デススト(デスストランディング)の考察記事です。ストーリーのネタバレも含んだ解説になりますので、閲覧には注意してください。
※以下の記事はストーリーを全てプレイした上での考察となっています。そのため、ネタバレが含まれますので注意して閲覧してください
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「デスストランディング」において、作中でもくどいくらいに使われているキーワードの一つに「つながり」があります。この「つながり」というキーワードは、ゲームがリリースされる前から小島監督がずっと言っていたキーワードでもあります。
筆者が書いた「レビュー記事」でも触れたことですが、小島監督の問題意識として「ゲームやエンタメが戦争から逃れられないこと」というのがあります。これは、特にゲームが「勝ち負け」の次元にとどまってしまっている問題意識です。
とはいえ、こちらも触れたことではありますが、このゲームでも敵は登場します。しかし、基本的に「ミュール」を殺してしまうと「ネクローシス」化してしまうということで怒られることこそあれど、褒められることはありません。また、「BB」もストレスを感じてしまいます。
筆者は、小島監督のそうした問題意識から、「デスストランディング」においては人と人との「つながり」がメインテーマだったのではなく、人と「物」との「つながり」こそが真のテーマだったのではないかと考えます。「荷物」を運ぶということからも、人と「物」の「つながり」が重視されている、いや、まさにそのことこそがテーマだといえるのではないでしょうか。
また、この人と「物」との関係を考える上で、「荷物」を運ぶというゲーム性の面だけでなく、小島監督が影響を受けたという「棒となわ」に関する話もテーマを考察するうえでは重要です。
小島監督は安部公房の「なわ」という短編小説に強く影響を受けたそうです。曰く、棒は自分と悪いものの間に距離を置くために生まれた道具(武器)であり、なわは善い空間を引き寄せるもの、「デスストランディング」の表現を使えば「つながり」と言えるでしょう。
エンディング間際、「アメリ」が「サム」に対して「アメリ」を殺して「ラストストランディング」を先延ばしするか、それともここで二人残って絶滅を見届けるかを選択させようとしたさいに、「サム」は最初「銃(棒)」を持っています。しかし、最終的には彼は「銃」を別の手段として使います。それが、「つながり」です。
もちろんこのことはストーリー中にも示唆されていることですが、この「棒となわ」に関する小島監督の考え方を、「ゲームやエンタメが戦争から逃れられないこと」と照らし合わせて考えてみると、「棒」に新たな役割を付与しようと、そしてそのことこそが「つながり」なんだと伝えたかったのです。人と人との「つながり」ではなく、人と「棒」との「つながり」です。
ただ、ここからは考察ではなく感想になってしまうのですが、こうした結論は少し残念に思ってしまいました。というのも、絶滅は消滅ではなく進化であると「アメリ」が伝えており、人と「棒」との新たな「つながり」こそ進化だ、とあるいは小島監督のメッセージであったのかもしれません。もちろん、それでも絶滅は免れないのですが、延命措置としての進化は「棒」を「つながり」として使おう、ということなのでしょう。
しかし、「棒」が「つながり」であった、というのは進化としては安直であり、他のいい表現は一体なにかありますか?と言われてしまうと答えに窮してしまうのですが、「つながり」が非常に重視されていた今作なので、別の「つながり」の表現を見てみたかったというのはわがままでしょうか。これで、テーマの考察を終わります。
冒頭、筆者は面食らいました。というのも、事前に「つながり」がテーマになっていた作品だった、とまでは知っていたものの、まさか手錠型端末というものを使うのは、一体どういうことなのだろうと。
手錠とは誰でもが知っている通り、なにかとなにかを”強制的”につなぐものです。そこに自由はありません。ゲーム中で言えば、「サム」は「ブリッジズ」と強制的に「つながれる」ことになっています。言い換えると、強い「つながり」を強いられるということです。
手は、何かをつかんだり、持ったり、いずれにせよ「つなぐ」という役割が非常に強いものです。「つながり」をテーマにした作品で、それを強制する装置を出すというのは、どういう意味が込められているのだろうかと考えながらストーリーを進行させていきました。
ラストの展開を見て、手錠型端末の意味は、もっとゆるく「つなが」っていこう、ということなんだと気が付きました。というのも、これは「デスストランディング」のオンライン要素についても言えることなのですが、このゲームのオンライン要素というのは誰かが使用したり建設した痕跡を利用するものでしかありません。
基本的にはそれらの「つながり」はSNSのような「いいね」によってのみコミュニケーションを取ることができます。しかし、そこにメリットはなにもありません。
そうしたゲーム中のオンライン要素とも照らし合わせてみると、手錠型端末は強制的な「つながり」を拒否しよう、というものだと考えます。そのことを示唆するように、エンディングでは「デッドマン」の計らいによって手錠型端末はオフラインにされます。「サム」の居場所は、もう誰にも分りません。
そして、その「デッドマン」との「つながり」といえば、印象深いシャワーシーンでもありましたが、手錠型端末がオフになっていたときです。つまり、「デッドマン」との「つながり」は、「デッドマン」が「ブリッジズ」に所属していたにも関わらず、決して強制的な「つながり」ではなかったのです。
加えて、手錠型端末に「臍帯」を切る新しい機能が追加され、これを「BT」に対して使用すると「いいね」がもらえます。他の手段ではもらえません。「BT」の「つながり(強制的)」=「臍帯」を、手錠型端末で切り離すことで「いいね」がもらえるというのは、非常に示唆的な演出でしょう。
「アメリ」の「ビーチ」の話も、この文脈に沿って考えてみれば、「アメリ」が切り離されるというのは当然だったとも考えられます。彼女は「ビーチ」の根源的な存在です。つまり、強制的なつながりの象徴ともいえるものです。それが絶滅体だというのだから、「インターネット」によって「つながり」が変わってしまった今、強烈な皮肉に感じてしまうのは筆者だけでしょうか。
しかし、「インターネット」の「つながり」を絶滅体としてだけ提示しているわけではありません。なぜなら、このゲーム自体がゆるやかなつながりそのものだからです。そのようなゆるやかな「つながり」でもいいじゃないか、ということを伝えようとしているのではないでしょうか。
「アメリ」の話に戻ります。「アメリ」が自分の名前の由来を話すときに「アメリカは嘘からはじまった」と言います。これも、「サム」と「ブリッジズ」の関係が嘘から始まった=手錠型端末からはじまったと考えることも可能だと思います。もちろん、「ブリジット」と「アメリ」が嘘の関係だった、ということではあります。
手錠型端末によってはじめられた嘘の関係を、それを外すことによって「つながり」ができると考えると、手錠型端末の意味が分かります。また、ラストシーンでは、手錠型端末を取った「サム」が、初めて――ポッドに入っていたからできなかったにせよ――「BB」と手を「つなぎ」、そして物語の幕が引きます。これは、強制的なつながりから解放された「サム」が、ようやく自由な「つながり」によって結ばれたことを示しているでしょう。
手錠型端末を外すことによって得られた「BB」と「サム」との「つながり」は、もちろん絆的な意味もあります。しかし、「つながり」という言葉にはもう一つの使い方があります。つまり、「サム」から「BB」へと「つなぐ」ということです。
絶滅を待つまでもなく、生物は絶命します。存在は全く消滅します。しかし、次代へと「つなぐ」ことだけはできるのです。横の「つながり」と縦の「つながり」を「つなぐ」ことによって、絶滅する必要もなく進化することができる、というメッセージなのかもしれません。
以上、つたないながらも最後までプレイし終えた考察です。キーワードであった「つながり」についてのみの記事となってしまいましたが、参考になったら幸いです。また、途中苦言を呈してしまった部分もありましたが、それだけ楽しめたということでもあります。至らない部分もあるとは思いますが、プレイし終えた考察や感想もお待ちしています。
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今LoL498なんですが依頼がないです…
なんか特殊発生するものとかあったら情報願います。
小島監督作品では毎度のことだけど、
今回のデスストランディングも
次の世代に(ゲーム作りも含め)託したい欲がストーリーからめちゃくちゃ感じ取れてしまうな。
ちゃんとコジマプロダクションで後進が育っていいゲーム作ってくれないと、この作品に込められたメッセージって結局のとこ浮かばれない気がする。勿論ゲームをプレイしたユーザーにいい影響を受けて欲しいってのもあるだろうけど
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設定とかじゃない考察って珍しいね