「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2025」とは?
「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2025」とは、2025年6月21日(土)・22日(日)の2日間に渡って開催された、ポケモンのゲーム部門・カードゲーム部門・『ポケモンGO』部門・『ポケモンユナイト』部門の4部門で、日本一を決める大会だ。
会場では各部門の対戦の様子を見ることができるメインステージをはじめ、グッズ物販や記念写真を撮影することができるブースなどがある。この記事では、1日目の本イベントの会場の様子や各部門の印象的なシーンを中心にお届けしていこう。
会場に入ると出迎えてくれるポケモン達!
入場するとすぐ目に飛び込んでくるのが、ミュウツーとピカチュウを中心にドラゴンタイプのポケモン達が周りを囲む圧巻のビジュアルだ。また、会場の要所要所では記念撮影を楽しめる撮影スポットがあり、来場者は思い思いの記念写真を収めている様子もみられた。
▶ポケモンカードのイーブイexと進化後のポケモン達が勢揃い!!
▶「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」のパッケージを飾った「コライドン」と「ミライドン」の姿も!
熱気溢れるメインステージでの対戦に目が離せない!
そして、なんといっても目を引くのは各部門の対戦の様子を目の前で見ることができるメインステージだ。オープニングのタイミングでは花火による演出も相まって会場にいる選手たちの熱気を感じられた。また選手たちが目の前で対戦に集中する姿を観覧することができ、勝負を決めるような一手や驚くようなプレイが出た時は特に歓声が響き渡った。
ゲーム部門
静と動が織りなすドラマ!「PJCS2025」ゲーム部門、盤上を彩る読みとめぐり合わせの妙
「PJCS2025」ゲーム部門は、『ポケットモンスタースカーレット・バイオレット』において、一部の特別なポケモンを2体まで選出できる「レギュレーションI」をルールに激戦が繰り広げられた。
今大会は、今作の象徴とも言えるコライドンVSミライドンの激突が見られたDay2ジュニア部門の決勝戦をはじめ、数々のドラマが生まれた対戦ばかりだった。本稿では、筆者が会場で観覧したDay1の様子を中心に、この激闘の模様をお届けする。
栄冠掴む!優勝者キヌガワ選手、その始まりはDay1の5連勝!
▶決勝戦はポケモンワールドチャンピオンシップス2023年王者(マスター部門)のキムラ ショウヘイ選手との頂上決戦!深い読み合いの応酬から目が離せなかった。
「PJCS2025」ゲーム部門を制したのはキヌガワ ユウマ選手だ。取材班が訪れたDay1からすでに5連勝という圧巻の強さを見せ、その後の優勝を予感させる戦いを披露した。
Day1の試合の中で特に筆者の印象に残っているのは、WINNERS5回戦の1本目で見せたドーブルの活躍だ。特性「ムラっけ」によって素早さを4段階上昇させ、「デコレーション」「このゆびとまれ」といったドーブルならではの多彩な技で、的確に味方をサポートした。
▶「あまりにも速すぎる!」と、実況も大盛り上がり
実況の田口 尚平さんの「相棒から飾られたアストラルビットがポケモンを貫いていく!!」という声が響き、「デコレーション」によって火力を引き上げられたバドレックス(こくばじょうのすがた)が爆発的な威力を発揮。相手ポケモンを次々と倒していく光景はまさに圧巻の一言で、筆者は大興奮だった。
意外なポケモンが活躍!?驚きの選出と鮮やかなプレイングに大きな拍手が!
▶選出画面から既に存在感を放つハギギシリ
筆者がポケモンの公式大会を見る上で、どうしても楽しみにせずにはいられないのは、やはり意外なポケモンの活躍だ。ポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)2014で活躍したパチリス、そして2022で活躍したグソクムシャなど、過去にも数々の意外なポケモンの登場にワクワクされっぱなしだった。
そして「PJCS2025」のDay1、WINNERS4回戦でなんとハギギシリが選出されたのだ。「ハギギシリ!?」と驚き駆けつける観客や、配信コメントの大盛り上がりがその衝撃を物語る。
▶バドレックスが炎テラスタルに!?そしてハギギシリがじゃくてんほけん発動のトリガーに!
炎テラスタルのバドレックス(こくばじょうのすがた)に驚いていると、なんとハギギシリが味方へ「クイックターン」を放ち、「じゃくてんほけん」のトリガーとなった。そしてそのまま「クイックターン」の効果でイエッサン(メスのすがた)へ華麗に交代だ。「強い人達を相手取る中で、一捻りを加えないと勝てない」──そんなヤスカワ チハル選手の想いが詰まったチームには、会場から大きな称賛の拍手が送られた。
ゲーム部門1日目の動画はこちら!
ゲーム部門2日目の動画はこちら!
『ポケモンユナイト』部門
『ポケモンユナイト』部門は、4月~6月にかけて行われたオンライン予選を勝ち抜いた上位8チームが登壇。試合形式はダブルエリミネーション方式(敗者復活戦ありの2敗するまで勝ち残れる方式)で、2日間かけて全試合が配信された。
激戦が繰り広げられる中、見事優勝したのは名門「REJECT」だ。悲願となる初優勝なだけでなく、これまで幾度となく激戦を繰り広げ、その度にあと一歩が届かなかった名門「ZETA DIVISION」を、アッパー側での3-1と完璧なゲーム内容で下して見せたという所で、喜びもひとしおだろう。
因縁の相手であるZETAを国内で下しての優勝なので、次に控える「WCS2025」に向けた良いはずみとなったに違いない。また、ZETAとQT DIG∞も同様にWCSの出場権を得ているので、本大会での敗戦をバネとした世界での躍進に注目だ。
▲1回戦から8点差という超接戦の熱い戦いが繰り広げられた。会場からも「1回戦から熱すぎる!」と、興奮冷めやらぬ声が方々から聞こえてきた程。
▲レックウザへの攻撃をピタっと止めるSCARZの十八番。鮮やかな連携に、会場からも歓声と拍手が巻き起こった。
▲6月12日に参戦したばかりのマホイップを早速起用するEF36。ただの奇抜な戦術に留まらない、素晴らしいゲームメイクが光る試合でもあった。
▲Tamerin選手が操作するオーロットによる、優勝を決めた一手。勝敗を決定づけるターニングポイントでの圧巻のプレイに、会場からも大歓声が巻き起こった。
激闘を勝ち抜いてきた8チームの試合はどれも見応えのある激戦ばかりなので、ぜひ下記に掲載する試合動画も一緒に見て、その熱を体感してもらえればと思う。
また「REJECT」「ZETA」「QT DIG∞」の3チームが出場を決めた「WCS2025」は8月15日に開幕となる。本記事と大会動画で興味を持ったら、リアルタイムでの観戦を是非ともおすすめしたい。試合を通して伝わってくる熱も、より一層深く感じる事が出来るぞ。
『ポケモンユナイト』部門1日目の動画はこちら!
『ポケモンユナイト』部門2日目の動画はこちら!
ポケモンカードゲーム部門
真剣勝負の中にも対戦を楽しむ姿が垣間見える決勝戦に!
大会初日は予選が行われ、厳しい戦いを勝ち抜いたトッププレイヤーたちが2日目の決勝トーナメントへと駒を進めた。そして注目の決勝戦に勝ち上がったのは「フカセ カブ」選手と「ホンダ ナオヤ」選手だ。
「フカセ カブ」選手の使用するデッキは「タケルライコex」と「オーガポンみどりのめんex」を組み合わせた爆発力のあるデッキ。対して「ホンダ ナオヤ」選手の使用するデッキは「マリィのオーロンゲex」を軸に「マシマシラ」と「ユキメノコ」の特性を活かし、ダメカンを巧みに操るデッキ。両者、今大会でも使用率の高かったであろうデッキタイプでの勝負となった。
波乱の展開、勝負を分けた「ジャッジマン」!
優勝を決める決勝戦は、3戦行い先に2勝した方が勝利するという形式で進む。
まず、第1戦は両者一歩も譲らない激闘の末「ホンダ ナオヤ」選手が勝利を収め、幸先の良いスタートを切った。しかし、続く第2戦はまさかの展開だ。「フカセ カブ」選手が後攻1ターン目にして勝利を収めるという、多くの観客が息をのむ展開となった。これにより、勝負の行方は1対1。最終となる第3戦にもつれ込んだ。
そして迎えた運命の第3戦。この試合の決め手となったのはサポートカードの「ジャッジマン」だ。このカードを効果的なタイミングで使った「フカセ カブ」選手が試合を優位に進め、そのまま優勝を飾る結果となった。特筆すべきは、「フカセ カブ」選手の冷静さだ。強力なサポートカードである「ボスの指令」を使用して勝利を急いでしまうような場面でも、盤石に優位な状況をキープしながら着実に勝利への道を作るその落ち着いたプレイスタイルは、多くの観客に驚きと感動を与えたぞ。
マスターリーグ部門は全勝優勝の快挙!冷静沈着なプレイで頂点へ!
さらに驚くべきは、「フカセ カブ」選手が今大会、初日の予選から一度も負けることなく優勝を成し遂げた全勝優勝という快挙を達成したことだ。
「フカセ カブ」選手はまだ若いプレイヤーだが、過去にはポケモンカードの世界大会に出場し入賞経験もある実力者であり、その経験と実力が今回のPJCS2025での完璧な優勝に繋がったと言えるだろう。今回のPJCS2025は、選手たちの熱い戦いはもちろんのこと、真剣勝負の中にも対戦を楽しむ姿が垣間見え、その中でも冷静なプレイスタイルが織りなす感動的なドラマが生まれた大会だった。来年の大会も、どのようなドラマが生まれるのか、今から楽しみだ。
カードゲーム部門1日目の動画はこちら!
カードゲーム部門2日目の動画はこちら!
『ポケモン GO』部門
読み合いと戦略が光る熱戦!
決勝の舞台には「キシタ ケント」選手 「タナカ タクミ」選手が駒を進めた。『ポケモンGO』部門では、選手たちの高度な読み合いと戦略が勝敗を分ける重要な要素となる。試合開始前の60秒でお互いのポケモンを確認し、続く90秒で3匹のポケモンを選出する。この選出が、その後の戦況を大きく左右する。特に1匹目のポケモン選びは重要で今回の大戦では「ユレイドル」を選出するかどうかが、勝敗の鍵を握ると予想されていた。
注目の第1戦では、「キシタ ケント」選手が「ガラガラ」を、対する「タナカ タクミ」選手は「ユレイドル」を1番手に選出した。この選出は相性面で「タナカ タクミ」選手に軍配が上がり、有利な状況で試合を進めることになった。そして「ハッサム」の強力な攻撃が優位な状況を作り出し「タナカ タクミ」選手が見事に勝利を収めた。
勝負を決めたのはオコリザルの怒涛の攻撃!
続く第2戦は、「キシタ ケント」選手が「デカヌチャン」を、そして「タナカ タクミ」選手は「ハッサム」を選出し、再び両者の読み合いが始まった。この試合では、「タナカ タクミ」選手がシールドを温存しながら戦いを進めるという、冷静かつ巧みなプレイングを見せた。
そして試合終盤では「オコリザル」が繰り出す強力な「インファイト」による怒涛の攻撃を決め見事勝利!「タナカ タクミ」選手が2連勝で勝負を決めたぞ。『ポケモン GO』部門の決勝戦は、まさに読み合いと戦略が光る手に汗握る展開だった。互いの手の内を探り、先を見据えたポケモン選出とシールドの温存、そしてここぞという時のスペシャルアタック。両選手が見せた冷静な判断と的確なプレイングは観客を大いに魅了し、対戦の奥深さと醍醐味が凝縮された、素晴らしい決勝戦だったと言えるだろう。
『ポケモン GO』部門の動画はこちら!
熱狂の2日間が閉幕!次なる舞台は世界へ!
ここまで「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2025」の会場の様子と各部門の印象的なシーンを中心にお届けしてきた。
2日間に渡ってポケモンのゲーム部門・カードゲーム部門・『ポケモンGO』部門・『ポケモンユナイト』部門の全4部門で選手達の熱い戦いが繰り広げられ、会場は常に選手と応援に訪れた観客の熱気に包まれていたぞ。 勝利の喜びを爆発させる選手、惜敗に涙をのむ選手。それぞれのドラマがそこにはあった。
しかし、戦いはこれで終わりではなく、この大会で優秀な成績を収めた選手たちはポケモンワールドチャンピオンシップス2025、つまり世界大会への出場権を手にした。日本の代表として世界の強豪たちと再び熱いバトルを繰り広げることになる。日本の代表選手たちが世界の舞台でどのような活躍を見せてくれるのか、今から期待に胸が膨らむばかりだ。
【権利表記】
(編集・執筆/ノン、ふうた、おっかー)