・配置 | 設計図を持っている列車、および車両使用権を取得済みの列車のみ購入できるので、まず列車や地下鉄の新規開発が必要。購入の際は編成長、まとめ買い(数%割引)を決められる。配置の際は進行方向を設定可能 |
| 列車の運行計画 | 各駅の発車時刻と停車時間、駅からの発車条件、分岐での進行方向、折り返し地点、列車の営業曜日と時間帯、回送時間を設定できる |
| 線路の敷設・撤去 | 線路の開始・終了位置を指定可能。敷設した線路を撤去することもできるが、敷設の際に撤去した建物や地形は戻らない |
| 駅の建設 | 地上駅、橋上駅、高架駅、駅ビル、貨物駅、その他(車庫など)を建設できる。それぞれ複数のデザインから選択可能 |
列車関連の主な調整可能要素は列車の購入・配置、列車の運行計画、線路の敷設・撤去、駅の建設です。それぞれ細部までこだわってカスタマイズを楽しめるので、鉄道好きの方は特に魅力を感じられるでしょう。
他にも電車・線路だけでなくバスやトラックの購入、道路の敷設と撤去、停留所の建設、土地造成なども可能です。

『A列車で行こう はじまる観光計画』は、子供の頃に部屋で遊んだプラレールを想起させるようなワクワク感がありつつも、内容は非常に本格的な経営シミュレーションです。線路や駅を作りたい場所に施設等がある場合は費用が増加するなど現実的な制約の中で、予算を意識しながら地道にコツコツ開発を進めていくことに面白さと達成感を感じました。
また、損益計算書や用地売買についてなど、実際の都市開発や企業経営に明るくなくても、キャラクターがわかりやすく教えてくれて勉強にもなります。

日向悠二氏がデザインしたキャラクターたちは男性も女性も表情豊かで愛嬌があり、親しみが湧きやすいです。経営や開発という硬派なテーマでありながら、可愛いキャラクターたちが分かりやすくガイドしてくれるため、難しい説明も楽しみながら理解することができます。
また、この手のゲームには珍しくBGMへのこだわりを感じます。たびたびBGMが変化し、さらに特定の日にはまた特別なBGMが流れて雰囲気を演出してくれます。たとえば5月5日には「こいのぼり」の童謡と思われるBGMが流れるようになっていました。

『A列車で行こう はじまる観光計画』の最も大きな課題として、UIと操作性に難ありで快適に遊びにくい点が挙げられます。特に、路線の敷設時にいったんメニューに戻らないと「一つ戻る」ができない点が気になりました。
また、営業路線を決める際に進むのが下方向でも「↑」が表示されるため直感的でなくわかりにくい、ボタンを押すまで確定されない場合と変更して即座に反映される場合が混ざっているなど、ゲームに集中しづらい部分が多々ありました。
操作がもっと分かりやすく、かつ反映タイミングが統一されると、ゲーム本来の「自分だけの路線づくり」により集中できると思います。

本格的な経営シミュレーションで各機能が豊富である反面、システムが複雑で覚えることが多く、初心者にとっては敷居が高く感じられます。また、本作のメインとなる線路敷設においては、少しのミスがあるとすぐ列車同士が緊急停止してしまうので、テンポが悪いと感じてしまいました。
「このままの設定だと列車同士が衝突してしまいます!」といったような予測アドバイスが出る仕様にしてくれたら、さらに敷設に集中できたはずと思いました。

クォータービューの場合、カメラの回転が45度刻みに制限されているため、地形や建物の配置によっては微調整や確認がしづらい場面があります。システム設計上の都合なのか、それともパースビューとの差別化のためあえてそうしているのかもしれませんが、クォータービューの場合も自由にカメラを動かせるともっと良かったです。
加えて、ゲーム開始時のロードやセーブにかかる時間がSwitch2版でもまだ長い点が気になりました。マップが広く、機能も多いゆえかもしれませんが、次回作ではさらなる改善が期待されます。
|
グラフィックと処理スピードの向上 列車や車の設置上限数が増え、設計図も多く使える 新しいシナリオが2つ追加 マウス操作対応とオートセーブ搭載
|
| Switch1版の榎守駅周辺 | Switch2版の榎守駅周辺 |
|---|---|
拡大 |
拡大 |
Switch2エディションではグラフィックが大幅に向上したとのことで、上の画像だと手前の看板の文字も読めるので確実にキレイにはなっています。ただし、体感としては正直なところ見違えるほど向上したというわけではありません。
また、処理スピードも向上し、列車を過剰にたくさん置くわけではなく普通に遊ぶ程度であれば以前よりもサクサク遊べるようになっています。ただし、先述のゲーム起動時のロード時間などまだ遅いままの部分もあります。
| 鉄道車両数 | 160編成 |
|---|---|
| 自動車数 | 160台 |
| 設計図数 | 旅客列車:30枚 貨物列車:18枚 トラック:12枚 |
Switch2版からは鉄道車両を160本まで、自動車は160台まで配置、設計図を旅客列車は30枚、貨物列車は18枚、トラックは12枚まで使えるようになりました。単純に上限数が増えたので、ゲームを今まで以上に自由に遊ぶことが可能です。
Switch2エディションでは、新たに「AIの見る夢」「ヘビに睨まれた街」の2つのシナリオが追加されました。

「AIの見る夢」は2020年設定の物語で、街の調和を支えるAI・通称「M.A.C.H.I(マチ)」が考える都市発展計画の交通・インフラ面での手伝いをします。90年代以前のシナリオが多い本作ですがこちらは現代らしさを感じるシナリオで、社員のキャラたちがAIの提案するプランにタジタジになっている様子が面白かったです。

「ヘビに睨まれた街」は2013年設定(巳年)の物語で、ヘビ神さまのタタリが噂されるようになった街を過疎化の危機から救うシナリオです。我が社の電車が通る場所で、かつ社員たちにとって子どもの頃の思い出の場所でもある「ちまき動物園」のくだりは共感する部分も多く、こちらも面白いストーリーになっています。

Switch2版からはマウス操作もできるようになりました。個人的には普通に操作するほうが合うと感じましたが、ゲーム性とマウス操作の相性が良いため、人によってはマウス操作のほうが遊びやすいかもしれません。
また、オートセーブが搭載されたのでもしうっかりセーブし忘れても軽傷で済むようになりました。設定で5分・10分・20分から間隔も決められます。
| カテゴリ | 調査結果 | 備考 |
|---|---|---|
| 起動時のロード時間 | 約16秒 | ステージ変更時のみ5秒ほど |
| セーブデータ読み込み時のロード時間 | 約15秒 | 列車編成数・マップの規模によって変動 |
| セーブにかかる時間 | 約5秒 | 列車編成数・マップの規模によって変動 |
| 動作・カクつき | 基本的にはスムーズ | 列車編成数・マップの規模によって変動 |
本作のロードは、ゲーム起動からタイトル画面までが約16秒、セーブデータのロードに約15秒、セーブには約5秒かかりました。頻繁にセーブ・ロードを繰り返すプレイスタイルだとやや気になる長さです。
通常のプレイ中の動作・カクつき具合はマップによっても変化しますが、普通に遊んでいる分(列車は20編成程度まで)にはスムーズでSwitch1よりも改善を実感できました。ただし、極端に編成数を増やしていくと(100編成近く)動作が少し重くなります。
| 似ているゲーム | 本作との違い |
|---|---|
| シティーズスカイライン | プレイヤーは市長となって道路を引き、列車だけでなく、居住地設定や道路建設などもできる。自由度はA列車よりも高い |
| トロピコ | カリブ海の島国「トロピコ」の独裁者「プレジデンテ」となり、公益や政治など”国そのもの”の経営を体験できる |
| シムトランス | 有志開発の無料ゲーム。旅客・貨物輸送、郵便、電力輸送などがあり、日本の車両や風景で遊べる。グラフィックはドット絵でUIも癖が強いが、ゲーム性はA列車に最も近い |
『A列車で行こう はじまる観光計画』はざっくりまとめると鉄道特化の経営シミュレーション。そのため、鉄道好きやダイヤ編成や路線設計にこだわりたい方には本作が最適です。
一方、幅広い都市開発を楽しみたいならシティーズスカイライン、政治要素も含めた国家経営を体験したいならトロピコシリーズ、お金をかけずに楽しみたい方はシムトランスのほうが向いています。
| 機種 | Switch2 |
|---|---|
| 検証状況 | 主要モードなどは一通り体験済 |
| タイトル | A列車で行こう はじまる観光計画 Nintendo Switch 2 Edition |
|---|---|
| 発売日 | 2025年12月18日 |
| 価格 | 【Switch2版】 パッケージ版:10,406円(ガイドブック付) ダウンロード版:9,878円 【Switch版】 ダウンロード、パッケージ共に:7,678円 アップグレードパス:2,200円 |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2 |
| ジャンル | 経営シミュレーション |
| プレイ人数 | 1人 |
| メーカー | アートディンク |
| 年齢制限 | CERO A(全年齢対象) |
| 公式サイト | アートディンク公式サイト |
ソフトおすすめランキング |
ローンチソフト一覧 |
ソフトの予想一覧 |
Switch2 Editionソフト一覧 |
アップグレードパス |
- |
オクトラ0(94点) |
カービィのエアライダー(93点) |
ドンキーコング バナンザ(92点) |
龍が如く0(92点) |
イナズマイレブン(92点) |
マリカワールド(91点) |
マモンキング(90点) |
P5R(89点) |
牧場物語 風のグラバザ(88点) |
BALL x PIT(88点) |
ディンカム(88点) |
空の軌跡 the 1st(88点) |
ファンタジーライフi(87点) |
マイクラ(87点) |
ポケモンZA(86点) |
ルンファク龍の国(86点) |
ゼルダ無双 封印戦記(85点) |
アクアリウムは踊らない(85点) |
BDFF HD(84点) |
FFタクティクス(83点) |
カービィ スターリーワールド(82点) |
ぷよテト2S(82点) |
シャインポスト(82点) |
ヴァンサバ(82点) |
RAIDOU(81点) |
ドラクエ1&2 HD(81点) |
紅白レスレリ(80点) |
A列車で行こう(80点) |
Slay the Spire(80点) |
たまごっち(79点) |
鬼滅の刃 ヒノカミ2(79点) |
桃鉄2(76点) |
イースX(75点) |
トワと神樹の祈り子たち(72点) |
すみっコぐらし(72点) |
Drag x Drive(70点) |
塊魂(70点) |
ZOMBIE防災訓練(70点) |
ファンタジーアクアリウム(70点) |
奇天烈相談(68点) |
リトルナイトメア3(66点) |
サバイバルキッズ(65点) |
Switch2のひみつ展(64点) |
メトロイドプライム4 ビヨンド(61点) |
スイカゲーム ぷらねっと(58点) |
みんゴル WORLD(40点) |
激奏バンスタ(38点) |
『A列車で行こう はじまる観光計画』Switch2版評価レビュー。人によっては刺さる良質な都市開発ゲーム
©nintendo
当サイトのコンテンツ内で使用しているゲーム画像の著作権その他の知的財産権は、当該ゲームの提供元に帰属しています。
当サイトはGame8編集部が独自に作成したコンテンツを提供しております。
当サイトが掲載しているデータ、画像等の無断使用・無断転載は固くお断りしております。