2018.04.18 19:12

【コラム】バトルロイヤルゲームの歴史を振り返る≪前編≫

App Annieが発表した調査結果によると、2018年第1四半期の世界ゲームランキングのうち、なんと10作品中3本のバトロイヤル系ゲーム『PUBG Mobile』『Free Fire』『Rules of Survival』がランクインしていることがわかった。

この状況は日本でも同じで、裾野の広いカジュアルゲームが数多くランクインしているなか、堂々首位をキープしているのが『荒野行動 -Knives Out-』だ。

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参考:2018年第1四半期の振り返り:Netflixの好調とバトルロイヤルの世界的人気(App Annie)

ここまでの人気となった「バトロワ系ゲーム」とは、どんな歴史で誕生したものなのだろうか。

誕生のきっかけは深作欣二監督・深作健太脚本の映画『バトル・ロワイアル』だった!?

ゲームそのものの歴史に触れる前に、紹介しておきたい作品がある。それが、2000年に公開された深作欣二監督・藤原竜也主演の映画『バトル・ロワイアル』だ。ちなみに製作と脚本は、深作欣二の息子である深作健太が担当している。高見広春の同名小説を元に作られた本作。42名の中学生が島に送り込まれ、最後のひとりが生き残るまで殺し合いが行われるという、狂気に満ちた内容である。

作中、オネェさんが島の全体マップを見ながらルールを説明するシーンは、まるで現在流行っているバトロワ系ゲームを見ているような気分にさせられる。参加者たちには首輪が付けられているのだが、時間とともに設定される禁止エリアにいたり、あるいは無理矢理はずそうとすると爆発してしまうという仕組みになっている。

こうした要素も、後のバトロワ系ゲームに大きな影響を与えていると言える。

ちなみに久々に本作を観てみたのだが、藤原竜也と前田亜季が「姫プレイ」(男性プレイヤーが女性プレイヤーをかばいながら戦う)をしているところに、ちょっとニヤっとしてしまった。

バトロワ系ゲームを普段遊んでいる人なら、楽しめる部分も多いのでぜひ1度鑑賞してみてほしい作品である。

豆知識:「バトルロワイヤル」は言い間違え?

ちょくちょく目にする「バトルロワイヤル」という言葉。これは作品名の『バトル・ロワイアル』と、ゲームやプロレスで使われる「バトルロイヤル」が交ざった言い間違えだ。

『バトル・ロワイアル』を受け継ぐ作品たち

映画や小説が大ヒットした『バトル・ロワイアル』。2003年には、その続編となる『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』が公開されている。また、同作とよく比較されたのが、奥浩哉氏による漫画『GANTZ』だ。海外では、2008年に小説『ハンガー・ゲーム』が登場。また、2012年にアメコミ『Avengers Arena』が発売されたが、いずれも『バトル・ロワイアル』の影響を受けたフォロワー作品と言われている。

バトロワ系ゲームの歴史は日本人が開発したゲームから始まった?

最も古いバトロワ系ゲームといわれているのは、映画と同タイトルのウェブゲーム『BATTLE ROYALE』だと言われている。製作したのは日本人の開発者バッカス氏。2001年にはすでに稼働していたようだが、現在は配信が停止されている。

また、日本人の開発者2Y氏が『BATTLE ROYALE』を改善し、『Battle Royale Ultimate』を製作。こちらは、2003年から現在まで運営が続けられている。

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その後、映画『ハンガー・ゲーム』の大ヒットと同時に、『マインクラフト』のユーザーが「ハンガー・ゲーム」のMODを作成。こちらも武器を奪い合ったりしながら敵を倒し、最後のひとりに生き残るのが目的のゲームとなっている。

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ここで現在のバトロワ系ゲームの歴史を語る上で、外せない人物が登場する。それがハンドルネーム「PlayerUnknown」で知られるブレンダン・グリーン(Brendan Greene)氏だ。北西ヨーロッパのアイルランドで生まれたグリーン氏は、カメランやグラフィックデザイナー、ウェブデザイナーなどで生計を立ててブラジルで暮らしていた。

一般的なFPSは、狭いマップで戦うためマップが覚えやすく同じ行動を繰り返してしまいがちな点に気がついたグリーン氏。そこで、もっとランダムなものを作りたいという思いから、大きなマップを作り簡単に記憶できないようにするバトルロイヤルのMODを作り始めたのである。

現在は『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』のクリエイティブディレクターという顔が有名な同氏だが、そこに至るまでの道のりは以下のような感じだ。

『ARMA2』

2009年5月に、チェコのBohemia Interactive社が開発した、軍事シミュレーションFPS『ARMA2』が発売された。

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『DayZ』

2013年2月に、『ARMA2』用のMODとして登場したのが、オープンワールドのサバイバルゲーム『DayZ』だ。その後、2013年12月に早期アクセスとして単体の作品としてもリリースされている。このMODは大人気となり、発売から3年が経っていたにもかかわらず、本体の売り上げにも大きな貢献を果たしている。

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『DayZ: Battle Royale』

グリーン氏が、スーザン・コリンズのシリーズ小説『ハンガー・ゲーム』や映画『バトル・ロワイアル』などからヒントを経た『DayZ』用のバトロイヤルMOD『DayZ: Battle Royale』を2013年頃にリリース。

当初は安全地帯に四角いエリアを使いたいと考えたいたようだが、コーディングの知識が無かったグリーン氏は円形を安全地帯代わりに代用することになったそうだ。

『ARMA3』用のMOD『PlayerUnknown's Battle Royale』が登場

『DayZ』が単体の作品としてリリースされることが決まったことで、MOD作りへの興味を失ったグリーン氏。次に関心を持ったのが、『ARMA3』のMOD作りだった。そこでリリースしたのが『PlayerUnknown's Battle Royale』である。

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『H1Z1: King of the Kill』

『DayZ』が単体の作品としてリリースされたときに、同時に注目が集まったのがグリーン氏のMOD『DayZ: Battle Royale』だった。そこにSony Online Entertainmentが目を付け、『H1Z1』のコンサルタントとしてグリーン氏を招聘している。

ちなみに『H1Z1』はその後、サバイバルモードの『H1Z1: Just Survive』とバトルロイヤルモードの『H1Z1: King of the Kill』のふたつに分割されている。

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『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』が発売

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これまではゲームのMODや、あるいはモードのひとつだったグリーン氏のバトルロイヤルゲームだったが、それだをメインに独立したゲームとして開発に取り組んだのが『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』である。

以降、世界中でバトロワ系ゲームがブームとなり、まさにゲーム市場自体がバトルロイヤルさながらの混戦状態となっていく。

(後編、『荒野行動 -Knives Out-』、『フォートナイト』へ続く)

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